『2』の話が影も形もなかった頃、プレイしようと思っていたのは、
「以前のボクは、落ちこぼれの魔法使いの見本のような男だった」
「ワラにもすがる気持ちで、デーモン・ウェポンを試してみたら……」
まったくカ・ン・タ・ンだ!
「今ではすっかりたくましくなり、女の子にもモテモテ! ありがとう、DW!」
という、DSとなったことを喜ぶ魔法使いでした。
しかし、スーパーマン、故郷に帰ればただの人。DS魔法使いの中ではやっぱり落ちこぼれだったりしますが。さらに所属をヴェルド帝国とすると、家族からも白い目で見られたりすることになりますが、そんな中、なんとか出世しようとガンバルお兄ちゃん。目指すは妹を山の手の学校に入れることです。
って、魔法使いなら、既にそれなりの教育を受けられる環境にあるような気が。
そして、時は過ぎ。
某掲示板で“萌え”について議論を戦わせることがあったのですが、そこで「もしクレアがバケツメットだったら、超萌えじゃないですか?」という話が出まして、一気に方向転換。露出度がゼロの領域に達している重装甲騎士をプレイすることに決定しました。DSであるからといって、決して己が命を軽んじたりはしません。死、それは使命の放棄に繋がるからです。
声はもちろん榊原良子。
駄菓子菓子。
「パラメータを上昇させるためには、通常アクションとは別に料金を消費する必要がある」というシステムが発覚します。元々、「PBMに数値的成長はいらない派」なこの私。そういったことにお金を投入するつもりは欠片もありません。さらにこのシステムを逆手にとって、成長させないことをキャラクターの根幹に据え、「技術が上達しないことにコンプレックスを抱く戦士」をプレイすることにしました。
声、勝生真沙子に変更です。
プレイング・マニュアルが到着。
密かに抱いていた不安が的中しました。重装甲騎士の基本装備、プレートメイルとホプライトシールドが両方とも3LVにならないと使用できないのです。1LVで使えるものと言えば、ブレストプレートとラウンドシールド程度。泣けてくるほどに軽装です。
「重装甲という設定は現時刻をもって破棄。目標を届かぬ夢と識別する」
ということで、代わりの特徴を付加することにしたわけですが、「戦士として成長しないことに苦悩する」という設定をより強めるため、本人が必要としていない才能・能力を持たせることにしました。結果、「美人」、「スタイルがいい」、「美声」とあざとすぎるほどの外面が決定。リアクションからは全く伝わらない設定ばかりなのが、ちょっと泣けます。
ちなみに音楽関係の技能を修得していないのは、歌が上手いのはあくまで才能であって、正式に訓練を受けたわけではない、ということを表現しようと思ってのことです。
声……堀江美都子?
「君は唄が歌えるじゃないか」
上記のような経過でキャラクターを作成したわけですが、リアクションで「戦闘技術が向上しないことにコンプレックスを抱いている」という描写がなされることは全くありませんでした。かように設定が設定倒れとなるのは、いつものことです。
Aブランチでクレアとマリエルに関わっていたのですが、アクションの結果は、
と、命中率は低いがダメージは大きい「両手持ちウォーハンマー」のような状況でした。そこからどうすれば物語をハッピーエンドに向かわせることができるだろうかと悩んでいましたところ、第7回でマスター交代が発生し、さらにホビー・データの廃業により第8回をもってゲームは終了となりました。もっともマスター交代が行われた時点で私の中では別作品ですので、このページには第6回以前のものだけを掲載しています。
といいますか、私の第5回アクションがマスター交代の一因になったという噂もありますが、市民、噂は反逆です。
なお、このゲームは、料金を掛ければ、同じキャラクターが複数のシナリオに参加することも、一つのシナリオにダブルアクションやトリプルアクションを掛けることもできるシステムでした。しかし、複数のアクションを掛けた場合、内容が散漫となるおそれがありましたので、私は1ターン1アクションのみとしていました。
また、前作に引き続き、このゲームでも『DC2』という専用サイトを立ち上げ、そちらで情報交換を行っていたのですが、そこから「ホビデスパァヒロゥズー~ファイナルジェネレーションズ」の1人が誕生することになろうとは、神ならぬ我が身には知る由もなかったのです。
『デモンスリンガー2』のパンフレットが届きました。
日曜日に忍者氏が来たときに既に見せて貰ってはいたのですが、こうして改めてみさくらなんこつさんが描かれた表紙を見ますと、やっぱりギャルゲーというかエロゲーのような感じです。忍者氏は「『ももいろ交差点』がみさくらなんこつであったならー!」と慟哭されていましたが、私もどうせならこちらを18禁にして、血みどろグチャグチャの部屋の片隅でガタガタ震えながら命乞いする心の準備はOK?をOKにして欲しかったと思います。どうせ18歳未満なんて殆ど参加しないでしょうし。
ちなみに表紙には9人の女性キャラクターがいまして、複数のイラストレイターさんがデザインされています。表紙のみさくらなんこつさんの他は、仁村有志さん、巻田佳春さん、桜沢いづみさん、はぎやまさかげさん、そして黒星紅白さんといった錚々たる顔ぶれで、さすがはGMが「著名な方々」とおっしゃるだけのことはあります。
……すみません。黒星紅白さんしか知りませんでした。
須賀和良は、いったいどの方面で著(検閲済み)。
というのを書こうと、月曜日からパンフが届くのを待ちかまえていたのですが、なかなか届かないのでしびれを切らしてアップすることに。
ふと気が付きますと、もう10月に入っているというのに、まだ『デモンスリンガー2』のパンフレットが届いておらず、「うわーっ! ねぇちゃん、どないなっとるんやー!!」的な感じがする今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。須賀和良は「パンフをバラまかないなら、サイトに情報をみんな載せればいいのに」とか思ったりしているわけですが、それはさておき、久しぶりにこんなものを描いてみました。
もちろん、「本格的にゲームが始まる頃には仕事が忙しくて力を入れられそうにないから、今の内に遊んどけ」とかそーゆー不純なことを考えているのではありません。須賀和良が期待するのは、次のような、ごくごくささやかなことなのです。
『デモンスリンガー2』のパンフレットがようやく届きました。
オフィシャルサイトで申し込んだのが9月28日ですので、既に2週間以上が経過しています。昨日まで「しかと? しかとですか?」という思いでいたわけですが、正直、ここまで対応が遅いゲームは初めてです。
とか思っていましたら、他の多くの皆さんにも一斉に発送された様子。どうやら、サイトでパンフレットを申し込んだことは、何の意味もなかったようです。ガッデム。それにしても、既に参加希望者がそれなりにいるのか、『ハルマゲドン・エクスプローラー』のような状況になるのを期待しているのかはわかりませんが、10月半ば発送のパンフレットに9月末日までの早期入会特典が書いてあるのはどういうことかと問いたいところです。
さて、以前、忍者氏に見せてもらってはいるのですが、改めて内容を確認してみました。そして、気になったイラストレイタープロフィール。
- みさくらなんこつ
ゲーム『未来にキスを』原画・キャラクターデデサイン
小説『ルーンウルフは逃がさない』『宙の湯へいらっしゃ~い』イラスト
TCG『妖精伝承~レジェンド・オブ・フェアリーアース~』イラスト
- 黒星紅白
ゲーム『サモンナイト』1、2原画・キャラクターデザイン
小説『キノの旅』イラスト
- 桜沢いずみ
ゲーム『Silence~聖なる夜の鐘の中で~』原画・キャラクターデザイン
TCG『アニムンサクシス』『妖精伝承~レジェンド・オブ・フェアリーアース~』イラスト
- (中略)
(中略)
- 草蒔一科
静岡県在住。今は会社をやめて絵の修行中。来賀晴一という別名で投稿生活を始めた。尊敬する絵師は山田章博。
- イリグチムラサキ
展開やエピソードなんかをあれこれ想像しながら描かせてもらってます。楽しんでます。
何故、最後の方だけ、めっさフレンドリーですか?
『デモンスリンガー2』のスタートセットが届きました。
箱の大きさやフィギュアを見たときの衝撃をお伝えしたいのですが、まさに百聞は一見に如かず。私の言語能力ではとても書き表すことができませんので、一人涙で枕を濡らすことにします。正直、今回ほどデジカメが欲しいと思ったことはありません。とりあえず、「美麗なムービーに、なんとおまけでゲームまで付いてくる!」と称されたPS初期のシューティングゲーム『フィロソマ』を思い出したと言えば、雰囲気を分かって頂けるでしょうか。
と、それはさておき、ガゼッタです。
今回のスタートセットには、プレイングマニュアルの他にガゼッタ(用語辞典)が付いています。なぜ、わざわざ別冊にしてあるのかが謎ですが、前作でワールドガイドがあくまで早期入金特典だったことを考えますと、ユーザーフレンドリーになったと言えるのかもしれません。で、そのガゼッタに私の前作PCが登場していたのですが、
真紅の姫クレア・コリエンテに続く英雄候補。本人はそのつもりは殆どないが、周りから押し上げられている。一人で背負い立つクレアとは対照的なデモンスリンガー。
密かに最終回付近では、「どうだ!? 滅びたくなったろう!? この私と同じように!!!」とかなりブラス様的な思考になりつつあったりしたのですが、その辺は無難にオミットされたようです。ちなみに『デモンスリンガー2』では、前作キャラクターをコンバートできるようなのですが、こういった設定も引き継げるのだとしたら、物語上の居場所という点でかなり有利になるように思えます。もっとも現在の私は、「どうにかして頑張れば、一国を動かせる人に影響を与えることができるかも知れない可能性がある」という辺りでプレイすることが好みとなっていますので、コンバートの予定は殆どありませんが。
現在、『フィロソマ』を検索してみますと、「物語が熱い!」「隠れた名作」といったレビューが多く見受けられます。「マニュアルが読みにくい」「登録シートがちゃちい」といった体裁に目が行ってしまう『デモンスリンガー2』ですが、終わったときには同じような感想を抱けることを期待したいと思います。
いや、「演出はいいけど、ゲーム性はカス」とかいうとこまで一緒だと困りますが。
『デモンスリンガー2』のキャラクターを作成します。
このゲームでは、能力値や技能LVを上昇させるには、通常のアクションとは別に、それ専用のアクションをかける必要があります。もちろん、有料で。しかし、ホビー・データのPBMで能力値や技能LVがきちんとアクション判定に適用されたゲームというのは、殆ど記憶にありませんので、おもいっきり無視することにしました。さらにこのシステムを逆手にとって、“戦闘技術が向上しないことをコンプレックスに持つ戦士”をプレイすることに決定です。
DS戦士でありながら、近接戦闘技能は一切無し。「継続は力なり」という言葉もありますが、継続が必ずしも技術の向上に繋がるわけではないということは、三峯徹氏が体現されています。ちなみに特徴や設定には、戦士に直接的には不要な以下の項目を選択。
生まれる時代さえ間違えなければ、歌姫として名を馳せることができたのではないかという――前線では何の役にも立たない――才能を持つ戦士として設定することで、戦う力がありながら姿を眩ませたクレアと対比させたプレイができないだろうか、という考えです。クレア以外のシナリオは無視という指向性が強すぎる設定に、ちょっと不安を抱かないでもありませんが、5月頃までは複数シナリオに参加する余裕はありませんので、丁度良いのかもしれません。
ちなみに名前は、フレイ・カシナート。元ネタは当然、先日プレイした『Wizardly』の“Blade Cusinart'”です。さらに元ネタのCuisinartのことを考えますと、料理関係の才能にした方がいいのかもしれませんが、そこまで凝っても誰も気付いてくれなさそうなので却下としました。歌に比べて地味ですし。
デーモンウェポンの名前は、そのままクイジナート。特徴は「ドリル:武器が高速で回転します」……なんてものがある筈もなく、涙を飲んで「ピアッシング:武器は防具を貫通します」を選択しました。ザウエルの回転剣を再現できないのがとても残念です。
いや、敵に当たらなければ、どちらでも一緒ですが。
「なぜ私がマリエル・バルクだと?」
マリエルは二人のノスフェラトウとDSストライダーを見る。今のところ悪意があるようには見えなかった。
「だから偶然だって言ったじゃない。たまたまこの辺の機械兵を狩っていたらあんたたちに会ったって訳」
頭上で声がした。
見上げると樹上に女ニンジャがぶら下がっていた。
「あたしはカレン・ホムラと申します。マリエル様には初のお目通りとなります」
女ニンジャはそう言って微笑む。ほかの者と違い訛りがない。バレンティアの出身だと分かった。
そこでようやく二人は警戒を解く。
というより、これだけ戦闘のプロに囲まれて抵抗するだけ無駄なのだが。
「それで、私をマリエル・バルクと知った上であなた方は何をしようと?」
マリエルが落ち着いた様子でブレイニーの前に出る。
その姿は、先ほどまで寒さに震えて文句を言っていた人物と同じだとはとうてい思えない。
その場にいたすべての者はマリエルの前に跪いた。
バルク。その名を知らぬものはバレンティア王国にはいないだろう。
建国王ガルシア・ボナパルトの末裔であり、現王家コリエンテ家の不在を預かる王族であるのだ。
バレンティア王家は千年前のマリア・コリエンテ一世王が嫡子不在のため、臣下であるバルク家に王権を譲渡したが、バルク家はあくまで王位はコリエンテ家にあるとし、第一王位継承権を常にクレア・コリエンテ姫に与え(現在行方不明)、王座についた者のみが『コリエンテ』を名乗り、それ以外の者は『バルク』を名乗る慣例となっている。
バレンティア王家の系譜
「マリエル様、私どもに敵意はございません。先ほども申し上げましたように私どもは機械兵を追っておりましただけですので」
ノスフェラトウらの後ろから今度は美しい女DS戦士が姿を見せた。
「機械兵が、こんな所にまで?」
マリエルが尋ねる。女戦士は頷いた。
「シタデル1に向かって打ち込まれたリアリティ・サーキットから流れてきた機械兵が、このあたりの村を襲っておりました。私どもは機械兵を討つために集まった者です」
機械兵とはリアリティ・サーキットによって書き換えられた存規から生まれた兵器である。
敵の主力であり、リアリティ・サーキットの影響が及ばない地域への侵攻勢力でもあるのだ。
だが、リアリティ・サーキットの影響が少なくなればなるほど存規異常、つまりパラドックスを起こしやすくなる。
それを起こさぬ為に機械兵はリアリティを壊すのだが、その被害は飛び石のように各地に広がっていた。
「私どもはそういった機械兵を狩っていた途上で知り合っただけの者です」
「フレイ・カシナート」
樹上でニンジャが女戦士を呼ぶ。
「あいつらそろそろパラドックスの限界みたいだよ。あんたがこないなら、勝手にやっちゃうよ」
ニンジャの言葉を最後にノスフェラトウやストライダーは姿を消す。
ややあって木立の奥で激しい閃光と衝撃音が響く。
時折見える影はDSと異形の機械兵士である。
そのどちらもが常人では考えられないような速度で移動し、攻防を繰り返している。
「申し訳ありません姫。まだ敵が残っておりますので、王陸下のご通達に今すぐ従うわけには参りません。姫の御安全は保障いたしますので、この場よりお離れください」
女戦士は優雅に一礼をすると自身も奥へと向かっていった。
「姬」
ブレイニーがマリエルに声をかける。王女は頷いた。
「すぐにシタデル1に行こう。あの人に立ち上がってもらわなくては、ボクたちに勝ち目はないね」
二人は立ち上がり、北の方角……シタデル1の方角を向く。
戦闘を目の当たりにしたためか寒気は飛び、逆に体は火照っていた。
『デモンスリンガー2』の登録データと個別初期情報が届きました。
ちなみに第1回締切は、2日後の2月3日(必着)だったのですが、さすがに変更となりまして、10日(消印有効)に延びました。初回からスケジュール変更ということで、先行きに不安を抱かずにはいられませんが、私達ができることと言えば、「どうか、我々の進む先に、暗闇を置かないでください」と祈ることぐらいでしょう。
ささやき-いのり-えいしょう-ねんじろ!
灰になりました。
と、それはさておき、個別情報の方ですが、どのくらい個別かといいますと、キャラクターがA~Jブランチの10のリアクションに分けられているくらいに個別でした。
個別?
「そのキャラクターの冒険に出発するまでのドラマを生成するサービスが『個別初期情報サービス』です」
とマニュアルに書いてあるのに対して、NPCを主軸とした物語がいきなり始まっているようにも思えますが、あまり気にしない方がいいのかもしれません。精神衛生的に。
ちなみに届いたのは、前作に引き続き虎井マスターが担当されるクレア関連のAブランチ。「ネットワールドの記事にはマスター情報が全くない」という話を聞いていましたので、「新人マスターばかりだったらどうしよう?」とか考えていたのですが、黒田はじめマスターや沙鳴咲人マスターなど、他にも前作で好評だった方が参加されているようで、ホッと一安心です。
Aブランチには、前作キャラクターを再登録している方が結構いらしたのですが、最初っからクレアに絆が設定されているその描写を見まして、「俺もカスミで参加していたら、どんなふうに書かれたかなー?」などとちょっとした後悔と共に妄想を膨らませたり。いや決して、新キャラクターがどーでもいい役どころで、騎士として登録したつもりが全くそんな描写をされなかったからと言って、ひがんでいるのではありませんよ。きっと。多分。もしかして。
前作のファイナル・イベントで、虎井マスターは「ゲーム中にプレイヤーのサイトは見ないようにしている」といった話をしていましたので、裏設定という名のオブラートで包んだ妄想は私信で送る必要があるでしょうか。もっとも、行動ハガキの記入欄は十分以上の広さがありますので、そちらで足りるかもしれません。
というか現在、別紙に手間を掛けられるほど、時間がなかったり。
『デモンスリンガー2』のアクションを考えます。
このゲームでは、複数のブランチにアクションを掛けることができますが、5月の当初賦課が終わるまでは時間的な余裕がありませんので、当初の狙い通り、クレア関係のAブランチ一本に絞ることにしました。スケジュール変更のために『エテルーナ魔法学園』と締切が被って、きつきつな状態にありますし。
『デモンスリンガー2』では上記の行動ハガキを用いるのですが、記述項目は前作と同じ体裁を取ることにしました。即ち、「今月の目標」「動機」「プロット(手段)」「決め台詞」の4つです。また、文字を小さくするだけ多くを書き込むことができるようになりますが、せっかくですので、字数も前作同様という自分制限を設けます。前作のアクションシートを引っ張り出して確認してみますと、目標16文字、動機32文字、手段98文字といったところ。
って、98文字って、ちょっと少なすぎませんこと、奥様? 適当に打っただけで軽く200文字を超えてしまうんですが。ちなみにこの段落が101文字。その少なさがどれほどのものか、お分かり頂けるかと思います。
いや、適当に打つからこそ、無駄に文章量が増えてしまうのでしょう。この字数制限は、文章量が無制限に等しい『エテルーナ魔法学園』に慣れてしまった身にはなかなか辛いものがありますが、男たるもの、自分で決めたことをすぐさまねじ曲げ、妥協に走るような真似はできません。
削る……!
無駄な部分を削るっ……!
丸太から、一膳の割り箸を作るように……!
俳句……! まさに俳句っ……!
といった、天使のように繊細に、悪魔のように大胆にカットする作業を経まして、なんとかアクションが完成。第1回ですので、なんといってもキャラクターの立場を明確にすることが重要……なのですが、プレイヤーのやりたいこと、キャラクターのやりたいこと、そしてキャラクターのやるべきことがしっかりねじれの位置にありまして、なんともまとまりのないアクションに。
「前作でも、まともに動き始めたのは第3回からだからいーかー」
結局、妥協に走った須賀和良でした。
いきなり「あんた、主要NPCですか?」という程に登場しています。クレアの真意と服装にツッコミを入れたのが勝利の鍵だったようです。
しかし、クレアを肯定し、自分の弱さをカミングアウトしてしまったことにより、「戦う力があるのに戦わないクレア」に対して「戦いたいのに戦う力がないキャラクター」として設定し、それを軸にプレイしていこうと思っていた計画が第1回にして早くも崩壊しています。
クレアが私達に求めていることを知る。
関わりを拒否するなら、帰還を知らせなければ良い。戦わないこと、ヴリドラを離さないこと、身を潜めたこと、全てに理由がある筈。ならば逆に、クレアに許可された行動を知ることで、私達に求めていることも推察できる。
「王族として、お戻りになる意志はございますか?」
千年前の英雄であり、稀代の剣の使い手とされる女性を見てみたいという好奇心。そして、憧れと羨望と妬み。
「その服装は、姫の……御趣味なのでしょうか?」
「どう思う」
そのディオンは『寄合所』の隅の席で帰還者やクレアに近づく者たちを跳めながら、隣の席に座る女性に声をかけていた。
「あんたはどう思うんだ?」
それがディオンの一番知りたいことだった。
「さて……」
聞かれた女性は、壁に立てかけていた自らのロングソードをまるで楽器でもさわるかのようになぞる。
その指は細く、戦士というよりは詩人のようだ。
「あなた、ご出身は?」
「さあな。俺は孤児だったからな。祖国がどこかは知らないんだよ」
女性は鈴のように綺麗な声で「あら」と言い、非礼をわびる。
「いいって、気にするな」
「そうですか。……先ほどのあなたの質問ですが、バレンティアの民……私もですが……にとっては、クレア・コリエンテという存在は特別なんですの。ご存じかしら、『ふたりのおひめさま』というお話」
「さわり程度はな」
「そのお話を、私たちは寝物語に聞いて育ちました。国という心の拠り所を守ろうとする姉と、それすら捨てて世界を救おうとする寡黙な妹の話。伝説や、夢のように聞いていた人が今、目の前にいる。そう言うことですの」
女性は小さな声で詩を詠う。
それは千年前の戦い。
世界を救うためにすべてを捨てようとした妹と、すべてを背負った姉の話。
「失礼だが、あんた、名前は?」
「フレイ、フレイ・カシナートと申します」
「そうか、良い声だな」
ディオンの言葉にフレイは微妙な笑みを浮かべる。
「で、実際の所、あんたはどう考える?」
ディオンがもう一度尋ねた。フレイはグラスに残っていたラムの湯割を少し口に運びながら、微笑む。
「たぶん、貴方と同じでしょうね。中立です」
フレイは穏やかな笑みを浮かべたまま、喧躁に包まれている寄合所を見渡す。
「クレア・コリエンテという方、私はあまり多くを知っているわけではありませんが、伝説通りの方だとすると、その行動には必ず何か、心に秘めたものがあるはずです」
「心に……?」
「ええ、そうだと私は思っています」
「それで、リリアナは何を苛ついているんだ?」
「別に苛ついているわけではない」
ディストの言葉をリリアナは切り捨てる。
「ただあの女がすべての不幸を背負ったような顔をして、逃げているのが気に入らぬだけだ。それに勘違いして貰っては困るが、私はあの女を捜しに来たのではない。我が祖国ヴェルドの最終防衛ラインとしてのシタデル1……トスカニアを見に来ただけだ」
冷たく言い放ち、リリアナは席を立つ。
「悪いがこれで失礼する。ミューレンカンプ提督の呼ぴ出しがかかっているのでな」
不機嫌そうな顔でリリアナは店を出ていった。
残った者たちは複雑な表情をしている。
「推測……ですね。すべて」
ふと店の奥で涼やかな声がした。
全員が引き込まれるようにそちらを見る。と、そこにはフレイ・カシナートの姿があった。
金色の髪をした女は穏やかな笑みを浮かべる。
「みなさん、色々と仰っていますけれど、それはあの方にお聞きになったことですか? いいえ、あの方は何も仰っていません。私たちはただ、あの方がこの街……シタデル1に来ている事、そして私たちを避けているという事実を知っているだけです」
フレイは立ち上がり、壁に立てかけてあった己の剣を帯びる。
それは奇妙な形をしたロングソードであった。
「ご覧の通り、私はDSです。ですが、さほど剣の腕が立つわけでもありませんし、何かに長けているわけでもありません。そんな中途半端な私ですから、自分のできること、そしてその役回りについては理解しているつもりです。……皆さんだってそうじゃありませんの?」
言われた者たちは自分の胸に問う。
DSは道を切り開き、あとに続く者は理を正す。
フレイは言葉を続けた。
「皆さんがそうであるように、使命を持った人間はそれに見合う行動をとりますの。あの方、クレア様もそうでしょう」
「なぜそう言い切れるのよ?」
ヴィレッタ・ヴァイスリッターが尋ねる。フレイは「その疑問は当然ですわね」と頷いた。
「ではお聞きしましょう。完全に姿を隠したいとき、貴女ならどうなされますか?」
「それは……遠くに行って名前を変えて……あ」
何かに気づいたように声を上げるヴィレッタにフレイは微笑む。
「ええ、その通りです。人と関わりたくないのならば帰還したことを知らせなければ済むことでしょうし、戦いたくなければヴリドラを手放せば良いでしょう。ですが、その両方とも彼女はしていない。それに意味がないとは考えられませんわ」
だからこそ、とフレイは続ける。
「だからこそ、私は、いいえ私たちは彼女が私たちに向けた無言のメッセージを読み解く必要があると思うのですわ」
微笑みながらフレイは店を出ていく。その背にレイア・ダウケの声が飛んだ。
「どこに行くんですか?」
「クレア様の所に」
「では私もご一緒しましょう」
ノスフェラトゥの男はフレイと共に外へと向かった。
「ここにいらっしゃったのですね。天気が良くなって、外に出るにはちょうど良いですわね」
まるで散歩で出会ったかのようにフレイはクレアに声をかけた。
クレアはゆっくりと振り返る。
全身をマントで覆っているが、巨大なデーモンウェポンが背から顔を覗かせていた。
二人の視線が交錯する。
一見するとクレアには何の意志も感じられない。だが、その奥には静かな熱い火がまだくすぶっている。それが感じ取れた。
フレイは臣下の礼を取り、脆く。
「クレア様のお出しになられた謎、まだ私のような若輩者には伺い知ることはかないません。ですが、私は必ずそこにたどり着いて見せましょう」
そこまで言うとフレイは立ち上がり、まっすぐな瞳でクレアを見る。
クレアは微笑んでいた。
それが答えだった。
フレイは一礼をすると背を向ける。
だが、不意に足を止めると振り返った。
「クレア様。王族としてお戻りになられる意志はございますか? 私、まだ叙勲は受けておりませんが、騎士を目指しております。クレア様がお望みになられるのでしたら、王都までご一緒いたしますが……」
クレアは首を横に振る。フレイは頷いた。
「分かりました。それでは……」
フレイは再度歩き出す。だが、またもや立ち止まった。
「あのぅ……」
と、今度は今までと打って変わったおどおどした態度で、フレイはクレアに近づく。
「その……何と言いましょうか。破廉恥……あわ、違います。失礼いたしました。そのマントの下のお召し物は姫の……ご趣味なのでしょうか?」
「趣味……といえば趣昧なのでしょうね」
クレアは微笑む。
フレイは泣きそうになった。
過去の、といえばそうだが、仮にも一国の王女だった者が、あのように下着とも言えぬような衣装が趣味とは。
胸の奥に抱いていた憧れや嫉妬といった感情が、一気に崩れていくようだ。
『とはいえ、誤解の無いように言っておくが、これはワシの趣味であるからのぅ』
不意にクレアの左肩で声が響いた。それは年老いた男の声だった。
ぎょっとしたフレイはクレアを見る。クレアは無言で自分の左肩を右拳で叩く。
『痛たた……嬢ちゃん、乱暴するんじゃないわい』
左肩が抗議の声を上げる。フレイは悲鳴を上げそうになった。
「ホップマッド。黙れ」
クレアが呟く。
「デーモン……ですか?」
フレイが尋ねる。クレアは頷いた。
『ワシはホップマッドじゃ。このお嬢ちゃんと契約をしておる。さっき言いかけたが……』
「黙れ」
もう一度クレアが呟く。ホップマッドは黙った。
「なるほど、どうにもクレア様からクレア様と違う気配を感じておりましたが、ホップマッド様と仰るのですね。その方の気配でしたか」
ノスフェラトゥの魔狩人がクレアではなく、そのマントに隠された左肩に話しかける。
「お初にお目にかかりますホップマッド様。私はレイア・ダウゲと申します」
『……』
極小さな声がクレアの左肩からした。クレアはため息をつくと左肩をめくった。
そこには人の顔をした腕当てがあった。
『礼儀正しい不死者じゃのぅ。今まで出会った中で一番かも知れぬわ』
腕当てが笑った。不気味な図だ。
『話の続きじゃったな。このお嬢ちゃんは花も恥じらう乙女でな。本当ならばこんな厚顔無恥な格好は死んでも嫌じゃろうが、残念ながら、ワンを纏うためなのじゃよ。ワシはホップマッド。契約者を守るモノじゃ。お前さん方の言葉で言えぱインテリジェンスデーモン……神級デーモンとでも言ったところかの。ともかくワシは契約者の体表面から生体エネルギーを得て活動しているのでな、お嬢ちゃんは素っ裸になるしか無いんじゃな。つまりお嬢ちゃんはワシがいなくなるとすっぱだ……』
「黙れ」
ごつん、とホップマッドは殴られて黙る。
つまりクレアはこの口数の多いデーモンを纏っているだけと言うことなのか。
「それは……」
絶句してレイアとフレイは目を背ける。クレアとしても聞かれたくないことだったのだろうな、と。
穏やかな時間だった。
なし崩し的に加わってしまったフレイとレイアを加えた一行は夕暮れまで何をするでもなく辺りを歩いた。
昨日、密かに『デモンスリンガー2』の遅延ハガキが届いていました。
遅延ハガキといえば、「リアクションの執筆が遅れており、云々」というのが定番文句ですが、今回は「システム及びデータの完成が遅れているため」
というのがその理由です。一瞬、とうとう機械処理システムが完成しなかったために料金が払い戻しになったと風の噂に聞く『ストリートハッスル』というゲーム名が脳裏をよぎりましたが、日本には『言霊』という言葉も存在することですから、あえて口には出さない方向で。
しかし、能力値等がアクション判定に考慮されることは殆どないのですから、複雑なシステムになどしなければいいのに、とか思ってしまうのですが、これは私が「マスターリアクションさえあればあとはいらない」と考える古いメイルゲーマーだからでしょうか。
ちなみに同ゲーム関係では、先週、早期入会特典の「隠しページ」に関する遅延ハガキが到着しています。「Web上で隠しページなるものがどれほど効果があるのか」とか「ゲームが既に始まっている状況でどんな事前情報を公開できるのか」といった疑問を抱かずにはいられませんが、何はともあれ、最早誰も期待していないであろうそんなものよりも先に、ゲーム運営に支障が出ているシステム構築を優先して欲しいところです。
須賀和良は、「毎月の遅延ハガキ発送代が最初から料金に織り込まれていたら嫌だなぁ」と思っています。
『デモンスリンガー2』の第1回リアクションA0012が到着。何故か、うちのフレイ、「あんた、NPCですか?」ってぐらいに登場しています。色々思うことはあるのですが、まずは一番衝撃的だったことを。
『デモンスリンガー2』には「一人称」や「口調」といった設定項目がありませんので、毎回アクションハガキに補足記入することを虎井マスターは推奨しています。完全にシステム構築が失敗しているような気がしますが、それはさておき、私は、
「ところで口調ですが……私は委員長の口調がいいと思います!!」
「いや! 私はぜひ景王の口調でやりたい!」
「いや、私は……」
6時間後。
「じゃあ、こうしましょう……虎井マスターは初期情報を書いたとき、フレイのイメージが頭にあったにちがいない!」
「そうか……ためしに、虎井マスターに口調を決めさせてみるか!!」
「「「いーですねっ!!」」」
と、「丸投げプロジェクト」を自分的に発足して自分議会に提出して自分採択された結果、私信に「外見イメージは、『サクラ大戦3』のグリシーヌです」と記入するにとどめ、あとは全てマスターまかせとすることにしました。
結果、
「バレンティアの民……私もですが……にとっては、クレア・コリエンテという存在は特別なんですの」
「自分のできること、そしてその役回りについては理解しているつもりです。……皆さんだってそうじゃありませんの?」
「皆さんがそうであるように、使命を持った人間はそれに見合う行動をとりますの」
よもや、「~ですの」口調になるとは、以下リハク。
私、『サクラ大戦3』をプレイしたことはないのですが、グリシーヌってこういう口調だったりするのでしょうか? 凛然とした女性騎士をイメージしていたのですが、まさにエレガント充填120%という感じで、これならノインを通してトレーズ閣下に叱られたりすることもなさそうです。
ちなみにリアクション中では、クレアに会うまで終始微笑みっぱなしでして、NPCだったらまず間違いなくその笑みの裏にあるドス黒い野望を疑われていることでしょう。
「眼鏡を掛けると性格がキツくなる」
須賀和良は、そんな裏設定を考え始めています。
今回の勝利の鍵を考えてみます。
第1回アクションは、
という三者がガッチリと絡み合わずに空中分解、という内容だったのですが、幸運なことに3つともが他の方の行動と被らなかったため、全て採用され、3パートに登場する結果となったようです。
また、細かい手段にこだわらなかったのも良かったのでしょう。姿を眩ませたクレアを探したり、話しかける方法を考えた方もいたようですが、私はそういったことはすっ飛ばし、最初からクレアに会えるものとして、アクションを書きました。大まかな行動指針を書くだけでプロット欄は埋まってしまいますし、前作の経験から、クレアと会って話をすることに物語上の意味があるのなら、手段を提示せずとも虎井マスターは会わせてくれる、と信じていたからです。そして、その期待が裏切られることはありませんでした。
とかこんなことを書いて、他の人も同じよーな書き方をしだしたら纏めるの大変だろーなー、と思ったりするわけですが、虎井マスターならきっと素敵な物語を紡いでくれることと信じております。
須賀和良は、無責任な言葉をはいた。
今度は、キャラクター描写について。
- 聞かれた女性は、壁に立てかけていた自らのロングソードをまるで楽器でもさわるかのようになぞる。その指は細く、戦士というよりは詩人のようだ。
- 女性は鈴のように綺麗な声で「あら」と言い、非礼をわびる。
- フレイは穏やかな笑みを浮かべたまま、喧躁に包まれている寄合所を見渡す。
- ふと店の奥で涼やかな声がした。
- 金色の髪をした女は穏やかな笑みを浮かべる。
- フレイは立ち上がり、壁に立てかけてあった己の剣を帯びる。それは奇妙な形をしたロングソードであった。
- 微笑みながらフレイは店を出ていく。
なんと言いますか、「新たな主要NPCの登場ですか?」と勘違いしてしまいそうなほどの描写っぷりです。正直、リアクションに登場してから28行後に名前が出るまで、自分のキャラクターだという確信を持てませんでした。
このシーンでは、描写は外面のみに限られ、内面描写は殆どありません。クレアの行動に自分なりの解答を持っていた方が少なかったためなのか、1つ上の視点から、微笑みを絶やさずに周りを見ている超然的なキャラクターとして描かれています。
しかし、これがクレアとの会話のシーンになりますと、
- 今度は今までと打って変わったおどおどした態度で、フレイはクレアに近づく。
- フレイは泣きそうになった。過去の、といえばそうだが、仮にも一国の王女だった者が、あのように下着とも言えぬような衣装が趣味とは。
- ぎょっとしたフレイはクレアを見る。
- フレイは悲鳴を上げそうになった。
- 絶句してレイアとフレイは目を背ける。
一気に富樫・虎丸的な驚きキャラクターに落ちます。答えを提示する側から求める側へと立場が移行したため、という理由もあるかと思いますが、相対的にクレアの位置を高める狙いがあるのかもしれません。逆にクレアは、1人でいるときは心理描写があるのですが、他のPCがいると途端に心情表現が少なくなるのが面白いところです。
ちなみにこのシーンでのクレアは、
『とはいえ、誤解の無いように言っておくが、これはワシの趣味であるからのう』
不意にクレアの左肩で声が響いた。それは年老いた男の声だった。クレアは無言で自分の左肩を右拳で叩く。
『痛たた……嬢ちゃん、乱暴するんじゃないわい』
左肩が抗議の声を上げる。
「ホップマッド。黙れ」
『ともかくワシは契約者の体表面から生体エネルギーを得て活動しているのでな、お嬢ちゃんは素っ裸になるしか無いんじゃな。つまりお嬢ちゃんはワシがいなくなるとすっぱだ……』
「黙れ」
ごつん、とホップマッドは殴られて黙る。
その心意は相変わらず不明ですが、ドツキ漫才してました。
「なんで、なんで、なんでぇっ!?」
叫ぶ私を尻目に、今度、クレアは神級デーモンと二重契約。燃え立つ嫉妬の炎に、私のハートはバースト寸前。勢い余ってクィジナートと遠出した先は、シタデル1外縁のリアリティサーキット。そのとき、サーキットから出現する2体の機械怪獣ドレコング! クレアなんかに救援は頼めない。私達だけで倒すのよ。回れ、クィジナート! 必殺のドリルジャコビニ流星アタックを見せるときよ!
と、キャラクターがそんな心理状態にあるかもしれない『デモンスリンガー2』ですが、そろそろアクションを考えます。
第1回は大活躍となったわけですが、『竜創騎兵ドラグーン 竜騎士伝承』B5ブランチや『アラベスクEX3 レマンシアの竜騎士』KB&PAブランチなど、「初期段階でいい位置に立つと、あとは没落していくだけ」というジンクスがあったり、『エテルーナ魔法学園』でも役柄に縛られ、後半あまり楽しめなかったところがありましたので、これからもゲリラ戦的なアクションを仕掛けていくことにします。
ただひとつ、困ったことがありまして。
アクションの基本を、「力があるのに戦わないクレア」に対するよう、「戦いたいけど力がないキャラクター」という立場に置いてプレイしていく筈だったのですが、初回でクレアの行動を肯定し、さらに自らの弱さをカミングアウトしてしまいました。前作でも「クレアの気持ちを考えたことがある!?」的なキャラクターといずれ衝突することを期待していたら第3回で実現してしまい、後の身の振り方に悩んだ記憶がありますが、今回は第1回にして自己崩壊。なかなかの危機っぷりです。
クレアに言いたいことは言ってしまい、もはや絡みようがないので、今度は別のNPCにアタックすることにします。候補は、マリエル(姫)、クアルト(敵)、緑の髪の少年(謎)、放浪の賢者(謎)の4人。後ろ2人は情報不足ですので後に回すとしますと、残るはマリエルとクアルト。
「クレアは戦わないんじゃなくて戦っちゃいけないみたいですぜ? バルブレ撃たせりゃ……まぁ、確かに被害は出るでしょうが、長期的に見れば『勝ち』ですぜ、旦那」
とか、クアルトに吹き込んだら面白いことになりそうな気がしますが、残念ながらキャラクターに合わないので、却下。リアクションでは「貧相な男」などと描写され、空には死兆星が燦然と輝いていそうなこのNPC、早いところ絡まないとさっさと物語から退場してしまいそうで後ろ髪が引かれる思いですが、今回は狙い定めるマリエルがターゲット。その心情はこんなところでしょうか。
「なんで、なんで、なんでぇっ!?」
叫ぶ私を後目に、今日も緑の髪の少年はマリエルに秘密情報。燃え立つ嫉妬の炎に、私のハートはバースト寸前。勢い余ってクィジナートと遠出した先は、シタデル1外縁の古代遺跡。そのとき、遺跡から出現する2体の守護怪獣ドレコング! マリエルなんかに救援は頼めない。私達だけで倒すのよ。回れ、クィジナート! 必殺のドリルジャコビニ流星アタックを見せるときよ!
一緒です。
第1回とは裏腹にほぼ没状態。
何故、マリエルにだけ力への道が示されているのかを彼女に考えさせる(私も欲しいのにどうして私には提示されないの。キーッ)、というものだったのですが、全く考えてくれませんでした。
「前半活躍すると、後半落ちぶれる」というジンクスが早くも脳裏をよぎり始めます。
遺跡の『力』を得る。
クレア/ヴリドラ以外の対抗手段を見つけたいから。
マリエルと行動を共にし、『力』を得る手助けをする。
クレアが「戦わないことを見せている」のは、別の道を積極的に探させるため。何かしらの『時』が来るまで、ヴリドラを完全な状態に保つ必要があると思われる。
「彼は、他の誰でもないマリエル様にだけ、『力』を提示しています。その意味をお考えにはなられました?」
まるで千年前のなぞり直しのようだ。とさえ眩くものもいる。
千年前、王都を飛び出したマリア王女はマリエルと同じように『遺跡』を目指して森の中を旅したのだ。
だがその時は『カ』を求めてのことではなく、行方不明となった仲間を捜してだったのだが。
「分かりますか、マリエル様」
歩きなながらフレイ・カシナートがマリエルに言う。マリエルは「何が?」と答える。
「何故今、力なのか。ということですわ」
「……んー」
フレイの言葉にマリエルは首を傾げる。
緑の髪の少年は言った。「世界を救うために力を与える」と。マリエルはそれ以上のことを考えたことはなかったのだ。
「よくお考え下さいマリエル様。なぜ彼は、マリエル様だけにカヘの道を示したのか。そこに込められている意味を」
「意味……?」
それはクレアの代わりに世界を救え、と言うことなのか。それとも別の意味があるのか。
少年はそのことについて語ろうとしない。
『デモンスリンガー2』の第2回リアクションが到着しました。
見事に失敗。
前回と活躍度を比べますと、旧ザクとジオングくらいの差があるでしょうか。又は『キングスナイト』と『FF7』。今回はクレアの行動理由を推測し、それに基づいて行動したのですが、それが大ハズレ。もっとも、「クレアの行動を自分なりに解釈して行動する、ということをマリエルに見せる」ことが目的でしたので、推測が外れていてもさほど問題はなかったのですが、欠片も誌面を割く余地がないほどにダメダメだったようです。
そして、もう一つの目的は「何故、マリエルのみが特別視されるのか」ということを問いかけることだったのですが、
緑の髪の少年は言った。「世界を救うために力を与える」と。マリエルはそれ以上のことを考えたことはなかったのだ。
「よくお考え下さいマリエル様。なぜ彼は、マリエル様だけにカヘの道を示したのか。そこに込められている意味を」
「意味……?」
それはクレアの代わりに世界を救え、と言うことなのか。それとも別の意味があるのか。少年はそのことについて語ろうとしない。
そこで、この話題は終了。姫、お願いですから少しは考えてください。
毎回、驚きを伴うアクションを書き、驚きを伴ってリアクションを読む――最終回までそのようなプレイを行うことが夢でしょうか。
希望に胸を膨らませ、3つ前の日記にそんなことを書いた私へ、今の私から次の言葉を贈りたいと思います。
「そんなパーフェクトジオングみたいな珍妙なプレイできるわけないじゃないですかッ!! フィクションだッ、SFだッ、ファンタジーだッ!」
『デモンスリンガー2』は、1キャラクターで複数のシナリオに参加することができるシステムになっています。
参加に時間・空間的な制限はありませんので、同一人が同時刻に異なる場所で敵対する勢力の双方に属するという愉快な状況が発生したりもするのですが、これは問答無用で異世界(別ブランチ)に吹っ飛ばされて、「帰れません」という状況に陥ることもあった前作と比べますと、大きな相違点と言えると思います。前作のデザイナーズノートには「PCの居場所を強調した理由もここにあります」
とあったのですが、「いつでもシナリオに参加し、いつでもシナリオから抜けられる」というシステムを採用したということは、この点に関してそれだけ大きな方針転換があったということなのでしょう。多分、金銭面の問題で。
複数シナリオへの参加が可能となりますと、必然的に1つの問題が出てきます。「あるシナリオで閉鎖的な状態に陥った場合、他のシナリオへの参加に制限が課せられるのか」ということです。「他のシナリオのことなんか知るか」という考えもありますが、マニュアルに、
行動ハガキの枚数の合計は、そのキャラクターの「活動量」としてマスターに参照されます。
活動量の大きなキャラクターは、相応に熱心なプレイヤーによってプレイされているものと評価され、ストーリーにおいて「より大きな役割」が期待されます。
とありますので、各マスターは参加量をある程度把握しているでしょうし、当然そのことを無視はできない筈です。とすると、結果的として「各地で活躍している人物はそれだけ死ににくくなる」という世界法則があることになるのでしょうか。この辺り、同様のシステムだった『帝都双月魔術陣』でどうだったのかが知りたいところです。
そして、その『帝都双月魔術陣』と違うのが、複数回分の料金を消費すれば、同一ブランチへのダブル/トリプルアクションを掛けることも可能であるという点です。シナリオ間の整合性についてはある程度目を瞑ることができますが、シナリオ内となりますとそうもいきません。リアクションに必ず登場させるということの他に、「えーと、こいつを最後に登場させて……あっ、これは夜のシーンだ、しまった!」と、マスター側が時間・空間的な整合性を取ることも強いられることになるでしょう。もっとも、リアリティを重視した結果……かどうかは疑問ですが、かつての不動舘のゲームのように「Div移動するだけで1ターン消費」などというシステムについては、「それは却下です」と言いたいと思います。
そういえば、不動舘の『竜騎士伝承』で、森の中を彷徨ってる最中はDiv移動に制限が掛かり、やっとこさ抜け出したと思ったら、次の回のマスターメッセージに「思ったより参加者が減ってないな、と思った」的なことが書かれていて、そこでまたぶち切れですよ的に、電話で「次回みんなでDiv移動しようか」などという企みを巡らしたことがあったのですが、今となってもやっぱり悪い思い出です。
そんなこんなで、積極的にお金を落とす活動することを奨励するシステムになっているわけですが、そんなものは全く無視しまして、須賀和良は「一点集中ゆえ指先!」的に1ターン1アクションでプレイしていこうと思います。
ところで。
「ウェブサイトを運営する」というのは「相応に熱心なプレイヤーによってプレイされている」とは見なされませんか、そうですか。
あいかわらずマリエルへの嫉妬心がオーバーヒート気味の第3回。
期待した結果は殆ど得られなかったのですが、何故か『マリエルを導く者』なる謎の称号を貰っていまして、こんなキャラクターに導かれるマリエルにちょっと同情することに。
マリエルが状況に流されないようにする。
用意された状況・選択肢だとしても、どちらが正解かわからないとしても、マリエルが選ぶことが重要だから。
少年を道標としている以上、もともと選択権はない。ただ、意志を、覚悟を見られているだけ。
マリエルが決められないのなら、自分の意志として、剣を抜くことを選び、そのための障害は排除する。そして、姫に「命令」されたときのみ、それを止める。
「かつて、クレア姫がどれだけ多くの血が流れることを選択されたのか、憶えていらっしゃいますか」
マリエルも笑みを返す。だが、不意に下唇をかみしめると、そこから走り出した。いや、逃げ出したと言うべきだろう。
マリエルは走った。
途中で顔見知りとなった村人が挨拶をしてくるが、それを振り切ってひたすら走った。
そして気づいたとき、マリエルは村長の家で自分用にとあてがわれた部屋の中にいた。
「……マリエル様?」
そこにはフレイ・カシナートが待っていた。
「フレイ……」
マリエルは放心したように眩く。
「家にね。子どもがいたの。ボクを見て笑ったんだ」
「マリエル様」
「ボクもね、小さい子どもは好きだから、答えようと思ったんだよ。だけどね、変なんだ。何も言えなかったんだ。それで気が付いたら走っていたんだ。おかしいよね。どうして逃げちゃったんだろう。だってボク、悪いことなんか何もしていないのに。あの子の顔をまともに見られなか」
「マリエル様!」
フレイの叱咤が飛んだ。マリエルの肩が跳ね上がる。
「少し落ち着いて下さいマリエル様。お座り下さい」
フレイに勧められ、マリエルは椅子に腰掛ける。すると全身が鉛のように重たいことに気づいた。
マリエルは深い息を吐くと手を顔の前で組み、そこに額を当てる。
まるでテレネッツァの神に祈る姿のようだ。
「……ありがとフレイ」
伏せた顔から言葉が漏れる。フレイはいいえ、と答えた。
今ここにはマリエルの精神的支えであるブレイニー・ライアはいない。
マリエルの幼い頃より仕えていた侍女は、今は村の調査に出かけると、一人で出かけていた。
姫の取り乱しようも、その辺りにも原因はあるだろう。
「お茶が入った」
その時、扉をノックしてラファーガ・エスパーダが湯気の上がるカップを持ってきた。
「……相当疲れているようだな」
マリエルにカップを渡しながら、ラファーガが言う。
湯気に混じるハーブの臭いをかぎながら、マリエルは首を横に振る。
「そんな事はないよ、だって何もしていないんだから」
マリエルは言いながらお茶に□を付ける。すうっと気持ちが落ち着くような味だった。
「そういえば……」
ややあってマリエルが口を開く。フレイとラファーガがマリエルを見る。
先ほどよりは顔色が良いようだ。大分落ち着いたのだろう。
「そういえば、神殿の調査に何人かが出かけているんだよね。……大丈夫かな」
「大丈夫でしょう」
フレイが答える。
「あいつらはデモンスリンガーだ。死んでも復活する」
ラファーガが付け足す。マリエルは「そうだね」と答えた。だがその表情にいつもの明るさはなかった。
歩き出したマリエルにグランが声をかけてきた。
「世界は美しく、そして残酷だ。かのクレア・コリエンテでさえ世界を護るために戦ったが、その代償として、友を、姉を、そして心さえも失った」
グランは遠くを見るように言う。
千年前を思い出しているのかも知れない。
「姫よ、キミの護りたい世界は何だ? こんなちっぽけな村か? それとも……」
「わかってるよ」
マリエルは邪悪な魔術師の言葉を振り払う。
「ボクはもう決めたんだ」
「それは祝着」
グランは唇の端をつり上げる。マリエルが抜くと決めたのだ。ならば問題はない。
「……煽ることがお上手ですこと」
グランの横にフレイが並んだ。
「おや、お美しいお嬢様はお気に召さなかったかな」
「いいえ、別に。どうせ定められた道ですもの」
「ほう。お嬢様はカバリストかな。全ての事象に記された出来事をご存じのようだ」
「私はカバリストではありませんし、ましてやアカシックレコードなどというものは存じ上げません。ですが、用意された状況と選択肢しか持ち得ない、今の私たちに何が出来るというのでしょう。これは試練でしょう。マリエル姫の。その意志と覚悟を見るためだけの」
「賢いお嬢さんだ。しかも美しい」
グランは笑う。感情のない笑みだった。
「私はあの方の剣であり盾でありますわ。ですが、それをお決めになるのは主たるマリエル様。おわかりかしら、邪悪な魔導士様」
「心に刻もう、お嬢様」
グランはその言葉を残し、姿を消す。フレイは振り返ることもせず、マリエルたちの後を追った。
アクションを書く際、皆さんはどれだけ状況を限定されるでしょうか。
ある特定のタイミングに、ある特定の場所で、ある特定の状態にある、ある特定のNPCに対してアクションを掛ける――いわゆる“決め打ち”と呼ばれるものは、ピタリとはまれば、優れものぞと街中騒ぐヒーローになれる可能性を秘めています。
しかしこれは、少し状況がズレただけで箸にも棒にもかからないものに成り下がってしまうという危険も伴う諸刃の剣。その場合は、NPC一人にきりきりまいさ、という状況に陥ることになるでしょう。
というわけで、『デモンスリンガー2』第3回リアクションが届きました。
“人間ワーパー”というものを御存知でしょうか。
PBMのプライベやイベントが盛んに開かれていた頃、高速交通機関を利用し、地理的条件を殆ど無視して各地の会場に出没した熱心なプレイヤーの総称です。情報収集の重要性が低下し、インターネットによる情報網が発達した現在ではほぼ絶滅しましたが、当時は他にも「1か月の電話代が6桁に達した」とか、「1ゲームに2桁のキャラクターを投入した」とか、あまり目指したいとは思わない武勇伝を聞くことが多々ありました。
しかし、多くのPBMが運営され、1ゲーム当たりの参加人数は低下し、また、プレイヤー間の競争が抑止される方向へと時代は移りました。もはや、そのような熱狂的なプレイヤーが生まれる土壌はない、と言ってしまってよいのかもしれません。
――と思ったのですが、『デモンスリンガー2』では、全10ブランチにアクションを掛けた方や、開始3か月目にして3つ目のアクションパック105(10,500円)を購入した方もいるとのこと。さらに、第4回からはインターネットでアクションを送ることができるようになりましたので、“物理的に見えるハガキ枚数”という枷がなくなり、ますます歯止めが掛からなくなる可能性があると言えます。
と、それはさておき。
『デモンスリンガー2』の第3回Aブランチは3本に分かれていまして、私が受け取ったのはマリエル関係のA0012。そして本日、電文化されたA0011とA0013を頂いたのですが、全部のリアクションでそれぞれ異なった行動をされてる方がいます。これこそ同ブランチに対して複数アクションを掛けることができる『デモンスリンガー2』特有の現象と言えるでしょう。
ただ。
今回のA0012は、終始、森の奥深くにある閉ざされた小村が舞台なものですから、
ってな状況に陥っていたり。
前回ではまだ、「シタデル1戦で死んだはずだが、マルクトで復活するなりこちらに合流したのだ。タフな男である」
といった表記もあったのですが、今回は完全に無説明。どうやらマスターも整合性を保つことは既に諦めたようです。
須賀和良は、プレイヤーも少しは整合性を考慮すべきではないかな、と思いました。
『デモンスリンガー2』のアクションを考えます。
今回で早くも第4回アクション、という割には、ストーリー展開に影響を与えるどころか物語上の立場を得ることすらできていない状態にあるのですが、第2・3回リアクションを読みますと、“マリエルのサポート”という立場がニッチな居場所として空白のままであるように思えますので、そこをメインに据えて行動を組み立てることにしました。第3回アクションは失敗に終わったのですが、何故か“マリエルを導く者”という称号が与えられていましたので、マスターもきっとそれを望んでいるに違いありません。
と、自分の田んぼに水を引いてみたり。
しかし、マリエルは前作のマリアと比べると人気がない……とい言いますか、その心情にまで絡んだアクションを掛ける人が少ないように思えます。これはいったい何故なのかということを考えますと、
「最初から侍女がいる?」
「それは決定的ではない」
「一人称が“ボク”だから?」
「少々役不足だ。萌える法(ロウ)はそれに限らん」
「シナリオで大きく取り上げられる八葉姫ではない?」
「それは確かに致命的な事だ。だが、萌えとは少し違う。もっともっともっともっと単純な事だ」
「……オフィシャルイラストがない?」
ファイナルアンサー?
ファイナルアンサー。
アクション登録フォームで、『デモンスリンガー2』のストーリー行動を送信。ハガキの大きさという物理的制限から開放されたため、プロット欄にアクション250字、私信550字の計800字を記入。しかし、『闇姫同盟』の掲示板にて「プロットは400字制限」なるものがあることを知る。なんでも、登録確認のページで「登録内容を修正する」を選ぶと400字制限のメッセージが出るとのこと。理不尽な仕様に対する怒りを心の奥底に沈めつつ、ホビー・データに確認のメールを送信。サイトのトップページには「資料請求以外でのお問い合わせはFAX、または業務時間内にお電話でお願いいたします」とあるが、「だったら、ここに“お問い合わせ”として晒されているメアドはいったい何のためにあるんじゃい」と無視することに。
「怒ってないヨ、ミキコ。ワタシ、全然怒ってないヨ」
という感じで、努めて感情を交えずに事務的な文体で書いた(つもりの)問い合わせに対する回答のメールが、ホビー・データの宮川氏から届きました。
400字を超える部分が参照されないだけで、データベースには全文登録されています。
本文、これだけ。
確かに何も突っ込まなかったのですが、「登録内容を修正する」を選ばないとワーニングが出ない、ということについての釈明は一切無しですか。と言いますか、季節柄の挨拶とまではいかなくても、もう少し書き方というものがあるような気がするのですが、こちらもメールで問い合わせるというルール破りを行っていますので、両者痛み分けということで。
しかしこの回答では、オーバーした部分がマスターに渡される前に削除されるのか、それとも、マスターに400字以降を参照する義務がないというだけなのかが判然としません。最悪の事態を想定して、私信は別紙で送った方が良いのでしょうか。
などと思いつつ、サイトを巡回していましたら、同じように400字を超えて登録し、次のような回答を得ている方がいました。
400字を超えている部分もデータベースへの登録は行なわれています。400字の制限につきましては、長すぎるプロットを抑止するためのもので、厳密な制限ではありません。ご心配をおかけしまして申し訳ございません。
「違うでしょ、全然? 内容が第一違うでしょ。内容が違うから、当然対応も違ってくるでしょ?」
アクションの基本が「マリエルへの嫉妬」から「マリエルの保護」へとひっくり返った第4回。
この変化は、リアクション中にもありますが、「マリエルは選ばれたのではなく、用意されていた存在だ」と考えるようになったためです。ちなみにこの辺りのことは私信に書きました。
後半は、「死なない人間が他者を守ろうとして必死に行動したところで、結果、その守ろうとした者達が死んでしまうのなら、それは自己満足に過ぎない」ということで、その罪を自覚させるべく行動させたのですが、最大の理由が「採用されたらかっこいいから」であることは言うまでもありません。
皆で話し合って、これからどうするかを決める。
マリエル一人に責任を負わせるようなことはしたくないため。
自分は村に残ることを選び、マリエルにはすぐにシタデル1に戻ることを勧める。
その後、村人が生き残る方法を探す。見つからない場合は、魔物に喰われることと、剣により死ぬことのどちらを選ぶかを尋ねる。
「力を求めることが罪なら……私も共に、背負いましょう」
「……姫?」
フレイ・カシナートが、マリエルの肩に毛布を掛ける。
まだマリエルは何かを堪えていた。
フレイの顔が苦痛に歪む。自分と同い年のこの姫は、耐え難い苦痛に心を苛まれている。
村人たちは、剣を引き抜いた当初こそ、口々に罵ったものだが、今では諦めたのか、逆に何も言わない。
だがそれは非常に効果的にマリエルの心をむしばんでいる。
「姫……」
フレイは姉のようにマリエルに声をかける。だが白い姫は首を横に振った。
「違うんだよ」
マリエルはぶるっと身を震わせると、フレイの考えを否定した。
「犠牲を厭うことはない。しかし、己の責任を放棄しても良いという理屈ではない。どのような残酷な決断であれ、それは己の責任で、最後まで貫く必要がある。そのために、村の人間全てを切り捨てることになったとしても、それが己が決めた責任の取り方であるのなら」
まだ少女の面影を残す帝国軍士官は冷徹に言い放つ。
マリエルはそれを拒絶し、激しく頭を振る。
「ならば姫、あなたはシタデルに戻るべきですわ」
それはフレイ・カシナートだった。
「でも……だって」
「マリエル様」
フレイは微笑み、マリエルを抱きしめる。
「あ……」
「お進み下さい、姫。力を持つことが罪ならば、貴女一人が背負う罪ではありません。なぜならここにいるすべての者が、それを望んだのですから。ならば私も罪を背負いましょう。赦されぬ罪というならば、永劫の責め苦も共に進みましょう。姫、ここは私が残ります。マリエル様は一刻も早くシタデル1へお戻り下さい」
姉のように、母のように、友として、人として、そして戦士として、フレイは告げる。
だがそれは、己に対する言葉である。
どこか、この事態を他人事のように感じていた、己に対する嫌悪と後悔の言葉である。
マリエルは腕の中で動かない。
「時間です」
最後の時が来た。緑の髪の少年が告げる。
「どうしますか? 進みますか、留まりますか?」
白き姫は、ゆっくりと顔を上げる。そして、決然と言い放った。
「……シタデル1へ、世界を救うために!」
「それにしても意外でしたわね」
マリエルは、ごく少数の仲間を連れシタデル1へと向かった。
その後に残ったのは力を持たぬ村人らと、フレイやシュンら、村人を守ろうとする者たちと、なぜかグランであった。
「意外かな? 焚き付けるだけ焚き付けて、自分は安全に、という方がよほど人の道理として間違っていると考えるが」
フレイの言葉に黒い男は笑みを帰す。爬虫類が笑うとこんな風になるのかも、とフレイは思う。
「……来るぞ」
シュンが呟く。それに併せて複数の息づかいが聞こえてくる。
「……ラーグ、カルメン、セレナート。お前たちは戦えない者を連れて、逃げろ。これ以上は持ちこたえられない」
「……」
「貴方もですわ。親衛隊長」
討ち死にを覚悟していたシュンの後頭部に鈍い衝撃が走った。
薄れいく意識の中、シュンは相手がフレイであることを見た。
「……貴方は王女をお守りするのが仕事。ここで死ぬのは本懐ではないでしょう。……アモン様、村の方々は?」
「……奥の部屋に」
「分かりました。みなさん、ここを引き払いましょう。森を焼き、敵の目をくらませ、生き延びましょう」
「しかし村の者は……」
「私がなんとかいたします」
アモンにフレイはそう言うと、一人奥へと入っていった。
「美しいお嬢さん。なるほど、なるほどそういう覚悟を決めたのだね」
途中、夜の闇の中にグランが立っていた。その腕に何かを抱いているようだが、よく見えない。
「……罪は私も背負います。それが私の覚悟」
「なるほど素晴らしい。美しい決意だ」
「貴方もお逃げなさい。間もなく火が放たれますので」
「勿論逃げるさ。ああ逃げるさ」
グランは小さく笑うと姿を消す。フレイは静かに進んだ。
篝火があった。
その下には数人の影。
ほんの僅かだけ生き残っている村人たちだった。
「やはり……無理だった」
生き残っていた村長が呟く。フレイは頭を下げる。
「私たちの勝手で、あなた方を不幸にあわせました。ですが、今からでも遅くはありません。ここを離れましょう。まだそうすれば生き残る道はあります」
フレイの申し出を、村長は否定した。
「我々は、ここで生まれ、ここで死ぬ。そうしか生きられぬように作られた。今、ここに至ってそれがはっきりと分かる」
「作られた……」
「だがな……我々はあんたらを恨む。我々の生活を壊し、我々の命を奪うあんたらを。例えどのようなことがあっても、我々は未来永劫あんたらを恨み続ける。覚えておくがいい。我々の恨みを」
フレイは悲痛な表情で腰の剣を抜く。
「選択して下さい。剣によって死ぬか……魔獣に喰われて死ぬか」
「ワシらは!」
村長が立ち上がる。敵意に満ちた目でフレイを睨む。
その時、真横の森の中から魔獣が飛び出してきた。
魔獣はあっという間に村長の上半身を食いちぎり、フレイの喉を切り裂いた。
「……っ!」
吹き出す血。回転する世界。
仰向けに倒れながら、フレイは最後の村人の悲鳴と怨嗟の声を聞いた。
作られた。村長は確かにそう言った。
誰に。それは分からない。
用意された結論にしかたどり着けない設問。用意された回答者。
「……っエル様」
フレイの細い指が天をつかむ。もしかしたら、いや間違いない。
マリエルは選ばれたのではない。
マリエルは用意されていたのだ。特別なものとして。何かを為すために。
「ご明察」
声が聞こえた。
その声はどこか聞き慣れたもののようで、しかし全く違う印象を持つ女の声だった。
目が霞む。
最後に見えたのは、黒い髪だった。
フレイは、仲間が無事に逃げ延びる事を祈った。
というわけで、マリエルが32使徒として目覚めちゃったりした『デモンスリンガー2』第4回リアクションが届きました。
関東近辺でリアクションが届き始めた昨日になって、「前回のアクションは、他のPCさんを無視して、いかに自分のキャラクターを格好良く見せるかだけを考えたものだったなー」などと反省を始めていたのですが、これが結構活躍させて貰えてました。前回はハガキではなく、WEBからのアクション送信ということで、私信という名の行動補足が当社比300%あったのですが、その辺りが勝利の鍵であるように思えます。もっとも、格好いいだけでストーリー展開にさほど影響を与えていないのが、予想通り的に負け気味ですが。
さて、ここで問題。
このわずかA4用紙3枚のおかげで、『ガンパレード・マーチ』がどーでもよくなりつつあります。
『デモンスリンガー2』のアクションを考えます。
前回のリアクションで、私のキャラクターは「ブレイニー(王女の侍女)とフィリオラ(カバルのエライ人)は同一人物だよ?」という個人的な引きを頂きました。となれば、当然これに関わっていくしかありません。「直球で攻めるか、いやそれよりもクレアや国王を経由した方が面白いことになるかも」といったことを考えながらノートに相関図を描いていき、アクションの大筋が固まったところで、ある重大な事実に気が付きました。
よく考えたら私のキャラクター、フィリオラの存在を知らないよ、ママン。
ダメです。ダメのダメダメです。仕方がないので、情報レベルを「ブレイニー=怪しい」というところまで落として、アクションを再構築。しかし、なかなかテンションが上がらずベッドに横になったところで、突如としてアクションの神様降臨。そのお告げを信じ、引きを完全に無視した予想の斜め上を行くと思われる地雷アクションが完成しました。「地雷ってのは一発性が高めになってる。そん代わり、採用率が少なめ。これ」という感じで、ちょっとしたギャンブルです。『デモンスリンガー2』では料金さえ払えば、ダブルアクション、トリプルアクションも可能ですので、保険として無難な方のアクションもかけることはできるのですが、「アクションは1月1回分」と高橋名人的な制限を課している私として、ここで逃げるわけにはいきません。あとは運を天に任せるのみです。
P.S.
もし、天以外に運を任せるものがあったら、教えてください。
早ければ今週末に第5回リアクションが届く『デモンスリンガー2』ですが、前回のアクションは「具体的な手段を全く書かない」という非常に手抜きな男気溢れるものとなっています。「上手い手段が思い付かなかった」というのがその根元にして最大の理由ですが、見当外れの手段を書くよりもマスター裁量に委ねた方が採用の確率が上がるように思えたからでもあります。また、話の流れからルーメンス(NPC)に関わる人が殆どいないであろうことを予想できたことも大きな要因です。競合者がいないのなら、目的だけでもある程度の勝負ができる……そんな目論見がありました。
しかし先日、とある方から「フレイさんに近いアクションをかけました」との連絡が。
さらに昨日、某マンガ家さんのグループもルーメンスにアクションを掛けていたことを発見。
そして今日、希望が絶望に変わった『デモンスリンガー2』を向こうの棚の上に置いて、『東奉幻獣記』関係サイトを巡回していたら、「戦:26」「拳法×4」の女の子というキャラクターが被りまくっている人が同じ刀Divにいるのを見つけてみたり。
前回のアクションでケイオスウォーリアになることを目指した『デモンスリンガー2』ですが、本日届き始めたらしい『ネットワールド』に「死亡回数10回以上で5LV以上のDSがクラスチェンジしてケイオスウォーリアになる」というシステムが発表されたらしく、リアクションが届く前にアクションの成功率がオーナインシステムであることがわかってしまった今日この頃、皆様は如何お過ごしでしょうか。私は、
うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ
アクションの神様が降臨されまして、前回の引きを完全に無視した地雷アクションとなった第5回。
結果は、NPC曰く「良い余興だ。想定外だ」
ということで、「マスターの予想の斜め上を行ったー!」と個人的勝利宣言。
実はこれが後の悲劇の一因となるのですが、1プレイヤーである私には知る由もなかったのです。
ケイオスウォーリアになる。
黒の月に対抗する力を得るため。
村も村人も作られた存在なら、あの魔獣もまた同じ筈。魔獣の不死性。あれを得ることができたなら、たとえ剣にはなれずとも、盾になることはできる。
「いずれ私が人に仇なす存在になったとしても、人は、ケイオスウォーリアに勝てる筈です」
機械兵の群の先頭部分の所々で、小さな炎があがっては消えていく。
その一つ一つが戦士たちの命であり、倒された証拠でもあった。
「……」
その様子を離れた場所で呆然と見つめる者がいた。
名をフレイ・カシナートという。
マリエル・バルク王女に従っていた美しい女戦士であった。
「また……一つ」
フレイは呟く。視線の先で小さな炎があがっていた。
勝てない。このままでは勝ち目がない。
フレイはきびすを返す。
如何にDSが強大な戦力であろうとも、帝国軍や人狼兵が精強を誇ろうとも、圧倒的物量の前には技量や戦術など芥のようなものだ。
僅かの手勢で物量の前に対抗するには、方法は限られているのだ。
それは千年前に証明されている。
だが今からで間に合うだろうか、あと僅か3時間しか無いというのに、その方法を実践する余裕はあるのだろうか。
「行くしかない。進むしか」
フレイは呟くと、戦場を背に走り出した。
男から瘴気が噴き上がる。それはただの人間であるスカットを恐慌に陥らせるには充分なものだった。
心臓の拍動が狂う。背骨の中をウジ虫がはい回るような感触。吐き気が襲い、全身から汗があふれ出す。
「 」
スカットはその時、自分が何を叫んだか理解できなかった。
異界の言葉だったのだろうか。普通では全く発音できない音が口から発せられている。
「……そうだ。しかしお前の考えは間違っている」
放浪の賢者、いやルーメンス・アングィスはスカットの言葉を理解し、答えを返していた。
ふ、と魂の呪縛が解け、スカットは倒れる。
その歪んだ視界の端に、細い足が見えた。
「……では女、お前はどうなのだ? 我に何を求める。我は混沌の使者。与えるものは混沌のみ」
「その力を」
涼やかな、だが決意を秘めた声だった。
スカットは薄れる最後の意識の中で、声の主がフレイ・カシナートであることを認めた。
「混沌に身を沈めるというのか?」
「それが黒の月に対抗する手段となるのなら」
ルーメンスの問いかけにフレイは決然と言い放つ。
ルーメンスは小さく笑った。そして頷く。
「良かろう。貴様の到達した真理、それを認めよう。我は混沌の使者なり。その意味を知った上で、混沌に身を沈める決意を認めよう。ちょうど良いことに、ここは御方の力に満ちている。黒の月の影響などみじんも受けないだろう。本物の『混沌の御使い』として、生まれ変わらせてやろう」
ルーメンスは亀裂のような笑みを作った。
その瞬間、フレイの両手の爪が爆ぜた。
両腕の肉が嫌な音を立て、引き裂かれる。
「……!!」
悲鳴は上げられない。ただ口だけが酸素を求める魚のようにぱくぱくと動くだけだ。
「苦しめ。苦しみが長ければ長いほど、より強き御使いとして目覚められる。……それにしても良い余興だ。想定外だ。千年を経て、御使いを求める者が現れるとは、思いもよらなんだわ。存外、我もまだ真理に至ってはおらぬと言うことか。いや面白きことか」
フレイの惨状を、まるで寸劇でも見るように眺めながら、ルーメンスは笑う。
フレイは気を失いたかった。だが、それすら許されない。
身に纏っていた鎧は、目に見えぬ力によって砕け散り、露わになった肢体には一瞬で無数の切り傷が走り、脚の指先から太股まで無数の針が突き立ち、腕は根本で引きちぎられる。
不意にフレイの喉から凄まじい力が走り、彼女の自慢であった声を作る舌が引っ張られる。
少しずつ、少しずつ舌は前に引き出され、そのたびに肉の繊維が嫌な音をあげてちぎれていく。
フレイは失禁をし、痙攣をする。だが意識だけは正常に残っていた。
死にたい。殺してくれ。
心の中で叫ぶ。だが死は訪れない。
ぶちん。と舌が引きちぎられた。口から血の泡が溢れる。体は奇妙にねじ曲がり、小刻みに痙攣を続ける。
残っていた意織はぼやけ、遠くに白でも黒でもない、何か巨大な塊が見えた。
フレイはもはや残っていない両腕を、その塊に伸ばす。
「到達した」
ルーメンスが邪悪な笑みを浮かべる。
その瞬間、見えない力によって、フレイは押し潰された。
真下に振り抜かれた剣によって、グランの内蔵が地面にばらまかれる。
「が……あっ!!」
グランは仰向けに倒れる。凄まじい痛みが全身を駆け抜けた。
まずい、このままではまずい。
この傷が再生するにはかなりの時間が必要だ。
その間にシタデルの警備兵がやって来て、捕らえられてしまう。逃げなくては。
グランは必死でもがき、身をよじる。
既に対していたルシェナスは事切れている。
逃げるのは今しかない。
「邪魔だ!」
グランは怒鳴ると自分の内臓を引きちぎり、投げ捨てた。
内蔵は血をまき散らし、地面を転がる。と、臓物が誰かのつま先にぶつかった。
「……汚い」
鈴のような声が聞こえた。
見上げる視線の先には、女が立っている。
「美しいお嬢さんか」
グランは脂汗を流しながら呟く。そこにはフレイが立っていたのだ。
だが違う。何かが違うのだ。
それは魔術師が力を得た黒の月に似ているが、それ以上に圧倒的な何かを内包している。
グランはそれを知っている。いや、忘れるはずがない。
「御方……」
それがグランの残した最後のつぶやきだった。
グランの頭は一瞬で踏みつぶされ、醜い肉の塊に変わり果てた。
「……戦場……近い」
夢を見ているようにフレイはつぶやき、前を向く。
そこでは機械兵の群が蠢いていた。
「はは……はははははっっ!!」
フレイは笑い声をあげると、戦場に向かって駆けだした。
ラフィはへなへなと座り込むが、はっとセレインのことを思い出した。
慌ててセレインがいた位置へ走る。と、土煙の向こうに動く影があった。
「セレイン!!」
声をかける。だが、返事がない。
「セレイン?」
近寄る。
そこにいたのは血塗れの剣を持ったフレイだった。
セレインは倒れていた。喉を切り裂かれて。
「!」
青ざめるラフィにフレイは微笑みかける。
「ああ、この人ね。死にかけていたから止めをあげたのです。優しさですわ」
幽鬼のように立ちつくすフレイの足元でセレインの体が光になって崩れる。マルクトヘ飛んだのだ。
「力はどうだ、女。いや混沌の御使いよ」
フレイの後ろで声が聞こえた。
そこにはルーメンスが立っている。
「とても素晴らしいものですわ、猊下」
フレイが会釈をする。ルーメンスは氷の笑みを浮かべ、ラフィを見る。
「カバルの犬か。用意された英雄」
ルーメンスは馬鹿にしたような笑みを浮かべると、ラフィに向かって歩き出す。
ラフィは恐怖のあまり動けない。
混沌の使者はラフイの肩に手をおくと、耳元でささやく。「舞って見せよ」と。
その瞬間、ラフィは気を失った。
「ルーメンス」
そこへライウ・オヤジマルが姿を見せた。
ルーメンスはやれやれ、というように顔を向ける。
「今日は客人の多い日だ。さて、大地の子よ、何の用だ?」
使者に問われ、ドワーフは首を横に振る。
「分からんのじゃ」
「分からぬか」
「分からぬ」
ドワーフはルーメンスの再度の問いかけに同じ言葉で返す。
「ワシは敵をカバルと思うておる。じゃが、ワシの頭ではそれに対抗する術は考えつかん。じゃがな、自分たちの考えだけで世界をまとめ上げようとするのは、間違っていると思っておる。それは、土の中から石を全て取り上げるようなものじゃ。石がなけれぱ土は泥になり、水が腐り、木も枯れる。奴らのやろうとしていろことは、そういうものじゃと思う」
「真理である」
ルーメンスは笑う。
「だが、それをお前はどうしたいというのだ、大地の子よ」
「分からぬから来た」
「よかろう。ならば来るが良い。お前の真理に従い、事を成すが良い」
この御使いのように、とルーメンスは続ける。
ライウは黙って頷き、その場から姿を消した。
「猊下……」
フレイが尋ねる。
「猊下はなぜ、私に力を与えたのですか。私が猊下に完全に従っているわけではないことは、ご存じでしょう。それにあのドワーフもそうです。あの者は、自らの信念を貫くことだけを考えているでしょう」
「それでよい」
ルーメンスは酷薄な笑みを浮かべる。
「それでよいのだ御使いよ。混沌とは即ち全てを内包するものであり、真理に到達する唯一の方法であるからだ」
男はそういって再度笑みを作る。
それは邪悪な笑みだった。
『混沌の御使い……か。こりゃまた厄介な』
シタデル1。その中のクレア・コリエンテの私室にスカット・ズェリは来ていた。
「ええ、放浪の賢者様はやはりルーメンス・アングィスでした。そして、私の目の前である女性を変質させ、『混沌の御使い』にしたのです」
スカットはめまいを抑えながら、クレアのデーモン、ホップマッドに報告する。
『なるほどのぅ。さしずめ、力を求めた者にくれてやったという所じゃろう。あやつはそういったことに頓着がないからの』
ホップマッドは珍しく神妙な声色で話す。何かを思いだしているかのようだ。
実は昨日、『デモンスリンガー2』のリアクションが届いていました。
火曜日に「21日(月)には全ての行動結果の発送は完了いたします」
、木曜日に「7月22日、現在を持ちまして、解決のめどがたっておりません」
という遅延ハガキが届いていたため、リアクションが届くのは早くても明日になると思っていたのですが、以外と早く復旧したようです。
と思ったら、機械処理は次回に回してマスター処理部分のみを発送したとのこと。『ストリートハッスル』の教訓は何処に。
パラメータシートが同封されていませんでしたが、私は機械処理アクションを一切行っていませんので、全くの無問題。それよりも気になるのはリアクションの内容です。前回、「ケイオスウォリアーになる」というアクションを掛けたのに対し、今月の『ネットワールド』で「クラスチェンジによりケイオスウォリアーになる」というシステムが発表されたことで、成功はほぼ無理と判明。あとは、NPCが私のキャラクターの考えをどのように否定するかだけを楽しみにするという、非常に後ろ向きな心構えでいたのですが、立派にケイオスウォリアーになれていました。しかも、NPC曰く「それにしても良い余興だ。想定外だ。千年を経て、御使いを求める者が現れるとは、思いもよらなんだわ」
とのことで、「よっしゃー! マスターの予想の斜め上を行ったーっ!」と個人的勝利宣言。
ところで今回のアクションの成功は、実はシステム破壊に繋がっています。『デモンスリンガー2』でキャラクターを強くするためには、一般のアクション(ストーリー行動)とは別に料金を消費して訓練・戦闘・冒険行動を行う必要があります。中には一月に数千円を使っている方もいる筈です。ですが、私のキャラクターはたった1回のストーリー行動だけで、そういった方々を越えた力を獲得しました。まさに、1つ1つ石を積み上げて城を造り上げていく人を横目にパワーショベルで築城を始めてしまった状態で、クラスチェンジが発表されなかったとしても、没となる可能性が高かったことに今更ながらに気付き、ちょっと冷や汗を流していたり。
ちなみに今回、どれほどの変化があったのかと言いますと……パラメータシートがないため、全く完全にお答え出来ません、大佐殿。
個人的夏休み最終日の今日、某殿下からのメッセージを受信し、鶴を折っていたりしたわけですが、それはさておき、本日は『デモンスリンガー2』のアクション締切日でもあります。一応、月曜日に書き終えてはいたのですが、今一つインパクトが薄いため、アクションの神様が降臨するのをじっと待っていたのです。
でも、留守でした。
さて、「すばらしい! すばらしい! これが、これがケイオスウォリアーというものか!!」と変質した感じの私のキャラクターですが、具体的に何がどう変わったのか、何ができ、何ができなくなったのかがまるでわからない状態にあります。これは、今作で個別マスターメッセージがなくなったことの弊害と言えましょう。もっとも、今回はシステムトラブルのために個別データシートが発送されていませんので、あったとしても、同じだったかもしれませんが。
そんなわけで、今回は大人しく様子見です。と言いつつ、プレイヤーレベルでは私信を含めると5~6個の目的を放り込んでいますし、久方ぶりに自分でもどんな結果になるのかわからないアクションになりましたので、結構実験的ではあるのですが。
あとは、WEBでのアクション登録が失敗していないことを祈るのみです。
「何か面白いことができないかなー」と考え、NPCを殺害することを思い付いた第6回。
混沌の御使いの力を把握しないままに行動したら、それはもうスプラッタな結果に。「死なないだけ」という設定はなんとなく後付けのような気もしますが、それよりも実はマリエルの信頼を得ることができていたことに驚愕を隠しきれないでいた(君たちも大人になればわかる!)。
そして、私にとっての『デモンスリンガー2』はこの回をもって終了となりました(何故って次回からマスターが替わったから)。
マリエルを守る。
重荷を背負わされる為に存在した彼女を支えたいから。
彼女からの信頼はいらない。ただ、彼女を愛し、肯定し、己の身を盾にして守る。
なお、ブレイニーは斬る。悩み・苦しみをもって誘導する者など必要ない。
「等しく助けたい人が100人いたとき、1人も助けられないのと、10人だけ助けられる力を得ること、どちらが辛いのでしょうね」
「止めは……無理か。だがもうマリエルは戦えまい!」
ゴウウは笑いを残し、姿を消した。
「マリエル様!!」
シュンがマリエルを抱き留める。マリエルの顔は蒼白であったが、意識はしっかりとしていた。
「大丈夫……痛いけれど、大丈夫……」
マリエルはよろめきながらも前を向く。
「無理はダメですわ。姫」
涼しげな声が聞こえた。
と、そこにいた人物と目が合う。
「フレイ……フレイ・カシナート?」
マリエルの目が喜びに満ちる。痛みも忘れた。
「お久しぶりですわ。姫」
そこにいたのは、彼女の導き手、と言われたフレイ・カシナートだったのだ。
マリエルとは村で分かれたきりであり、久方振りの再会だった。
「村から帰ってこないから、どうなったかと心配したんだよ……変わりない?」
マリエルはフレイの姿を見る。どこにも異常はない。いやそれどころか、前にもまして輝くような美しさがあった。
フレイは微笑んだ。どこかいびつな笑みだった。
「わたくし、姫をお救いしにきたのですわ」
フレイは微笑み、剣を抜く。瞬間、ウォルターがマリエルの前に飛び出した。
「姫、さがって下さい! 何かが変だ!!」
ウォルターはフレイの体にかつて嗅いだことのある混沌の匂いを感じていた。
もし、それがウォルターの想像通りのものであったなら、状況は最悪である。
「あら、ウォルターさん。わたくし、姫をお救いしに来たと申し上げましたのよ? なぜ姫を隠すのですか? わたくしが斬るのは……」
壊れた笑みを浮かべ、フレイは視線を巡らせる。その先にいたのはブレイニー・ライア。
「あなたです、ブレイニー。姫を苦しませ、それを以て導こうとするあなたこそ諸悪の根元ですわ」
ゆらり、とフレイの剣が振り上げられる。ブレイニーは悲鳴を上げた。
「させないよ!!」
セレナートのダガーがフレイの足を貫いた。
だがフレイは倒れない。
「そんな……確かに筋を貫いたのに!!」
少年が悲鳴を上げる。彼の腕は確かだった。ダガーは格実にフレイの両足の筋を切り、立ち上がることもできないようにしていた。
だが、信じられないことに、切ったはずの筋が、端から再生して行くではないか。
「そう、これが混沌の力。御使いの力。私はこの力で姫、あなたをお救い申し上げます」
フレイが笑みを浮かべ、ブレイニーに近づく。と、フレイの頭上が陰った。
フレイの頭上に、レモン・ズェリが舞っていたのだ。
「やぁれやれ。予定と違うんだけどなぁ」
レモンは笑みを浮かべると、バトルアンカーを突き出した。
フレイは思わず笑い出した。
「馬鹿なコ! 混沌の御使いにそんな武器が……」
凄まじい衝撃が辺りに響き、土煙が舞った。
「やれやれ。ブレイニーを助けちゃったじゃないか」
煙の中からレモンが姿を現す。
「フレイ……は?」
「あそこ」
マリエルの問いに、レモンは簡単に答える。
確かにそこにフレイはいた。だが、それはフレイだったモノだ。
両腕はバトルアンカーを受け止めようとしたのか、高々と掲げられているが。その中央の頭と胴体がすっぽりと抜け落ち、地面にぶちまけられている。
「邪魔だなぁ」
レモンはそう言うと、フレイの体を蹴り落とす。
「いっ……!!」
マリエルは悲鳴を上げかける。と、ひび割れた宝石が輝いた。
「……」
マリエルは途端に静かになる。
シュトヴレハム・アルトヴァイツェンはその様子を眺めていた。
そして「なるほど」と呟いた。
「ボクが決めなくちゃダメなんだ。だってボクは使徒だから。ボクのためにフレイは叩きつぶされちゃったんだから……」
苦しげにマリエルは言い、アモンらが持ってきた情報を元に、城の正確な位置を把握する。
「はぁっ……」
息が辛い。だが、マリエルは精神を集中すると、一気に解き放った。
放たれた光は、今までの鋭い閃光とは違い、まとわりつくように空間を走る。肉眼でもはっきりと分かるほど、ゆっくりとした光だった。
この分では城に到達するには10分もかかるだろう。
「……」
「マリエル様!」
放ち終わったマリエルは、その場に倒れてしまった。
マリエルをセレイン・ギィが抱き起こす。
息は浅いが意識はあった。
「無茶をされるからですわ。マリエル様は使徒。何かあれぼ候補たちが動揺しますわ」
「そう……だね」
マリエルは弱々しく笑う。
でもこれで、使徒としての責任は果たせたんだ。そう思うと心が軽くなる。
「マリ……エル……様……」
どこからか声が聞こえてきた。途端、マリエルの心臓が大きく跳ねる。
「マリエル……様……」
もう一度聞こえた。空耳などではない。確かにあの声は、レモンによって潰されたフレイの声だ。
「ひっ!」
マリエルを抱いていたセレインが短い悲鳴を上げる。
岩塊の向こう側に、崩れた人間が姿を見せていたのだ。
だが、徐々に復元しつつある。
「フ……レイ……」
マリエルが苦しげに名を呼んだ。
「マリエル様……私は、姫をお救いしたかったのです……ですから私は『混沌の御使い』になりました。力を得たかったのです……でも、違うんです。御使いは違いました。御使いに力はありません。死ねないだけです。ですが、ああ、ですが聞こえるのです。狂気が、永遠の底から狂気という名の真理が……マリエル様……私は、姫をお救いしたかったのです……」
フレイが動くと、まだ再生途中だった眼球が、どろりと地面に落ちた。その瞬間、マリエルの中で糸が切れた。
「いやだぁああああああっっっっ!!!!」
叫びをあげ、辺り一面にバニッシングを放つ。
その一つが、使徒候補の少年に走った。
「危ない!」
そこに偶然居合わせたアキラ・コルレルが叫ぶ。その声にはじかれるように、少年は小さな手に紅い光を溜めると、マリエルのバニッンングをはじき飛ばした。
「もう嫌だ! いやだ、いやだいやだ!!! 全部みんなが悪いんだ! 嫌いだ! みんな嫌いだ!!」
泣きながらマリエルは立った。
全身から紅い光が立ち上り、辺りを照らしている。
その時だった。
「聞こえる……また……ああ!!」
フレイが悲鳴を上げた。彼女の耳に混沌が聞こえてきたのだ。
それと同時にマリエルも体を硬直させ、中天を見つめはじめた。
「……そう……そうだね。そうだよ……。わかったよ、ボク行くよ、どこに? ああ、そうか。トスカニアか……」
マリエルは一人、そう呟くと、歩き出した。
仲間たちは誰一人として追うことが出来なかった。
「さっきの話だが……」
「ああ、ルーメンスですね、彼が本物の混沌ならば、結果は期待していないだろう、ということですよ。その状況を作り出し、混沌を生み出す。実際、マリエル王女にはてきめんでしたね。一時は最も信頼していたものが、混沌の御使いとなり果てたのですから」
『デモンスリンガー2』のリアクションが届きました。
最初にデータシートを確認……しようと思ったら、やっぱり入っていません。あいかわらず機械処理にトラブルが発生しているようです。お知らせによると、9月を集中メンテナンス期間に充てることにしたとか。その結果、締切が10月6日に延びているのがなかなか英断です。
さて。
前回、「ケイオスウォリアーになったー♪」と喜んでいたのですが、これは間違いでした。正しくは、なれたのは「混沌の御使い」です。ちなみに、前作及び今作でその関連用語を抜き出してみますと、下記のような状況。
結局、今作における「混沌の御使い」がどのような存在かわからなかったため、前回はあまり能力を過信せず、ふつーの護衛アクションとしたわけですが、それで正解でした。というのも、今回判明した「混沌の御使い」の能力。それは「混沌の すごい 再生能力」という、ただそれだけだったのです。他の能力アップとかは一切なし。あとは、ひどい耳鳴りが漏れなく付いてくるくらいです。おかげで、戦闘用錨なるものを受け止めようとして、ものの見事に潰れました。グシャッと。麻倉葉賢並に。さらにその後、遺体を蹴飛ばされたりしまして、前回と立場が逆転している辺りがかなり因果応報気味です。
しかし、なるほどこれなら、システム的なクラスチェンジなしで「混沌の御使い」に変化しても問題ありません。そんなわけで、3つ数えますので、7月28日の日記に書いたキャラクターの成長云々については、とりあえず忘れてください。私も忘れますので。
「ワン」
「ツー」
「スリー」
つかそれよりも、期間が開きすぎて、アクション出すのを忘れそーな気が。
「暗示だぁ! 貴様は前回のことを忘れる!!」
「俺は前回のことを忘れない!!」
「忘れる!!」
「忘れない!!」
ということで抵抗成功。ちょっと疑問に思うところがあるわけです。
- 「苦しめ。苦しみが長ければ長いほど、より強き御使いとして目覚められる」
- それは魔術師が力を得た黒の月に似ているが、それ以上に圧倒的な何かを内包している。
- 「力はどうだ、女。いや混沌の御使いよ」「とても素晴らしいものですわ、猊下」
前回は上記のように描写されていたものが、今回は下記のような状態。
- 両腕はバトルアンカーを受け止めようとしたのか、高々と掲げられているが、その中央の頭と胴体がすっぽりと抜け落ち、地面にぶちまけられている。
- 「御使いに力はありません。死ねないだけです」
- フレイが動くと、まだ再生途中だった眼球が、どろりと地面に落ちた。
前回の私のキャラクターが「ケイオスウォリアーになったフリ」「性能が20%アップしたフリ」「力に陶酔しているフリ」という状態だったのなら何ら問題はないのですが、システム的な制約から弱体化が行われたのだったら、イヤだなぁ、とか思ったり。もっとも、強力アイテムを入手して他のPCをバタバタ殺している方もいるそうですので、その可能性は低いと思いますが。いやむしろ、「その方が面白くなりそうだ」ということで、ルーメンスが力を取り上げてしまった、と考えた方が前回との整合性が取れるかもしれません。
「催眠深度三、記憶支配! きさまらは混沌に舞う蛾だ!」
既にそんな状況に堕ちつつあるマイキャラクター。このままでは、最終回にオルゴールを聴きながら幻覚に向かって微笑むようなことになりかねませんので、せめて「浜辺でほげぇー(メイド付き)」という状況に持っていけるよう頑張りたいと思います。
プレイ当時に設置していたウェブサイトを再構成したものです。