BLACK LAGOON

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Bloodsport Fairy tale

Greenback Jane

Fujiyama Gangsta Paradise

Bloodsport Fairy tale

第13話 『The Vampire Twins Comen』

2006.10.04 wed

宮城では昨日の深夜2時から放映された『BLACK LAGOON』第2期第1話を視聴。

実は第1期のOPは第1話以外全て飛ばしていたため正確には覚えていないのですが、これって所々に「The Second Barrage」という文字が入っていること以外、第1期と同じなのでは? この歌自体は好きなのですが、やはりもう少し新作カットが欲しかったように思います。いや、これはきっと、「新しいOPを作る余力があったら、その力を本編に回すぜ!」というスタッフの意思表示なのでありましょう! と無理に納得する私。

そして、今回のサブタイトル。

って、普通に第13話ですよ奥様。どうやら「新番組である」という意識そのものが硬直した思考だったようです。つまり、第1期と第2期との空白期間は「次週から作者取材のため休載します」とか「単行本(DVD)作業のため休載します」という類のものだったのでしょう。

そして、始まる物語。

「先生、今度のブララグは、双子が超殺戮ぶちかましちゃって、窓は割れるわ、頭はくだけるわ、血しぶきとんで、ビックバーン!」

ということで、男の子と女の子の電波な会話をBGMに、初っ端から「小便すませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?」な血みどろの物語が、何処かのバーを舞台に展開されます。どうやら今回は、このイっちゃった二人の兄姉(←互いに「お姉様」「お兄様」と呼び合っているので、どっちが兄/姉なのかわかりません)を軸に話が進んでいくようです。

シーンが変わりまして、張り詰めた綱渡りのロープを逆立ちして歩いている方々の井戸端会議。

不信感を剥き出しにし、触るもの皆傷付ける勢いのバラライカさん。実は先程の惨劇を含めまして、自らの組織であるホテル・モスクワ関係者の6人が狙い打ちされているのです。これに対して張は、自分の部下も一人殺されていることを告げ、今回の件に関しては各組織が共同歩調を取ることを提案します。この街のパワーバランスを崩さんとしている者の思惑にわざわざ乗ってやる必要など何処にもないからです。しかし、そんな提案に対してインテグラバラライカさんは「見敵必殺」こそがホテル・モスクワの方針かつ絶対の真理であることを告げ、去ってしまいます。多分、この場をセッティングしたのであろう張さんの苦労人としての悲哀が感じられる一コマです。

CMを挟みまして、実況検分のシーンに移行。

警察が現場検証しているところを堂々と見て回り、署長から昨夜の目撃証言を得るバラライカさん。この街におけるマフィアと警察の関係がわかるシーンです。そしてここで、昨日の殺戮犯が双子の兄姉であることがわかります。

というわけで、時間が遡りまして、昨夜のバー襲撃の詳細です。斧を持つヘンゼルと機関銃を持つグレーテルの、ターゲットのみならず目撃者全員を歓喜と共に殺していく狂気の姿が描かれます(実際は、1名取り逃がしてしまうわけですが)。それにしても、その小さな身体で無限の弾を吐き出す機関銃を軽々と扱うグレーテル。第1期のメイドも外見に見合わぬ馬鹿力を有していましたが、さすがにこれは……はっ! 私達はこの少女を知っています! いや! この眼差しとこの戦闘力を知っています! 少女の身体に見合わぬ運動能力と、何処か壊れてしまっている精神。この二つを組み合わせますと……謎は全て解けました。この兄姉、イタリアの社会福祉公社からの回し者に違いありません。ちゃんと監督してくださいジョゼさん。

かくして自らの敵の情報を入手し、「貴様らごとき兄姉にロシアの栄光をやらせはせん!」と復讐を誓うキシリアバラライカさんです。

一方その頃、話題の兄姉は昨夜襲撃したバーから運んできた死体を剣山に見立てて、華道の勉強中。

もっとも、刺さっているのは華ではなく釘や国旗だったりしまして、この凶状にはさすがの担当官も引いてしまい、「とっととケリを付けて、街から出て行け!」と言われてしまいます。少女達にとって担当官に嫌われることほど辛いことはありません。結果、「怒られるのも、ぶたれるのも嫌いよ」と担当官を殺ってしまうことを考え始める兄姉。逃げてー、ジョゼさん逃げてーっ。

そしてここに来てようやく、今までずっと状況説明役だったラグーン商会に物語が絡んできます。兄姉が昨夜残した「ヴナ・セアーラ」「ソゥラ・マイ・マアレ」という謎の言葉。バラライカさんがその意味を知ろうと、かつてジャパニーズビジネスマンとして名を馳せたロックに電話を掛けてきたのです。

って、あの、バラライカさん? そういうことは、きちんと言語学者に訊きましょうよ。それでは、光行差について天文学者ではなく疑似科学者に尋ねるミン・スギヤマ氏のようなものですよ?

一方のロックも、突然そんなことを訊かれてもわかろう筈がなく、「ニュアンスはイタリア語みたいなんですが……」と口を濁しているところで、隣でレヴィが読んでいた雑誌がふと目に留まります。そして、そこに何かヒントを得たのか、「そうか、そうだったのか。俺達はとんでもない思い違いをしていたようだ……」と、灰色の脳細胞がフル回転。

「まず、『ソゥラ・マイ・マアレ』をローマ字で表記すると、『souramaimaare』。これを逆にし、『eraamiamaruos』。次に日本語に直し、『エラーミアマルオス』。これに電話が掛かってきたときに見えた文字『DRACURA』を加えると、『エラーミアマルオスDRACURA』。最後に、意味不明な文字『エラーミアマルオス』、これは『エラー』という文字が含まれていることからも分かるとおりノイズと考えられるので削除し、残りの文字を取り出す。すると出来上がる言葉は……『DRACURA』。つまり、『ソゥラ・マイ・マアレ』とは、吸血鬼を表す言葉だったんだよ!」

「な、なんだってー」

というところでエンディング。かくして、ホテル・モスクワの情報収集能力に一抹の不安を抱くことになった第13話でした。

……などと、アニさんを真似てレビューみたいなことを書いてみたのですが、なんだかとても手間が掛かりますよ? これを毎日続けているとは、アニさん、怖ろしい子……!

第14話 『Bloodsport Fairy tale』

2006.10.17 tue

放送日から1週間が過ぎてしまいましたが、『BLACK LAGOON』の第14話です。

一度見た感じでは、ネタになりそうなシーンがあまりないように見受けられましたので、スルーしようかと考えていたのですが、どうやらそうは問屋が卸してくれないらしいので、ひとまず書いてみることにしました。なお、この場合の問屋がどんな業種で何を取り次いでいるのかは分かりませんが、もしどこの問屋かが分かっていましたら、「その口から垂れるウンウンの前と後に『サー』を付けろ」と命令したいところです。

さて、今回も前回と同様に双子の会話から物語は始まります。

と、ここで衝撃の事実が判明します。なんと、グレーテルの長い髪はカツラであり、それを交換することで、この双子は互いの立場を自由に入れ替えていたのです!

ゴメンナサイ。意味がわかりません。

このトリックを用いて移動を早く見せ掛けるとかするなら話はわかるのですが、この双子は常に一緒に行動していますので、この変装ネタ、今まで全く何の役にも立っていません。いや、もしかするとこれは、これから行われる犯罪のトリックを『刑事コロンボ』のように事前に明かしておくことで、それを追い詰めていくバラライカさんの手腕を引き立たせるという演出手法なのでしょうか。これは今後に注目ですよ?

さて、「DORACURA」というキーワードから双子の出身地がルーマニアであることを突き止めたバラライカさんですが、裏及び闇ビデオを扱う業者の御協力を頂き(このパンチパーマの業者の未来に幸あれ)、250本のキッズポルノやスナッフビデオの出演者を人海戦術によりチェック。あのように壊れた子供ならば、闇ビデオの被写体とされている可能性が高い、という読みです。

その読みは当たり、遂に1本のビデオから双子の出自を探り当て、現在、イタリア社会福祉公社が雇っていることまで突き止めます。前回の作中マフィア全員会議で部下の仇を目の前にしてみすみす見逃してしまっていたバラライカさんの胸中は如何ばかりのものであったのか。想像するだに恐ろしいものがあります。

そしてこの情報は、部下が一人殺られている張にも伝えられ、ここに香港と露西亜の共同戦線が張られることとなるのでした。

って、あれ? バラライカさんとしては、犯人は是が非でも自分達の手で殺りたい筈です。なのに、張に教えたということは、香港三合会程度では双子を殺すことはできないと踏んでいるのでしょうか。それとも、双子やイタリア社会福祉公社との戦闘を通して自分達同様に戦力を減らしてくれることを期待しているとか……バラライカ、怖ろしい子……!

さて、一方のもはや命運が風前の灯火であるイタリア社会福祉公社ロアナプラ支部の皆さんですが、支部長ヴェロッキオのイライラはもう爆発寸前です。っていうか爆発しています。なにしろ、このままバラライカさんを殺れないと、監督不行届のため減給処分の上、フラテッロを辞めさせられてしまうのです。

「もっと従順な妹が欲しいんじゃーっ」という心の叫びが聞こえてきそうな程の暴れっぷりですが、ヴェロッキオはこのまま何の見せ場もないままに更迭されてしまうのでしょうか。しかし、ロウソクの火は最後の瞬間にこそ一番輝くという話もあります。ここで一花咲かせて退場するというのも、また美しい去り方なのかもしれません。

と、そこにやってくる件の双子。

自分達を取り囲む大人に全く臆することなく、自分達で考え、そして導き出した結論を口にします。

「ボルシチ(露西亜)はメインディッシュ。スタートはマカロニ(伊太利亜)から」

ごめんなさいヴェロッキオさん。あなたの見せ場はもう何処にもないのかもしれません……というところで前半終了のアイキャッチ。

って、まだ半分しか終わっていないのですか!?Σ(゚д゚lll)ガーン 今宵はここまでに致しとうございます。

P.S.

ちなみに、私が第14話のレヴューを書き終えるまで、我が家における第15話の視聴はおあずけとなっています。

2006.10.18 wed

さて、昨日の続きです。

後半は、不穏なことを口走る少女達に社会福祉公社ロアナプラ支部の人達が銃口を向けるところから始まります。溢れた水はまた汲めばいい。壊れた道具を直して使うほど、地球に優しい生活をしている人達ではないのです。

周囲を囲まれ、絶体絶命の危機に陥った双子。しかし、その口元には涼しげな笑みすら浮かべています。双子は、彼らに向けられる銃口に欠片も恐怖を感じてはいないのです。なぜならば! ……えーと、なぜなんでしょうか? 母さん全然わかりません。

ヴェロッキオ達も、私と同じような疑問を抱いていたのでしょう。その一瞬の思考停止の隙を突かれ、双子に得物を構えられてしまいます。「『ブッ殺す』……そんな言葉は使う必要がねーんだ。なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には! 実際に相手を殺っちまって、もうすでに終わってるからだッ!」というイタリアマフィアの気概を少しでも持っていれば、ヴェロッキオに訪れるこの後の運命も少しは違っていたのかもしれないのですが……合掌。

と、そんな緊迫した状況下にある社会福祉公社ロアナプラ支部にやって来た香港三合会の皆さん。

ものの見事にとばっちりを受けまして、数名が死亡してしまいます。アリーデ・ヴェルチ。これでは、わざわざ自ら流れ弾に当たりに来たようなものです。はたして、苦労人の張さんが報われる日は訪れるのでしょうか。ちなみに、張さんの射撃の腕前はレヴィを遙かに凌ぐという噂があるのですが(市民、噂は反逆です)、なるほど確かに、こんな夜中にサングラスを掛けたまま戦うとは、ワザキタよりは1枚も2枚も上手のようです。

その後、囮を車に乗せ、まんまと賞金稼ぎの目を欺く双子。

だまくらかされた賞金稼ぎの皆さん、思い思いに囮が乗っている車に銃をぶっ放していますが、はたしてこの車に乗っていたのが本物だったとき、どのように賞金を分配する予定だったのでしょうか。余計な血を見ずに済んだ……と考えれば、騙されて正解だったのかもしれません。

一方、張さん一家が予想通りに動いてくれて御満悦のバラライカさんですが、双子の動きを見張らせながら、要所要所に部下を配置し、的確に双子を追い込んでいきます。さすが、軍属時代にミネルバの艦長を務めた経歴は伊達ではありません。某大天使に比べれば、双子の動きを読むことなど児戯に等しいのでしょう。

しかし、ここで予期せぬ要素が入り込んできます。そう、第二部に入ってからめっきり出番が減った我らがラグーン商会のレヴィと、何故彼女と共闘しているのかさっぱりわからない暴力教会の色呆けシスターです。2人とも、そんな無理して物語に関わって来なくてもいいのに。

立ちはだかるシスターに対して、自分達に懸けられている賞金以上の札束を見せて、この場を切り抜けようとする双子。目の前を飛び交う札束にシスターの心は揺れまくりますが、レヴィは「お前のものはオレのもの」的ジャイアニズムを遺憾なく発揮し、双子を倒して賞金とドロップ品の両方を手に入れることを宣言します。こういうことを言う悪役は大抵酷い目に遭うことになるのですが、どうも物語の力を甘く見ているようです。レヴィの株、ストップ安。

もちろん、この二人のことは、バラライカさんの耳にも入っていまして、

「大尉、あの二人……」

「埋めろ」

はたして、空気が読めていないダーティなペアの明日はどっちだ!? というところで次回に続きます。

このレビューは『BLACK LAGOON』の第14話を元に書いていますが、必ずしも情報が正確ではないかもしれません。

第15話 『Swan Song at Dawn』

2006.10.20 fri

いや、レビューの方がずっと手間と時間が掛かるのですよ?

と、それはさておき、『BLACK LAGOON』第15話は、ダーティなペアと双子の戦闘により始まります。頭上に陣取り、双子が武器を構える前に銃の狙いを付けるという、圧倒的に優位な状況にいたにも関わらず、双子に1発も当てることができないレヴィ。『トゥーハンド』の字が泣いています。確かに銃なんてものは1発でも当たってしまえばそれで終わりですが、せめて掠るくらいはして欲しいところです。そして、互いに無駄玉を撃っているところで第3勢力――ホテル・モスクワの戦闘部隊が現れ、ダーティなペアがいることなど全く考慮せずに機関銃を乱射!

ホテル・モスクワが本気で仕掛けて来たとなると、もはやちょっかいを出す余裕はありません。双子にも逃げられてしまい、すっかりただ働きとなってしまったことを愚痴りながら、各々の根城に帰るダーティなペアです……って、さっきの現場には札束が山のように落ちていた筈なんですが、戦闘で全て燃えてしまったのでしょうか。

敵を撹乱させるために分かれて行動することにした双子。グレーテルは、レヴィと別れた色呆けシスターに背後から銃口を突き付け、腕の立つ運び屋を聞き出します。まったく、こんな夜中にサングラスなんかしているから、簡単にレンジ3にまで侵入されてしまうのですよシスターさん。

ちなみに、この二人の会話でヴェロッキオが既に双子に殺されてしまったことが明らかになります。よもや、「うわー、もうだめだー」すら言わせて貰えないまま物語から退場させられてしまうほどだったとは、神聖騎士団に勝るとも劣らないエキストラぶりです。今は静かに黙祷を捧げることにいたしましょう。

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さて、一方のヘンゼルは、自らが囮となって公園の噴水に腰掛けているバラライカさんのところに現れます。彼女を挑発するためか、それとも純粋にそうしたいだけなのか、彼女の部下を殺したときの様子を楽しそうに話すヘンゼルでしたが、それは、昨夜から彼の行動を全て読み切っていたタリア艦長バラライカの無慈悲な鉄槌の引き金を早めただけでした。

「タンホイザー、撃ぇーッ」

その瞬間、右足を撃ち抜かれるヘンゼル。

ヘンゼルは倒れながらも斧を投げ付けようとしますが、その左腕も同様に吹き飛ばされてしまいます……って、ここまでの精密射撃を行えるホテル・モスクワとはいったいどんな精鋭部隊なのですか。どこかの社会福祉公社とは役者が違い過ぎます。

流した他者の血の分だけ、自分達は生きることができる……結果と目的を逆転させ、ただの殺戮機械であり続けた吸血鬼は、何一つ物語的な救いを得ることのないまま、涙を流して死亡します。ひょっとすると、このアニメの登場人物の中で生に一番執着していたのは、この少年だったのかもしれません。

一方その頃、グレーテルは海の上をクルージング。色呆けシスターが紹介した運び屋とはラグーン商会だったのです。8万ドルの賞金を捨て、さらにホテル・モスクワと対立することになっても尚お釣りが来るとは、いったいどれ程の運び賃を提示されたのでしょう。っていうか、何故、レヴィが賞金と運び賃の両方をせしめようとしないのかが極めて謎です。

他の人達とは雰囲気が違うロックに妙に懐き、自分の故郷や育った世界が全て灰色に閉ざされていたことを話すグレーテル。ロックの同情を惹こうとしている可能性もありますが、頬を染めたりしているところを見るに、純粋に初めて出逢った別世界の住人に甘えているだけなのかも。そして、その別世界の住人に自分が住む世界を見せたくなったのでしょうか、嗜虐的な笑みを浮かべながら、ロックに自分の下半身……虐待の痕を見せるグレーテル。ロックは、彼女に行われてきた仕打ちに対する感情を抑えることができず、部屋を飛び出してしまいます。

なお、ここで再び衝撃の事実が判明しています。双子はカツラを被ることで姿を入れ替えていたのではなく、カツラを被ることで人格が変わってしまうのです。これこそ、双子が如何に倒錯的な行為を強要され、それを受け入れてきたかを示すもの。変装により人格が変わることは、もはや双子にとっては技ではなく、事実なのです……って、せっかくこんなギミックがあるのですから、これを用いた展開があって欲しかったように思いますよ?

「関節をはずして腕を伸ばすッ! その激痛は波紋でやわらげるッ!」とズームパンチでグレーテルを殴り付けるレヴィ。「もう一度あいつをからかったら殺す」と「ロックを玩具にしていいのは自分だけ」宣言を行うのですが、ロックを見張りにすればこうなることはわかりきっていた筈で、単になんでもいいから殴る理由が欲しかっただけに思えます。つか、殴られた後のグレーテルの目がテラ怖ぇ。

甲板に上がり、双子を壊してしまった世界に対する呪詛を吐くロック。しかしそれが行われるのは、新鮮な空気と澄み切った青空、そして燦と照り付ける太陽がある光り輝く世界。閉ざされた船の中で鼻血流しているグレーテルとは余りに対照的な描写です。ところで、この眼鏡キャラクターの名前って何でしたっけ?

次の運び屋がいる港に着き、ラグーン号を降りるすっかり美少女キャラクターなグレーテル。光流並の治癒力があるのか、レヴィに殴られたところは痕すら残っておらず、モデルになったら重宝されそうです。

「また会いましょうね」と声を掛けるグレーテルに、それが決して叶わぬ誓いであることを知ってか、苦笑いで返事をするロック。と、次の瞬間、一発の銃声が港に鳴り響きます。

この港の運び屋に、ホテル・モスクワからグレーテル殺害の依頼が届いていたのです。帽子が風に飛ばされ、初めて頭上に頂くことになった青空を見上げ、「綺麗だわ……空」と純粋な感想を抱くグレーテル。しかしその顔は青い空と対照的に赤い血に染まっており、そのまま短い生涯を閉じることになります。

ヘンゼルもグレーテルも、青空の下に出た途端に無慈悲な死を迎えました。それは、灰色の世界からの解放と見るべきなのか、それとも、ロック曰く「君を幸せにする為にある」筈の世界が双子を拒絶したと見るべきなのか――。

「俺達みたいなろくでなしが、少しでも光を掴もうなんて思うと……痛いしっぺ返しを貰うぞ」

そんな台詞を思い出させられた第15話でした。

2006.10.23 mon

さて、やたらと手間が掛かるレビューですが、私は次のような手順で書いています。

  1. 初めから終わりまで、使えそうなシーンをキャプりまくる。
  2. 画像処理ソフトで縮小し、補正を掛ける。
  3. 取り敢えず画像をシーン毎に埋め込む。
  4. シーン毎の解説を記載していく。
  5. 余分な画像を削除する。

というわけで、キャプったものの、実際には使わなかった画像というものが結構あったりします。試しに20日分のものを掲載してみますと、

後半、ネタがなくて力尽きて、端折りまくっていることがよくわかります。

切腹。

Greenback Jane

第16話 『Greenback Jane』

2006.10.25 wed

さて、『BLACK LAGOON』第16話です。

「うわっ、作画が崩れ始めてる~」とか思っていましたら、動画と原画と作画監督(早い話が全部)が半島の方でした。前回の双子と比較しますと、力の入れ具合が余りにも違いすぎて、今回のゲストヒロインであるこのインド眼鏡っ娘が哀れに思えてきますが、この程度で責めていましたら、キャベツに申し訳が立たないかもしれません。

一方、悪人顔は得意なようですので、更なる精進を期待したいと思います。

以上。

2006.10.26 thu

昨日に引き続き、『BLACK LAGOON』の第16話です。

一度見た感じでは、ネタになりそうなシーンがあまりないように見受けられましたので、スルーしようかと考えていたのですが、どうやらそうは問屋が卸してくれないらしいので(ry

さて、今回は、どこかアパートの一室から物語が始まります。登場人物は、褐色肌の眼鏡っ娘とその相棒と思われるパソコンオペレーター、そして彼女達を取り囲んでいるマフィアの皆さんです。話を聞くに、この褐色肌の眼鏡っ娘が偽札の製造を依頼されていたのですが、「違う! 俺が求める偽札はこれではない!!」と芸術家魂を爆発させて、大幅に締切を破っていた様子。この状況下で尚も自分の信念を明確に主張できることには「市民、あなたの胆力は賞賛に値します」と拍手を送りたいところですが、マフィアの皆さんの心はそれほど広くなかったらしく、見せしめにパソコンオペレーターがあっさり殺されてしまいます。これで褐色肌の眼鏡っ娘も、Y倉氏の名言「〆切はゴムのように伸びずッ!!」を肝に銘じて、2日後の締切を目指して懸命に働くことでしょう。

って、もちろんそのまま地道に働いたりしたら物語にならない訳でして、2日後に確実に迫っている死を回避するため、「気のどくだがわたしの為だ!」と野盗を蹴散らすセリヌンティウスのように、見張りの一人をトイレに閉じこめ、もう一人をパソコンモニターで殴り付け、見事脱出に成功する褐色肌の眼鏡っ娘。なお、私見ではありますが、頭を殴られた方の見張りは多分死んでいるのではないかと思われます。ひぃっ、人殺しぃーっ。

一方、その頃。

レヴィは、昨夜酔っぱらった勢いで自室のクーラーを蜂巣にしてしまったため、暴力教会に涼みに来ていました。これには教会のクーラーも壊れていたという予定調和的なオチが付くわけですが、それにしてもレヴィと色呆けシスターのこの二人、前回の共闘態勢と言い、かなり仲が良い様子です。第一期の初登場時、あれだけ険悪な感じに演出されていたのは一体何だったのかと小一時間問い詰めたいところです。

互いに酒をかっ食らい、茹だっていたところに、玄関のドアを叩く音がします。ロアナプラに頼れる人がいない褐色肌の眼鏡っ娘が、「お願い神様、私の命を守って!」と教会に庇護を求めて来たのです。

しかし、あいにくと神様は留守でした。

玄関で門前払いされそうになっているところで、追っ手が車に乗って到着し、「わたくし、こういうものですので、以後よろしく~」と名刺代わりの銃弾を1発。無知は罪です。そして悪いことは重なるもので、その銃弾は運悪く、色呆けシスターの顔すぐ側のドアを貫通し、レヴィが持っていたウイスキーグラスを粉微塵に砕き……申し訳ございません。私、先程嘘を申しておりました。確かにこの教会には神様がいらっしゃいました。破壊神という名の神ですが。

「我、神の名においてこれを鋳造する。汝ら罪だらけ」とばかりに、マフィアに対して銃口から部分軌道爆撃系人工精霊を山のように放つ破壊神達。なにげに男の新キャラクターもいますが、現在のところ、物語には欠片も関わってきませんので無視する方向で。というか、第7話を見たときには、暴力教会の暴力教会たる所以は、色呆けシスターや眼帯シスターなど一部の人にのみ由来するものだと思っていたのですが、玄関前でこんなに平然とドンパチやらかすとはすっかり公認なのですね。

嵐のような爆撃にはさすがのマフィアも敵わず、「月夜の晩ばかりじゃないぞ」的な捨て台詞を残して去って行きます。命があっただけでも良しとすべきところだと言いますのに……ここに、このマフィアの行く末が見えたような気がします。キーワードは『神聖騎士団』。

さて、結果的に暴力教会に助けられた褐色肌の眼鏡っ娘。何故、マフィアに負われていたのかの釈明を求められ、それはもう懇切丁寧に偽札のことを話します。もちろんレヴィ達の感想は「そりゃお前が悪い」(←統一見解)なわけですが、この街では日常茶飯事、特に責めるわけではありません。これからのことについて、眼帯シスターは偽札の原版を報酬としてラグーン商会に逃がして貰うことを提案しますが、褐色肌の眼鏡っ娘は「原版の値段-逃走代金」のお釣りとして3万ドルを要求し、交渉は決裂します。ロジャー・スミスを呼べ。真下正義でも可ッ。

「あんたなんかの助けなんて借りないわよ」と教会を出て行こうとする褐色肌の眼鏡っ娘に、300ドルの情報料で教会繋がりの「安全な宿」を紹介する色呆けシスター。この交渉は無難にまとまり、褐色肌の眼鏡っ娘は荷物を持って教会を出て行くのですが、その直後、色呆けシスターは何処かに電話を掛けて「褐色肌の眼鏡っ娘の宿泊先」という情報を売ってしまいます。褐色肌の眼鏡っ娘の動きをコントロールしつつ、さらに逃走代等をせしめようという魂胆です。まさに外道。

さて、一方その頃。

先程の教会での戦闘で実は怪我をしていたアメリカマフィアの親分の命を受け、今、一人の男が立ち上がろうとしていました。その男の名は、ジョニー・ザ・バイパー。『ヘルズゲート』の異名を持つ、イカした今回のゲストヒーローです。

……ひょっとすると、番組内では別の名前で呼ばれることがあるかもしれませんが、彼の名前はジョニーです。今、私が決めました。掲示板に書き込みなどをする際には、「ジョニーどうなりました?」と書かなきゃ通じないので注意してください。

ジョニーは街の賞金稼ぎを集め、褐色肌の眼鏡っ娘を捕まえる作戦を開始します。なんとなく、賞金稼ぎ達がさっぱりジョニーの話を聞かずに世間話に興じているような気もしますが、これはジョニーのカリスマ性や統率力に問題があるのではなく、余所者に冷たいロアナプラの住民の問題でありましょう。多分。

かくして、

  • 逃げる褐色肌の眼鏡っ娘
  • 逃げる褐色肌の眼鏡っ娘を捕まえんとするジョニー
  • 逃げる褐色肌の眼鏡っ娘を捕まえんとするジョニーに雇われた賞金稼ぎ達
  • 逃げる褐色肌の眼鏡っ娘を捕まえんとするジョニーに雇われた賞金稼ぎ達の裏をかこうとするラグーン商会と色呆けシスター

という構図が出来上がります。はたして、主人公達を相手に追い掛けっこをすることになったジョニーの未来は何処に繋がっているのでしょうか?(多分、煉獄の門)

「つづく!」

第17話 『The Roanapur Freakshow Circus』

2006.11.01 wed

さて、『BLACK LAGOON』です。

というわけで、原画が日本人だからと言って、必ずしも絵が綺麗になるわけではないということが判明した第17話でありました。

「ブララグちゃん、作画陣がデスノートに吸い取られてる」

2006.11.02 thu

これは不遇なアメリカマフィアのジョニー。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎ。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスター。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎ。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者と共に襲撃を仕掛けたその他大勢の賞金稼ぎ。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者と共に襲撃を仕掛けたその他大勢の賞金稼ぎを囮にして裏口からどう考えても殺しに向いていなさそうなチェーンソーを持って仕掛けて来た解体屋。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者と共に襲撃を仕掛けたその他大勢の賞金稼ぎを囮にして裏口からどう考えても殺しに向いていなさそうなチェーンソーを持って仕掛けて来た解体屋に何発も銃を撃ち込みながら殺すことができない最近腕が鈍り気味のレヴィ。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者と共に襲撃を仕掛けたその他大勢の賞金稼ぎを囮にして裏口からどう考えても殺しに向いていなさそうなチェーンソーを持って仕掛けて来た解体屋に何発も銃を撃ち込みながら殺すことができない最近腕が鈍り気味のレヴィが立て籠もる建物の1階に火を放ってハッピーうれピーよろピくねーな火炎魔神。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者と共に襲撃を仕掛けたその他大勢の賞金稼ぎを囮にして裏口からどう考えても殺しに向いていなさそうなチェーンソーを持って仕掛けて来た解体屋に何発も銃を撃ち込みながら殺すことができない最近腕が鈍り気味のレヴィが立て籠もる建物の1階に火を放ってハッピーうれピーよろピくねーな火炎魔神に追い立てられて屋上に逃げてこれからなじょしたもんかと考えている丸腰のロック。

これは不遇なアメリカマフィアのジョニーに1000ドルで雇われたウィザードと名乗る駄目な感じの賞金稼ぎに追われている薄幸の褐色肌眼鏡っ娘インド人が持っている偽札の原版を狙って罠を仕掛けた色呆けシスターに話し掛けている間に殺された見せ場のない賞金稼ぎのことを知って報酬を3万ドルに吊り上げた舌足らずな中国人暗殺者と共に襲撃を仕掛けたその他大勢の賞金稼ぎを囮にして裏口からどう考えても殺しに向いていなさそうなチェーンソーを持って仕掛けて来た解体屋に何発も銃を撃ち込みながら殺すことができない最近腕が鈍り気味のレヴィが立て籠もる建物の1階に火を放ってハッピーうれピーよろピくねーな火炎魔神に追い立てられて屋上に逃げてこれからなじょしたもんかと考えている丸腰のロックを救出しようと整備が済んだラグーン号に乗ってロアナプラに向かっているけど当面の危機には到底間に合いそうにないダッチ。

と、某Y氏が20年以上前に紹介してくれた『これはのみのぴこ』をリスペクトして『BLACK LAGOON』の第17話の粗筋を紹介してみましたが、実は私はまだ『これはのみのぴこ』を読んだことがありません。完。

と、それはさておき、今回一番驚いたのは、これから賞金稼ぎが大挙して押し掛けてくるという状況下で、色呆けシスターと一緒にロックが悠然と酒を飲んでいることでありました。

「慣れていくのね、視聴者にもわかる……」

第18話 『Mr.Benny's Good Fortune』

2006.11.07 tue

さて、『BLACK LAGOON』の第18話です。

果たして、炎上する倉庫の屋上に丸腰でいるという絶望的な状況からロック達は如何にして脱出するのか、水上を疾走するダッチ達は救出に間に合うのか、そして、資産全てを巻き上げられそうな褐色肌の眼鏡っ娘インド人の運命や如何に!? などと言うことは遙か彼方にうっちゃりまして、恐らく多くの視聴者が今回最も注視していたのは、次回予告でありましょう。

さすが、ここ3回分で力を溜めただけありまして、双子編に匹敵しそうなクオリティ。きちんと女の子が可愛く描かれているのが高ポイントです。是非、このレベルで最終回まで突っ走って頂きたいと思います。

なお、第16~18話の3回については、「褐色肌の娘がメインヒロイン」且つ「作画冬の時代」という理由から、当サイトに於いては以後、『南の島編』と呼称することに決定いたしました。掲示板に書き込みなどをする際には、「南の島編はどうでした?」と書かなきゃ通じないので注意してください。

2006.11.09 thu

では、南の島編最終回です。

今回は前回に引き続き、レヴィ&色呆けシスターvs舌足らずな中国人暗殺者シェンホアのシーンから始まります。レヴィに追い立てられたシェンホアに色呆けシスターが銃弾を放ちますがしかし、シェンホアはその銃弾を見事に躱わし、逆に色呆けシスターの首に紐を巻き付けることで、その動きを封じてしまいます。さらに、そのまま2階まで飛び上がり……ってひょっとしてこの中国人、実は第1期のメイドに匹敵する運動性能を持っているのではないですか? その性能は次のシーンでも遺憾なく発揮され、背後に回り込んだレヴィが銃を撃つよりも早く、殺陣黄金蟲で迎撃を行います。

嗚呼、駄菓子菓子。凛が天津景久を殺れなかったように、黄金蟲には絶対的な殺傷力がありません。そして、レヴィと色呆けシスターの両方を、初撃で殺せなかった時点で勝負は付いていたのでしょう。レヴィに黄金蟲の第二射を放とうとしたそのとき、背後から色呆けシスターに容赦なく銃弾を叩き込まれ、敢えなく地面に落下してしまうのでした。以上、シーンプレイヤーが死亡したので、このシーンは終了となります。

一方その頃、屋上のロック達には、チェーンソーを持った解体屋ソーヤーが迫っていました。前回のラストで、「どうするの?」と煩く訊いてくる褐色肌の眼鏡っ娘に対して「黙れ!」「考えてるんだ……!」と言い放ったロック。この絶望的な状況下でどんな大どんでん返しを見せてくれるのでしょうか。ついに待ちに待ってた出番が来たのかもしれません。

とか思っていたのですが、ロックが考案したのは「弱っている箇所を歩かせて、下の階に落とす」というもの。落ちたところにストロング金剛や丹古母鬼馬二がいるというなら話は別ですが、このままではイッパツ逆転には程遠い作戦と言わざるを得ません。どうやら、第1期の最初に見せたキレ具合は、次回から始まる日本編までお預けのようです(多分)。

解体屋として事後処理に徹してきた昨日までの自分にサヨナラし、今回の襲撃ではメインとなったソーヤー。その楽しさと嬉しさ故か、傷痕が生々しい首筋に携帯発声器を当て、いつもの姿からは想像も付かないほど饒舌に喋ります。いや、今シリーズ初登場キャラクターなので「いつもの姿からは想像も付かないほど」なのかどうかは、実はさっぱりわからないのですがそれはさておき、ロック達に勝機があるとすれば、彼女が「自分が負けることはない」と完全にロック達を見くびっていることでしょう。如何に彼女を罠に誘導し、ダウン攻撃を喰らわすのか、ロックの手腕が問われるところです。

と、そのとき、突如として階下から巻き起こる爆発。眼鏡の火炎魔神が1階に放った炎が貯蔵燃料に引火したのです。そして、その爆風により発声器を紛失し、話すことができなくなってしまうソーヤー。メインから物言わぬエキストラ以下の立場へと急転直下。その精神的ショックは一体如何ほどのものであったのか、ソーヤーは、解体屋というアーキタイプのアイデンティティであるチェーンソーすらも投げ捨ててその場に座り込み、鬱ぎ込んでしまうのでした。かくして、シーンプレイヤーが喋れなくなったので、このシーンは終了です……って、ロックが考案した今週のビックリドッキリ落とし穴作戦の立場は何処に?

先程の爆発を切っ掛けとして、パージを実行した箱船の如く、一気に崩壊を始めるドック。そのとき、一人の男が隣の建物の屋上に颯爽と姿を現しました。その名も、ロットン・ザ・ウィザード。名前から察するに腐敗魔術を得意とする魔法使いのようですが、右手の人差し指で天を指す姿には、天の道を行く王者の風格すら感じられます。レヴィもその匂いを敏感に感じ取ったのか、崩れ落ちるドックの上から、一発の弾丸を射出。

そして、その弾丸を食らい、そのまま屋上から転落するロットン・ザ・ウィザード。

工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工

しかし、そこはさすがウィザード! レヴィ達がいなくなった後に、何事もなかったかのようにむくりと身体を起こします。驚くべき魔法の力により、身体に届く前に弾丸を腐敗させていたのです! なんてことはなく、賞金稼ぎの身だしなみである防弾チョッキで弾丸を食い止めていたのです……って、OK、弾丸を食らっても平気だった理由はわかりました。できれば次に、倉庫の屋上から全身を打つようにして地面に落ちても平気だった理由を教えては頂けませんでしょうか? という私の疑問は華麗にスルーし、「ここでリザレクト!」と復活してきたシェンホアに肩を貸し、「目の前で女の子に死なれるのは、目覚めが悪い」と病院へと向かうのでした。( ;ハ;)イイハナシアルー

つか、何しに出てきたのですかコイツ。原作では活躍しているのでしょうか?

さて、またもやシーンが変わりまして、舞台は負傷したアメリカマフィア幹部のエルヴィスが入院している病院です。なかなか褐色肌の眼鏡っ娘を捕獲できないことに苛立ちを募らせるエルヴィスに、現地班員であるロボスは、あまり派手に動くとロシアや中国の勢力と衝突してしまうことを説明します。

エルヴィス「俺を電話口まで連れて行け! って叫びます」

ロボス「それを聞いて、困ったような表情を浮かべながら部屋を出ます。そして、廊下で溜息を吐きながら頭を掻いたときに、服の下の拳銃がチラリと見えるという演出でw」

エルヴィス「ちょwwwおまwwwそれ、俺の死亡フラグwwwwww」

さて。

シーンが変わりまして、今度はラグーン号です。崩れ落ちたドックからなんとかかんとか逃げ出したレヴィ達はラグーン号に乗り、ロアナプラを脱出しました。しかし、追っ手を完全に振り切ることはできず、艦上での戦闘が始まっていたのです。追っ手の殆どを倒したレヴィ達でしたが、眼鏡の火炎魔神の異名を持つトーチだけは、その攻撃範囲の広さと意外な運動性能の高さにより、まともに攻撃を加えることすらできません。事ここに至ってレヴィは、再び急旋回航行を行うことでトーチを船体から投げ飛ばす作戦をダッチに伝えます。って、それでいいのか拳銃使い。

ベルトで自分の身体を船体に固定し、ダッチに合図を送るタイミングを計るレヴィ。って、あのレヴィさん、その巻き方だと確実に外れますよ?

そしてラグーン号内部で行われていた色呆けシスターとジョニー・ザ・バイパーとの戦闘も終焉を迎えます。銃を弾き飛ばされ、額に銃を突き付けられるという絶望的な状況のジョニーは、サングラスが外れた色呆けシスターの顔を見て、あることを思い出します。「俺はこの女を知っている! いや! この眼差しとこの顔を知っている!」

ここで色呆けシスターの意外な過去が明らかにされます。なんと彼女はCIA絡みの人間だったのです。もちろん、そのことに気付いたジョニーが放っておかれる筈もなく、「かわいそうだけど、あしたの朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね」って感じの冷たい眼差しを向けられたまま引き金は引かれ、ここにジョニーは煉獄の門へと旅立つことになるのでした。

色呆けシスターが元CIAなのか、それとも現役のエージェントなのかは分かりませんが、今回、ドルの偽札原版をGETすることにこだわっていた理由はこの辺りにあるのかもしれません。って、もし彼女が現役だとしますと、褐色肌の眼鏡っ娘の運命はもはや風前の灯火のような気が。

一方、そんな隣り合わせの灰と青春が身近に迫っているとは露とも知らない褐色肌の眼鏡っ娘ですが、逃走中になくしてしまったノートパソコンのことでロックと言い争いをしています。実は彼女は原版の現物を持っておらず、報酬として渡すには、ネットワークからそのデータをダウンロードする必要があるのです。

パソコンがなければ、ネットワークに接続することすらできません……というところで目に留まった眼前の機器。パソコンならば、今、目の前にあるではありませんか! 早速、所有者たるベニーに貸してくれるように頼み、

「だが断る」

と速攻で断られる褐色肌の眼鏡っ娘。ヘビーユーザーが自分の機器に触られることを嫌うのは、当たり前、当たり前、当たり前~。その後、ベニーが自分の趣味でネットワークに接続し、防壁を突破して見事、データのダウンロードに成功するのですが、ビジュアル的にあまり華がないので割愛させて頂きます。

データのダウンロードに成功したベニーに、感謝のキスをする褐色肌の眼鏡っ娘。最初にベニーを見たときにもいきなり頬を赤らめたりしていましたが、ひょっとしてこの娘、このままラグーン号に居座るつもりなのでしょうか? とか一瞬思いましたが、多分、この南の島編自体が黒歴史として封印されることになると思いますので、次回以降は欠片も出てくることはないでしょう。どうせこの後、色呆けシスターに消されているでしょうし。

以上、どこに照準が合ってるのか、「母さん全然わかんないわよ!」な第18話でした。

Fujiyama Gangsta Paradise

第19話 『Fujiyama Gangsta Paradise』

2006.11.14 tue

さて、『BLACK LAGOON』第19話です。

なッ、そんな馬鹿なッ!? パソコンモニターの中とはいえ、今回も褐色肌の眼鏡っ娘が登場しているではありませんか! 作り手的には黒歴史として封印され、物語的にもてっきり色呆けシスターに殺られているものとばかり思っていたのですが……「今回以降、この褐色肌の眼鏡っ娘が登場することはない」とした私の判断は、早計に過ぎたのでしょうか。これは皆さんに謝らなければならないようです。

って、いや、ちょっと待ってください。なるほど……そうか、そういうことだったのですか。私はとんでもない思い違いをするところだったようです。次の拡大画像を見てください。

御覧のように、明らかにグラスの中の液体の量が違います。これは即ち、この映像のどちらかが……いえ、もしかするとこの両方が何らかの改変処理を受けた、又は意図的に作られたものであることを示しています。このような物語となんら関係がないシーンで、何故、そのような操作が行われなければならなかったのか? その答えは、私の推測と決して遠く離れてはいない筈です。

「謝らない!! それがオレたちにできる唯一の闘い方なんだよ!!」(←駄目人間)

2006.11.20 mon

今夜には続きが放映されてしまいます『BLACK LAGOON』第19話。今回からは、日本が舞台となります。

って、よりにもよって日本ですか!?

第一期の第1話や第8~10話(メイド)を見たときに強く感じつつも今まで敢えてスルーしていた違和感が、今回からは到底無視できない威力でもって私を襲うようです。それは即ち、「このアニメの登場人物は、一体何語で話しているのか?」と言うこと。ロックの母国語は日本語ですし、バラライカはロシア語、ガルシア&眼鏡メイドはスペイン語かポルトガル語、そして、ロアナプラのその他大勢の人達はタイ語か英語の筈です。この辺りの問題を、ロアナプラという架空都市を舞台とすることでなんとか回避してきたわけですが、日本が舞台とあっては誤魔化しようがありません。

――とか、思っていましたら。

ロックが同時通訳している!?

会話がロシア語に切り替わったために通訳できなくなっている!?

言語が噛み合わないままに言い争いをしている!?

言語が噛み合わないままに雰囲気だけで会話している!?

ということは、ロアナプラでの会話は基本的に英語だったのですね……って、じゃ、なんですか奥さん。第一期第1~2話でロックが銃を突き付けられている状態で話したのも、空中ミサイル発射作戦を説明したのも、全て英語だったとおっしゃるんですか? さすがロック! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ。そこにシビれる! あこがれるゥ!

「徳光……。見せてもらった……よ。現代物アニメの可能性を……な」

2006.11.22 wed

願意「今年こそもうかりますように」 願意「DVDがもっと売れますように」

と、そんなスタッフの魂の叫びが垣間見える第19話ですが、そろそろ物語についてレビューを書いてしまいましょう。これが終わらないことには、我が家では既に録画済みの第20話を見ることができないのです。主に私の権限で。

さて、物語は、ヤの付く自由業の方々とバラライカさんが何処ぞのバーorクラブで話をしているシーンから始まります。どうやら、日本に橋頭堡を築きたいホテル・モスクワが、ロアナプラ等における実績を買って、バラライカさんとその部下を東京に派遣してきたようです。

ホテル・モスクワと、締め付けを強める「親」の香砂会に反旗を翻さんとする鷲峰組との利害は一致し、ここに共同戦線が張られることになるのですがしかし、共同戦線とは言いましても、日本ヤクザとロシアンマフィアとでは「戦」の意味がまるで違います。「このヘタレが。ワシをいわすなんざ10億万年早いんじゃ、コラ(意:私の戦力は、諸君らのそれを圧倒的に凌駕している)」という事実を見せ付けるかのように、一気に武力行動に出るホテル・モスクワ。「SATSUGAIせよ! SATSUGAIせよ!」と次々と香砂会の事務所やクラブを襲撃していきます。

爆弾や機関銃すらも用いられた不意打ち攻撃に、「うわー、もうだめだー」と為す術もなく殺られていく香砂会の方々……って、最初のクラブ爆破のときに、一般のお客さんまで一緒にぶち殺しているように見えるのですが、少々やり過ぎではないのでしょうか? ロアナプラより遙かに命の値段が高く、そして賄賂が通用しにくいと思われるような気がしないでもないこの日本で、バラライカさん達の手法がどこまで通用するのか。このままでは、ヤクザよりもむしろ、日本警察との戦いに突入しそうな気配です。つか、日本人代表として何とか言ってやって下さいよロック。

そして、この余りに性急と言えば性急、無茶と言えば無茶な行動に危惧を持ったのは私だけではないようで、この地区の前任者と思われるラプチェフが、バラライカさんに苦言を呈します。

「LET'S轟!!」(ギリギリギリギリ)

しかし、「立ちはだかる全てを殲滅する」為にやって来たバラライカさんにそんな言葉が通じる筈もなく、逆に頭をテーブルに叩き付けられて「Hallo? Hallo? Anybody home?」とバカにされてしまう始末。あまりの屈辱に、ラプチェフはここに昏い復讐の炎を灯すのでありました(多分、失敗する)。

ところでお二人とも、周りに一般市民もいる高級ホテルのレストランでは、あまり目立つ行動はしない方がいいと思うのですが、いかがでしょう? 多分、バラライカさんなんか、「軍人のコスプレしている外人がいる!」と既にネットに画像が流れまくっていると思いますよ?

さて、一方その頃、ロックとレヴィは、空き時間を用いて東京をのどかに散策していました。

もちろん、そのままのどかに終わってしまったら話が進まない訳でして、早速、縁日で「的を銃で押し倒した!」「的に重しを入れていた!」と射的場の親父と言葉も通じないままに言い争いを始めるレヴィ。と、そこに「いい景色だ……」と闇の奥から一人の長躯の男が現れます。この縁日のシノギを取り仕切っている鷲峰組の組員、月見の銀次です。言葉が通じないままに両者は会話を交わし、双方引かずにまさに一触即発! というところで銀次に付いてきた一人の少女――鷲峰雪緒が「あの……甘酒、甘酒飲みませんか?」と代案を提案。ロックの賛成によりこの提案は可決され、舞台は甘酒屋へと移行することになるのでした。

最高のタイミングで思い切り横合いから精神的に殴り付けられ、すっかりやる気を削がれてしまったレヴィ。この後、ロックと雪緒がのほほんと会話しているのを見まして、「チッ」と別の意味で大層不機嫌になるのですが、先程騒ぎを起こす直前には、「まともとは言えないな。お前達とつるんでいるのが何よりの証拠だ」と苦笑するロックに寂しげな目を向けていたりしまして、今一つレヴィの立ち位置がわかりません。これが所謂、乙女ごこr……zap zap zap.

明けて翌日、銀次のところに一人の男がやって来ます。冒頭のシーンでバラライカさんと話をしていた鷲峰組若頭の板東です。ホテル・モスクワと共闘することになったのはいいのですが、所詮は海外勢力。そこには義侠の欠片も感じられません。いざというときの為に、かつて近隣のヤクザを震え上がらせた過去を待つ――人斬り銀次に、先代の頭が亡くなって以来封印してきた日本刀を再び握るよう頼みに来たのです。

「親殺し」という極道としては決して超えてはいけない一線を軽くスキップして踏み越えつつある板東の言葉を、銀二は雪緒の養育費を出してくれていることには感謝しつつも、「だが断る!」と一蹴します。ここで板東は素直に引き下がるのですがそれはさておき、日本刀一本持つだけであのホテル・モスクワへの対抗手段になると見なされるって、いったいどんなアンデルセン神父なんでしょうかこの人。

なお、このシーンで、板東が出店のお面を見ながら「今日日のジャリはよぉ、そんなもんよりはピコピコの方がええんやろがい」という台詞を言い放つのですが、銀次は間違いなく『スーパーマリオ』世代だと思います。

さて、今回のメインイベント「レビィ萌えキャラ化計画」の時間がやってまいりました。

一年ぶりに親の顔を見てくるようロックを促し、公園で時間を潰していたレヴィ。「待っててやるけどよ、たいしては待たねぇ。これを飲み終えるまでだ……」などと格好付けながら、自分とロックとの間に横たわる溝を改めて認識していた訳ですが、そこに乱入してきたのは日本の小学生。初めは全く彼らのことを意に介していなかったレヴィですが、自分に銀弾鉄砲の弾が当たるや否や、すばやく鉄砲を奪い取り、三連射で空き缶に命中させるなど、その腕前を余すところなく披露して、惜しみない賞賛の声を浴びます。真っ直ぐには飛ばないであろう玩具で試射することもなく的に命中させるとはこの娘、やはり只者ではありません。

子供達に賞賛されたことに気をよくしたのか、悪戯っ子のような笑みを浮かべたまま、映画の1シーンを再現するレヴィ。さらには、子供達の倒され方にダメ出しし、キラキラと輝くエフェクト付きの倒れ方まで言葉が通じないままに指南します。

と、そこに見計らったかのように現れるロック。いや、実際に見計らっていたのですが、普段の自分とは違うキャラクターを見られてしまったレヴィはすっかり赤面してしまい……なんだ!! この娘、やればできる子だったのじゃあないですか。

恥ずかしさ紛れに持っていた鉄砲を投げ捨て、ロックを引っ張って公園から戦術的撤退を行うレヴィ。どうやら先程の姿はラグーン商会の面々にも秘密だったらしく、「このことをダッチやベニーに喋ってみやがれ! ××××切り取って、食わしてやるからな!」地上波では放送できない台詞(多分、DVDには収録)でもって、ロックの口封じを図るのでありました。

本日の計画………………失敗。

第20話 『The Succession

2006.11.25 sat

さて、『BLACK LAGOON』第20話です。

バラライカさんの顔(上下逆ではありません)

なんだか最近、バラライカさんが富士鷹ジュビロ的悪役顔になりつつあるような気がする今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか。私は下記のようにシーン毎に画像を並べてはみたものの、ネタが殆ど思い付かず、このままではただのあらすじ紹介になってしまいそうなことに深い危惧を抱いているところです。ごきげんよう。

『BLACK LAGOON The Second Barrage』第20話

そのまま21話のレビューに入っていましたら、お察し下さい。

2006.11.26 sun

さて、腹を括りまして『BLACK LAGOON』第20話。

「対峙するだけで良いのだ!! 止まれ!!」という鷲峰組の意見など軽くゴミ箱に投げ捨て、バラライカさん達は香砂会への攻撃の手を全く緩めません。さらに、これはまだ第一段階。次の目的は、香砂会幹部の家族を誘拐することなのです。

わざわざ襲撃を行い、警備を厳重にした後に誘拐を行うというのは、何か順番が間違っていると思うのですが、これは「私の戦力は、諸君らのそれを圧倒的に凌駕している。復讐など無意味だ」という事実を骨の髄まで相手に知らしめる為のものなのでしょう。多分。きっと。もしかして。

「私は酒も飲みます。煙草も吸います。二年前に一度、友人に誘われて女を買ったこともあります。でも信じて下さい。ほんの出来心だったんです。これからは酒も煙草もやめて、日曜日には必ず香砂会へ通います。関東和平会にも決して足を向けません。――だから、お願いです。私の目の前にいるこの女を、どうにかして下さい!?」と頭を抱える鷲峰組若頭の板東をよそに、今回初登場の組員チャカは、同じガンスリンガーである相手の用心棒が気になる様子で、会談後に廊下でロックを待っていたレヴィに声を掛けます。やめればいいのに。「英語でしゃべれ」というレヴィの返答に対応して、すぐさま英語に切り替えるチャカ……って、おおっ! 今回はちゃんと字幕が出ますよ? 前回の試写等で、

「字幕が付いていない……」

「あんなの飾りです! 偉い人は英語がわからんのですか?」

といった会話がなされ、技術屋の意見が却下されたりしたのでしょうか。

チャカを無視してレヴィを連れて帰ろうとするロックに、いきなりボディブロウをかまし、さらに数発の蹴りを入れるチャカ。自分自身で「俺は神経切れっと訳分かんなくなるんだよ」と言ってはいますが、ここまで死と破壊とを撒き散らしているホテル・モスクワの関係者に暴力を振るうとは、いくらなんでも無謀過ぎ――端的に言って、馬鹿過ぎませんかこの男。と思いましたら、レヴィに銃を抜かせることこそがチャカの目的だったらしく……あン~あ、日本モンはこれだからはやだィヤ。レヴィのおっかなさを知らん! まあいいコテ、レヴィのチビシさは視聴者にしかわからんでや。千絵カナスィ。

なお、ここでレヴィは、「相棒」をぼこぼこにされたことに対して、チャカを必殺と書いて必ず殺すことを明言するのですが、できるだけ情けない死に方にして下さると私の溜飲が下がりますので、そこんとこよろしくお願いします。

後日、グレーテル並の治癒力を発揮して、すっかり傷痕も消えたロックがベニーに国際電話。秋葉原での戦果を報告すると共に、レヴィのソードカトラスを日本に送るよう頼みます……ってことは現在、レヴィは丸腰なのですか? そんなんで一体どうやって用心棒という役目をこなすというのでしょうか、母さん、全然わかんないわよ! という感じですが、ホテル・モスクワから宛がわれた銃ではこれから訪れるであろう最悪の事態に相対したときに的確に対処できないため、愛用の銃を所望した、と解釈したいと思います。

電話を終え、帰ろうとしたところでロックは、「ここまで来ると偶然ではない…、もはや『必然』―!!」とばかりに雪緒に出逢います。そして、そのまま喫茶店へ移動……って、なかなかやりますねボーイ。現在の自分の居場所について「捨てるには未練がありすぎるし、さらに踏み込むには覚悟が……ね」と言うロックに対して、人をサイコロに喩えたフランス人の言葉を紹介し、「どんな小さな選択でも、自分を投げ込むことはできるんです」と今までの選択を尊重すると同時に、その全てについて自分自身に責任があることを語る雪緒。前回に於いてもレヴィがロックを見ながら「なんで帰んねんだよ、こいつは? ここ(日本)はこんなにお似合いの場所だっていうのによ」と疑問を呈していましたので、この日本編のテーマは「ロックとラグーン商会との繋がり」なのでしょう。即ち、これから雪緒に訪れるであろう悲劇等は、それが如何に凄惨なものであろうとも、この物語に於いてはロックの心理を描写するための舞台道具、枝葉末節に過ぎません。これからは、その辺りのことを強く意識して見ていく必要があるようです。

と言いつつ、現在私が最も興味があるのは「チャカがいかにして殺されるのか?」ということだったりしますが。

二人のまったりとした時間は、雪緒の携帯が鳴ることで終了を迎えます。これからの組のことで板東が鷲峰宅を来訪する旨、銀次が電話を寄越してきたのです。と、ここで「父がテキ屋」「板東」という二つのキーワードから、「オレ達はとんでもない考え違いをしていたのかもしれない――」とある結論を導き出すロック。

「雪緒ちゃん、君の名字は……まだ聞いてなかったかもね……」

「鷲峰です。なんだか厳めしい名字でしょ?」

(なっ、なんだってェ―――――!!)Ω

その後、板東と銀二が一緒に味噌汁を作って最後の晩餐をしたり、板東が古き様式美を守ってドスでバラライカさんを殺ろうとして返り討ちに遭ったり、バラライカさんが「お前はかりにも一暴力集団の指揮者ならば知っておくべきだ。世の中には、手段の為ならば目的を選ばないという様な、どうしようもない連中も確実に存在するのだ」と、実は自分達が国教騎士団ではなく最後の大隊であることを高らかに宣言したり、板東の死に雪緒が組を継ぐ決意をし、その選択を象徴するかのようにサイコロのカットが差し込まれたりするのですが、枝葉末節なので省かせて頂きます。

いや、後半、力尽きたのではないですよ?

第21話 『Two Father's Little Soldier Girls』

2006.11.29 wed

バラライカさんの回想シーンから始まる『BLACK LAGOON』第21話。

って、隊長! 幼いバラライカさんの声に無理がありすぎます! かつて、アラレちゃんやミンキーモモで一世を風靡したことがあるような気がしないでもない中の人ですが、時の流れのなんと無常なことでしょうか。現在の声には、当時の面影はまるで見当たりません。いや、これは幼いバラライカさんの中途半端な年齢設定にこそ、問題があったのでしょう。あと3年幼ければ、問題なく行けた筈です!

と、それはさておき、バラライカさんの過去ですが、どうやら狙撃の名手だったようです。しかし、顔に火傷を負ったためか、それともソビエト連邦が崩壊したためか、軍籍から外れることはもちろん、オリンピック選手を目指すといった表の世界からも完全に遠ざかり、「♪わたしは~なあんで~このような~、つらーいつとめを~せにゃならぬ~~」と、オリンピック中継を見ながら独り我泣き濡れて蟹と戯ることになるのでした……と、脇役の過去などという枝葉末節はさておきまして、銃と言えば、日曜日の日記に「レヴィは丸腰なのですか?」と書いた訳ですが、そのことに関してから「19話の冒頭で、ホテル・モスクワから貰ったトカレフがどうの、って言ってるよ」との指摘を受けました。「そんなバカなー」と確認してみましたところ、私が黒歴史として封印しようと考えていたシーンでロックがしっかりと言いやがっていたものですから、ここにお詫びして訂正する次第の須賀和良です。ごきげんよう。

_| ̄|○

2006.11.30 thu

「うわー、やけに冷えこむと思ったら、雪ですよ先輩!!」「ふん! んなモン、おらが新潟じゃ珍しくもなんともねぇっぺや」

バラライカさんの過去はさておき、物語の本筋はそんな感じに鷲峰雪緒とその後輩である真希とが図書室で図書の整理をしているシーンから始まります。「どうしたんですか? 図書カードの整理、全部1日で済ましちゃおうなんて」と問う真希に対して、ただ笑顔を向ける雪緒。今日、学校生活に別れを告げることを決めた彼女は、残っていた自分の仕事を片付けることにしたのです。そしてそれはひょっとすると、最後の友達との思い出作りだったのかもしれません。彼女達が校舎玄関から出て来るのを見計らっていたかのように校庭に7台の車が止まり、鷲峰組の総代として車に乗り込む雪緒。彼女の高校生活は、こうして終わりを迎えることになるのでした。

雪緒は、銀次と吉田という現在の鷲峰組を背負う二人と同じ車に乗り、現況を確認しながら、バラライカさんの居場所を早急に見付け出すよう指示します。さらに、現在居場所を把握しているラプチェフに銀次を差し向け……ここに雪緒は遂に、裏の世界に脚を踏み入れることになります。襲撃を指揮するのは銀次です。タイミングも銀次が定めます。銃口を閃かせ、白刃を飜し、血飛沫を舞わせるのも銀次達です。しかし、殺すのは雪緒の殺意なのです。

という訳で、今週の「うわー、もうだめだー」のお時間です。バラライカさん一味に電話が通じず、イライラしながら夕食を取っているラプチェフを突然襲う無数の銃弾。そしてその弾雨が止んだとき、逃げもかくれもせず、正面玄関からやって来る者がいます。全ての障害はただ進み、押し潰し、粉砕することを己が唯一の使命とし、ここに現れた男――人斬り銀次。

ラプチェフ配下の者達も応戦しようとしますが、一気に接近戦の距離にまで詰め寄られ、為す術もなく殺られていきます。いや、一応、応射はするのですが、弾が銀次に擦りもしないところを見ますと、トループにすらなれないエキストラだったようです。銀次は残ったラプチェフの首筋に白く輝く刃を当て、バラライカの居場所を尋ねますがしかし、悲しいかなラプチェフは日本語がわかりません。「使えねぇな、あンた」と刀を振り下ろされ、ここにラプチェフは煉獄の門へと旅立つことになるのでした。飛んだとばっちりです。ところで雪緒さん。外国人から情報を聞き出すつもりなら、せめて英語を話せる人を付けてあげるべきかと思いますよ?

そんな状況になっているとは露とも知らない雪緒は、吉田と共に自宅に帰って来ていました。襲撃を掛けた日に、護衛を一人しか付けずに自宅に戻ってくるとはこの娘、とんでもない度胸の持ち主です。しかしてその蛮勇は、別の悲劇をもたらすことになります。玄関のドアを開けると、そこには何故かチャカとその取り巻きの姿。「どうやって錠を開けたのか?」という疑問を浮かべることすらせず、「おまえの助っ人か?」と吉田は訊くのですが、マフィアとの抗争に珍走団風情がいったい何の役に立つと言うのでしょうか。甘い、チョコレートより甘すぎる考えです。

そして、そんな吉田に無造作に銃を向け、その脇腹を撃ち抜くチャカ。雪緒を手土産にして、香砂会かホテル・モスクワに取り入ろうという魂胆なのです。と、そんなチャカの思惑はさておき、このシーンの何が凄いって、このチャカの暴挙に取り巻きが誰一人として動揺していないのが凄ぇですよ? さらにチャカはその後、雪緒を逃がそうと自分の脚を掴む吉田の頭を撃ち抜くことさえするのですが、これにも皆でニヤニヤ笑い。そこらの珍走団程度にしか見えないこいつら、この日本で一体どれだけの修羅場を経験してきたというのでしょうか。正直、彼等を見くびっていました。侮っていました。そして馬鹿にしていました――レヴィ達が戦うには小さすぎる相手だと……。しかし、彼等には資格があります。「うわー、もうだめだー」くらいは言う機会が与えられるかもしれません。

吉田の殺害を目の当たりにし、雪緒は逃げ出そうとしますが、取り巻きその1の花田に掴まり、殴る、蹴る、殴る、蹴る、蹴る、蹴るの暴行を加えられます。そしてその様子をやはりニヤニヤ笑いで見ている取り巻き部隊……くっ、こいつら、いったいどこまで精鋭部隊なのですかっ。しかし、この行動はチャカにとっては行き過ぎだったらしく、「誰が半殺しにしろ、っつったよ?」と花田の頭を花瓶でぶん殴った後に「行くぜ、100万回!」又は「俺のッ、気が済むまで、殴るのをやめない!」とばかりに殴打、殴打、殴打、殴打、殴打、さらに殴打。その狂気に、雪緒はただただ怯えることしかできないのでありました……って、ひょっとして、つい1時間程前に自分がこれ以上凄惨な結果をもたらすであろう命令を出したことを忘れていますかこの娘?

ところで。チャカが花田を殴っているシーンですが、一番右端の顔だけ出ている奴の遠近感が明らかに狂っているように思えるのですが如何でしょう?

密輸されてきたソードカトラスを受け取り御機嫌のレヴィに対して、ニュース速報で鷲峰組が本格的にホテル・モスクワへの敵対行動を取り始めたことを知ったロックは、「雪緒はこちらの世界に関わるべきではない」と彼女を助けることを提案します。最初はいつもの養豚場のブタでも見るかのような冷たい目で、今の自分達は彼女の敵に属していること、彼女は既にこちらの世界の人間であること、バラライカはロアナプラの流儀で今回のことを片付けるであろうこと……それらの現実を語るレヴィでしたが、途中からロックに心配そうな表情を見せ始めまして、思わず「違うッ、レヴィは違う!」と走り出したくなってしまったのですが、いったいレビィは何時からロックをこんな顔で見るようになったのでしょう。この辺りの流れは、原作ではもう少し細かく描かれているのでしょうか?

とか書きますと、から「原作を読め!」とか言われまして、定番通りに「だが断る!」と返事をすることになる訳ですが、実は日本編に入ってからは台詞を漢字で確認するために原作をチラリと読んだりしています。と言うわけで、今回の最重要シーンと思われるタクシー内の会話を確認してみましたら、ここでのレヴィの台詞って「あたしの役目はあんたの生命(ライフ)を護ることで――あンたの生き方(ライフ)を邪魔することじゃねェものな」と掛詞を用いているのですね。この事実を知りまして、このシリーズが終わったら、原作を少し読んでみようかと思った次第であります。

鷲峰宅に到着するロックとレヴィ。しかし、そこに雪緒の姿はなく、ただ吉田の死体が転がっているだけでした。使用された銃から、犯人がチャカであることを推察する二人……と、その背後から迫る一振りの白刃!

火薬の匂いがしないことから刀を寸前で止める銀次と、同じく額に銃を突き付けながらも引き金は引いてはいないレヴィ。マンガやアニメではよくある構図ですが、レヴィはいったいどの時点で引き金を引くことを止めたのでしょうか。この後、雪緒が連れ去られたボーリング場に乗り込む際に、ロックから「銀次と連携(意思疎通)できるのか?」と訊かれた際に「戦いがおっぱじまりゃ、お互い身体は勝手に動く。そういう風に出来てンだ」と答えているのですが、この状況下で引き金を引かないというのは、危機回避の点から見て問題ありだと思いますよ? と言いますか、レヴィ、相手が人質を取っているという前提で行動できるのかが、ちと不安だったり。

一方、その頃の人質さん。

むしゃくしゃして載せた。半裸ならなんでもよかった。今は反省している。

と言いますか、上半身が制服だけのように見えるのですが、これって「下着を脱がせた後に、また制服を着せた」ということなのでしょうか。チャカめ、なんてマニアックな。

第22話 『The Dark Tower』

2006.12.08 fri

「朝から晩までバツ食って飛んでる××とこ回してやっからよ。そいつ、ハード××じゃねぇと××奴でさ。××漬けにされてよ、毎日××ふって××でも食わされてりゃ、考え方も変わんと思うぜ?」

と、「作品の中に表現上ふさわしくないものがあるため音声処理を施しているシーンがあります。ご了承ください」という理由でカットされまくりのチャカの台詞から始まった『BLACK LAGOON』第22話。むしろ「表現上ふさわしすぎるものが含まれているため、音声処理を施しているのでは?」と思ったりするのですがそれはさておき、物語は前回の引きそのままに、チャカ達が脱衣ボーリングに興じているアミューズメント施設をレヴィと銀次が襲撃するシーンへと移行します。

そして、大方の予想通りに始まる、チャカの取り巻き部隊による「うわー、もうだめだー」

珍走団にしか思えなかった取り巻き達がこれ程大量に火器を所持していたことがまず驚きですが、所詮はエキストラ、「ここは圧倒的戦力差を見せておきたい!」というレヴィと銀次のプレイヤーの要望により、銃弾を擦らせることすらできずに全滅してしまいます。

      ./       ;ヽ
      l  _,,,,,,,,_,;;;;i  <いいぞ ベイべー!
      l l''|~___;;、_y__ lミ;l  逃げる奴は下っ端だ!!
      ゙l;| | `'",;_,i`'"|;i |  逃げない奴はよく訓練された下っ端だ!!
     ,r''i ヽ, '~rーj`c=/
   ,/  ヽ  ヽ`ー"/:: `ヽ
  /     ゙ヽ   ̄、:::::  ゙l, ホント ボーリング場は地獄だぜ! フゥハハハーハァー
 |;/"⌒ヽ,  \  ヽ:   _l_        ri                   ri
 l l    ヽr‐─ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| |                   / |
 ゙l゙l,     l,|`゙゙゙''―ll___l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
 | ヽ     ヽ   _|_  _       "l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |二;;二二;;二=''''''''''' ̄ノ
 /"ヽ     'j_/ヽヽ, ̄ ,,,/"''''''''''''⊃r‐l'二二二T ̄ ̄ ̄  [i゙''''''''''''''''"゙゙゙ ̄`"
/  ヽ    ー──''''''""(;;)   `゙,j"  |  | |

と言いますか、前回のレビューで「レヴィ、相手が人質を取っているという前提で行動できるのかが、ちと不安」と書いた訳ですが、よもやレヴィはおろか、銀次すら人質を無視して行動するとは思いませんでした。チャカが雪緒とともにシーンから退場したから良かったものの、もし雪緒の頭……はないでしょうけど、腕なり脚なりに銃を突き付けたらどうするつもりだったのでしょうか? 正直、今回最大の謎です。

ボーリング場から逃げ出したものの、油で転ばせられたところをボーリングのピンで殴られ、雪緒をロックに奪われてしまうチャカ。メッキのカリスマもすっかり剥がれ、前回チャカ自身が「オレら、得のねぇとこには付かない主義なんすわ」と言ったことを体現するかのように、取り巻きが一人、また一人と反旗を翻したり、逃げ出したりし始めます。それらを無造作に粛正していたところに、「あンたはプール方面からヤツを探す……、わたしは更衣室方面からヤツを探す……。つまり、ハサミ討ちの形になるな」と銀次とは別行動で追い掛けてきたレヴィが登場。しかし、これこそがチャカが望んでいたシチュエーション! チャカは「女性のガンスリンガー」なる未知の存在と戦ってみたかったのです。

格好付けて決闘開始のカウントダウンを始めるチャカでしたが、レヴィはカウントの途中で一気に間合いを詰め、その股ぐらにロケットキーック! ここにチャカの目論見は、敢えなく潰えることになるのでした。むーざんむーざん。

って、そんな簡単に終われるかー! とレヴィを追い掛けてやって来たのは、屋内プール。しかしてそこには一人の男が待ち構えていました。先程、廊下で行われたレヴィとチャカとの会話を盗み聞きし、チャカが鼻血を出しながらここに現れることを確信してポーズを決めていた男――人斬り銀次です。

「あんたは格好良すぎるんだよ~ッ!」突然左利きになったチャカが銃を放ちますがしかし、銀次はその弾丸を大上段の構えから一刀両断! 何処ぞの世界で「銃口から目を離さず――常に事前に射線外に身を置くかぎり――決して被弾らない!!」と銃弾を躱しまくる暗殺者がいましたが、まさか射撃後に反応して尚間に合うとは、いったい何処の次元斬一刀流の使い手なのか。レヴィすら息を飲むこの神業には、思わずハンドルを右にしてしまう程インド人もビックリです。

そして一瞬の隙を突き、間合いを詰めてチャカの拳銃を真っ二つにしてしまう銀次。リボルバーのフルオート撃ちができれば、なんとか対抗できたのかもしれませんが、チャカではまだまだ役者が足りなかったようです。両腕を斬られた後にプールに落とされ、頭を鞘で押さえ付けられたまま溺死することになるのでした。むーざんむーざん。

チャカの死亡を確認してプールを去ろうとする銀次に対して、「銃弾斬りをもう一回見せてくれないか?」とソードカトラスに手を掛けようとするレヴィ。しかしその手は、白鞘で制されてしまいます。そして、銀次は言うのです。「運が良けりゃ……いや、悪けりゃ、殺り合う機会もあるでしょうよ」と。どうやらあの技、1セッションに1回しか使えないようです。

さて、一方その頃。

更衣室では、雪緒がロックの中途半端な考え、立ち位置をボコボコに言い負かすという、いわばこの日本編のテーマともいうべき話が展開されていたのですが、枝葉末節を省略した第20話のレビューとのバランスもありますので、今回はこの本筋を華麗にスルーしたいと思います。

って、駄目ですかそうですか。

と言いますか、実は私、このシーンの雪緒の台詞がとんでもない棒読みに聞こえまして、テンションが急激に冷めてしまったのです。雪緒の中の人は桑島法子女史、「三流」などと言ったらファンの中の人に殺されてしまう程の実力派です。だと言うのに、何故あんなにも下手に聞こえてしまったのか――と、改めて見直しましたところ、雪緒の声と表情とに齟齬が生じていることに気が付きました。画面の中では「雪緒は、今泣いているんだ!」という状況なのに、声は嗚咽を漏らすこともなく、涙声になることもなく、透き通ったまま。この違和感のために、「雪緒が喋っている」ではなく、「声優が声をあてている」と認識してしまったようです。なんてこったい。

雪緒に「陽の下へ戻るわけでもなく、闇の中に沈む訳でもなく、ただそこで立ち止まっているだけ」なんて言われて、「オレは何処にも立っちゃいない!」とゲシュタルト崩壊を起こしそうなロックですが、貴殿の立ち位置は「おっかなびっくり夕方を歩く奴」だと思いますよ? 自分が我慢すれば組の苦境を掬い上げることができる、などと烏滸がましい勘違いをした結果、悲劇を拡大させている小娘の言葉に惑わされたりせずに、己の道を突き進んで欲しいところです。

そして朝日が昇り、闇の中で一瞬交錯したロックと雪緒の人生はここに再び別々の道を歩むことになります。今回の出会いを切っ掛けとして、ロアナプラに於けるロックの行動がどう変わっていくのか。雪緒に突き付けられた命題をどう昇華していくのか。それらを暖かく見守って行くことにいたしましょう。

いい最終回でした。

――と、物語が終わる筈もなく、自身に噛み付いてきた鷲峰組に「なんとも素敵な宣戦布告。うれしいね、戦争だ。これでまた戦争ができるぞ」とバラライカさんが行動を開始。雪緒が選択した悲劇は、ここからさらに加速していくようです。むーざんむーざん。

ところで、ここまで戦火が拡大して死者が出まくっている以上、そろそろ日本警察の出番だと思うのですが、西部警察はいつ頃登場しますか?

A:その予定はありません。

第23話 『Snow White's Payback』

2006.12.13 wed

さて、『BLACK LAGOON』第23話です。

この衝撃を如何に表現しようか迷っていたのですが、偶然見かけてしまった書き込み以上のネタがとうとう思い付きませんでしたので、素直に敗北を認め、ここにその書き込みを紹介したいと思います。

「くそ。くそッ。畜生ッ! なんて……なんてことだ、あんまりだ……」

「みんなが寄ってたかって、23話を屑に仕上げたンだ。ヤシガニにしちまったんだ!! 畜生!!」

「……ロック、ああいう作画を真っすぐ見るな」

「!!」

「23話はそういう作品で――それが一番だ」

「…………、俺が――――」

「DVDで修正するか? 無理だ。予算はまわせないよ」

「誰かが、ほんの少し絵を描ければ、23話は――見られるものになっただろう」

「でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック」

「だから――この話はここでお終いなんだ」

2006.12.15 fri

では、『BLACK LAGOON』第23話本編です。

毎度の如く、ホテル・モスクワに襲撃された鷲峰組組員の「うわー、もうだめだー」から物語は始まります。

圧倒的な武力を誇るホテル・モスクワにより、鷲峰組の戦力は当初の1/3以下に低下。その統率力と目的達成手法から、雪緒はホテル・モスクワがマフィアというよりもむしろ、軍隊を基とした組織であることに気付き、「誤算だわ……」と漏らします。思わず「お前、マフィアの戦い方を知っているんか? 軍隊の戦い方を知っているんか?」と小一時間程問い詰めたくなる言動ですが、それ以前に十数人の組員の死を「誤算だわ……」の一言だけで済ませてしまう辺り、もはや完全に毀れていると言ってよいでしょう。今となっては、どのような勝算があってホテル・モスクワに弓引いたのかを推察することすらできませんが、最終的に「組の苦境を掬い上げる」ための手段として選んだのは、

「自由だ!」「やたっ」

と、組員を現世から解放することだったようです。

その後、何故か学生服を着たまま、香砂会との交渉に臨む雪緒。前回までならこの服装もそれなりの破壊力を有していたのかもしれませんが、悲しいかな、今回の作画にあってはただただ地味に見えるだけです。一方の香砂会も、応接室の悪趣味な市松模様はどうにかならなかったのかと思うわけですが、それはさておき、ホテル・モスクワが好き勝手絶頂に暴れる切っ掛けを作った奴らを、よくそのまま見逃したものです。今までに行った鷲峰組への仕打ちに対する負い目にあった……とは考えられませんので、これはやはり側に侍っていた銀次の存在が大きいのでしょうか。

マスクを被ってBF団エージェントを装い、街の銀行から現金を奪う雪緒と銀次。これは、ホテル・モスクワが電気工事のワゴンで移動していることを監視カメラの記録で知り、同様の車を用いた事件を起こすことで、警察にホテル・モスクワを炙り出させようという雪緒の作戦な訳ですが、それはさておき、もちろん盗んだお金はきちんと銀行に返すのですよね? もし、高飛びやら武器の調達やらに用いるというなら、組を存続させる為に外道に手を染めることを選んだ板東と何ら変わりがありませんので、銀次が板東の頼みを断った理由は、実は「仁義」など何の関係もなく、「単に板東が嫌いだったから」でFAとなりますよ?

奪ったお金を横目に、雪緒と銀次は「私達、ボニーとクライドだわ♪」「そいつはいい」などと興奮したように話すのですが、ボニーとクライドの人生をなぞるなら、警官から山のような銃弾を頂く最後を迎えることになってしまいます。もっとも、「次はボリビアで銀行強盗だ♪」などと言いながらロアナプラのことを話したりもしていますので、途中から『明日に向って撃て!』に移行することも視野に入れているようですが、とりあえず私に言えることは、「ロアナプラに行くのなら、まず英語を勉強しとけ」ということでしょうか。

一方その頃、ロックとレヴィは居酒屋で休憩タイム。銀次の次元斬一刀流の腕前を見てからというもの、死合いたくてたまらないレヴィに、ロックは「そんなに死に急いで、なんの得があるんだ」と噛み付きます。しかし、それは前提が間違っていることをレヴィが指摘。ロアナプラに吹き溜まっている者は皆、既に生き死に頓着などしていないのだと――。それを聞いたロックは、自分とロアナプラとの間にはまだ昏くて深い溝があったことを自覚するわけですが、それはさておき、悪酔いを詫びるロックを心配そうに上目遣いで見上げ、ツンデレ属性を垣間見せるレヴィがテラ萌ユス。今、わかりました。この日本編のメインは、「ロックの葛藤」と見せ掛け、実は「葛藤しているロックを気遣うレヴィ」だったのですね。くぅっ、これで作画が素晴らしかったならー。

翌日、ロックは地下の駐車場で、バラライカさんが今度は香砂会と手を組む可能性があることを知ります。それが意味することは、ホテル・モスクワの鷲峰組に対する完膚無きまでのオーバーキル。雪緒の命など、勇次郎の前の末堂のように簡単に捻り潰されることでしょう。雪緒を救うため、戦力が低下した鷲峰組はもはやホテル・モスクワの脅威とはなりえないこと、そして潰すべきは香砂会であることを説くロックでしたが、通訳としての分をわきまえないその発言はバラライカさんの怒りと苛立ちを即金で買っただけ。左手一本で車上にぶん投げられ、額に銃を突き付けられてしまうのでした……って、第19話でラプチェフをテーブルに投げ倒したときにも思ったのですが、バラライカさんっていったいどんな腕力をしているのでしょうか。ひょっとして裏で「コーホー」とか言ってません?

「そうまでして助ける義理が何処にある!?」と問うバラライカさんに対し、ロックは「理由なんかたった一つ、俺の趣味だ!」と言い放ちます。ここにロックは、「正義」などという第三者が介在する基準は殴り捨て、かつてグレーテルが言ったように「“どうして”? “どうして”ですって? そんなこと? あはははっ、おっかしい!! そうしたいからよ。他にはなあんにもないの、そうしたいからそうするのということを高らかに宣言し、歩く死人としての第一歩を踏み出します……という記念すべきシーンな訳ですが、作画の乱れにより、つい画面から眼を背けてしまいたくなるのがなんとも惜しいところです。と言いましても、こうしてキャプって縮小しますとあまり酷く見えませんので、一応、新たに次の2枚の画像を御紹介しておこうと思います。

右手に銃を持つ軍曹 左手に銃を持つ軍曹

右手に銃を持つ大尉 左手に銃を持つ大尉

二人とも、いつの間にか銃を持つ手が入れ替わっていますよ?

地下駐車場を出た後、ロックとレヴィは4話ぶりにロックの自宅近くの公園へとやって来ます。「この平和な世界に戻り、二度とこちらの世界を振り向くな」と言い放つレヴィに、第1話でレヴィとダッチに銃を突き付けられた時点で自分は既に死亡しており、第2話ラストでその事実を受け入れているのだ、ということを話すロック。おおっと、これは所謂「責任取ってね♪」ということですか? ロックめ、なんと大胆な……! と思ったのですが、ここでレヴィは「急に話が来たので……」と痛恨のシュートミス。さらにそこに19話に登場した子供達が現れて再びどっからか取り出した空き缶を銃で撃つことをせがみ、以後、この話はそのままフィールド外へと溢れて行ってしまうのでした。残念。

ところで、このシーンでのロックの台詞が、「いや、ここに住んでいたあの頃から、もう幻だったのかもしれない」「起こることの全てを見続けるために、ここへ来たんだ」「後悔なら1年前に済ませたさ」と、『機動警察パトレイバー2』や『王立宇宙軍 オネアミスの翼』を連想させるものだったのですが、果たしてこれは意識してのことだったのでしょうか。私的劇場アニメ・ベスト5の中の二つをも思い起こさせてくれた以上、最終回は、キャラ変化が著しい女子高生はさておき、ロックとレヴィはきっちり格好良く仕上げてくださることを所望しますよ?

アンタバライ!(健闘を祈る!)

第24話 『The Gunslingers』

2006.12.21 thu

さて、『BLACK LAGOON』第24話(最終話)です。

画像をキャプっているときから嫌な予感はしていたのですが、毎度の如くシーン毎に並べてみましたら、今回OPがカットされ、最初から本編が始まっただけありまして、かなりのボリュームになることが判明。つか、このままやったら普段の2倍近くの文章になりますよ?

とりあえず今回が最終回ということで、「次回までに、遅くとも次々回までにはうpしなくては~!」という制約はなくなりましたので、原作との比較なんかも踏まえながら、ゆっくり書いていきたいと思います。もし、そのまま消滅していましたら……お察し下さい。