項目 | 設定 |
---|---|
過去 | 母は娼婦で、父がだれかわからない |
現在 | 最近失恋した |
家族 | ひとりっ子である |
外見 | 悠揚としている |
外特 | 背中に特徴的な傷がある |
癖 | 人差し指をたてて横に振る |
将来 | 愛する人と幸せな家庭を築きたい |
嗜好 | 気分のよいこと、気持ちのいいことが好き |
異性 | 同種族の美人が好き |
嫌い | 偏見は嫌い |
感情 | フェミニストである |
理性 | 困っている人をほうっておけない |
交渉 | お軽いキザで、何処からか花を一輪出す |
行動 | すぐにとぼける |
自由 | 指輪(カースドリング)は父からの贈り物(と教えられている) |
MT4『サイコマスターズ AD2077.J-File』の終了後、風媒花マスターがMT5に追加マスターとして参加することが判明したため、追加登録したキャラクターです。『サイコマスターズ』の奥瀬静香と同じように風媒花マスターから設定が追加されることを期待し、「父がだれかわからない」、「背中に特徴的な傷がある」、「指輪(カースドリング)」といった何かを匂わすような設定を選択しています。
――と、期待に胸を膨らませてゲームに参加したのですが、風媒花マスターの海外転勤により、第4回をもってマスター交代が発生。それまで「ですます調」で話していたNPCが「ふざけるなぁ!」「お前らなぞ、さっさと出て行け!」
といった発言をしたり、固有名詞やPCの名前が間違っていたり、PCが使用できない魔法を使ったり、設定と逆の発言をしたりしていまして、「きちんと引継ぎはされているのか?」と不安を感じる状況に陥りました。その後、交代前はシナリオからPCに絡んでくるように話が進んでいたのに対し、交代後はシナリオがPCを拒絶しているとしか感じられないようになり、他のプレイヤーさんとの交流の際には、マスタリングへの不平不満しか耳にしないし、口にしないという状況になりました。
ちなみに、迷いの森を抜けてようやくブランチ移動ができるようになった次の回(第7回)の「マスター通信」に書かれていたのは、次のこと。
今月、プレイングシートを受け取った時に、一番最初に思ったこと。
「‥‥減ってないな」
◇◇
皆さん、こんにちは。今月は、参加人数が半減すると思っていたのですが、意外にも、ほとんど減っていなかった。
前任の風媒花マスターと異なる方針やり方になったので、合わない人は出ていくのではと考えていましたが‥‥。
プレイヤーの不平不満を認識していながらブランチ移動を禁止していたのかと問いたい。問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
話は全く変わりますが、名前の「マクダラン」は、『月刊OUT』1987年1月号の『ヨモスエ警備隊』で取り上げられた『スカーレット マクダラン』が元ネタです。『アラベスク#1 サファールの帰還』のシアルト・コロニーと同様に、私が元アウシタンであることをさりげなくアピールする狙いがあったのですが、残念ながら反応してくれた方はいませんでした。
- スカーレット マクダラン
なお、上記記事の冒頭で「燃えたッ!!」
と発言されている須田氏は、後に『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』や『仮面ライダーW』の脚本を担当される三条陸氏です。仁最氏に「君、その想像力を他のことに使ったらもっと出世するぞ」
と言われていますが、見事、その通りになったと言えましょう。
霧が動き、なにかをかたどり始める。
背筋を何かが通り抜けた時、それは周囲を覆いはじめた。無数の靄が森を包み込む。
痛い、痛い‥‥。
騎士だ、騎士だ‥‥、我らの仇‥‥。
どこから聞こえるとでもなく耳に運ばれてくる怨嗟のすすり声、品定めでもするかのような無数の視線が体を犯す。
少し違うようだよ‥‥、関係ないさ、我らの眠りを妨げるもの‥‥、そう憎い奴ら‥‥。
憎い‥‥憎い‥‥。
霧が悪鬼の微笑みを描き、アーネス隊に牙をむいた。
リューン・セイハールは警戒しつつ、目で村人の姿を追った。
「計られたか」
村人の姿はどこにもなかった。
「どうして霊が‥‥」
彷徨える魂、主の身元に行くことすらも拒まれた悪しきものども。
「アテー・マルクト・ヴェー・ゲヴラー・ヴェー・ゲドゥラー・レェ・オウラーム・エイメン」
ソランジュ・デルネッシュが聖句を唱える。
霊の顔がゆがむ、それは苦痛とも怒りともとれた。
ユピタ・ユーノの乗っていた馬が、突然狂ったように立ち上がり、耳と目と鼻、体中の穴という穴から、血を吹きだし地面に倒れた。
幾度か地を掻いた後それは、動かなくなった。
「大丈夫か」
地に投げ出された、ユーノにアルス・マクダランが手を差し伸べる。
その指には、錆色の指輪が収まっていた。
アーネス隊に新たに加わった二人である。
ユーノが、アルスの助けを借りて立ち上がる。
「落ち着くんだ、ブラック」
その横でレイナート・ブランドルが、怯え暴れようとする愛馬、ブラック・ウィンドを必死で宥めていた。
陽の光が、下生えを照らす。
冬だというのに、この地だけは柔らか日差しを投げかけ、木々は恵みを享受していた。
ここにいると、鉄に身を包む自分たちがみすぼらしく思えた。
時折、村人がすれ違い、ケテルに挨拶をして通りすぎていく。
彼らの眼に、自分たちはどのように写っているのだろうか。
「ねえ、アルスあの小山なんなのかな」
陰気な森を抜け、ご機嫌なリ・ポーラが遠くを指差す。
動くたびに、両手の銀鈴が鳴った。
「ただの丘じゃないのか」
霞むような距離だ。かなり大きな丘だということは想像できた。
「でも、入り口から人がでいりしているよ」
「よく見えるな」
「人が出入りしているのか」
腕がわきから、にゅっとでてきてリ・ポーラの肩を驚づかみにする。
クルセイド・ガテンである。
嫌な冷たさが、リ・ポーラに流れてきた。
「!?」
「え、どうなんだよ」
左右に揺さぶる、まるで猫か何かのような扱いである。
嫌な感触とあいまって、目が回り吐き気を覚える。
「この子は俺の連れだ、放しな」
クルセイドの手首をアルスが、力をこめて握る。
「くっ‥‥、わかったよせいぜい夜は気をつけることだな、色男さんよ」
捨て台詞を残し、クルセイドが去る。
「大丈夫か?」
アルスがリ・ポーラの頭をなでる。
その手を振り払い、
「この子って何よ、私の方が年上なんだからね」
つんと、前を向き直る。
「そりゃ失礼」
アルスが微笑む。前を向いたリ・ポーラの耳は、真っ赤になっていた。
「‥‥ありがと」
小さく鈴の音がなった。
「おいおい、あんたももうちっと、女らしくできないもんかね?」
セアラの褐色の肌には、無数の細かい傷跡が見える。
その肌を内側から、太い筋の束が押し上げている。
「もとは、悪くないんだからさ」
アルス・マクダランの軽口に、セアラは少しも動じたどころはない。
「おおきなお世話ってもんだね」
「そんなんじゃ、嫁の貰い手もなくなっちまうだろう?」
びくりと、肩の筋肉が揺れた。
ゆっくりと顔を、アルスの方に向けにっこりと微笑んだ。
『お、笑うとなかなか‥‥』
思ったのもつかの間、
「ちっとは、その口を塞いだらどうだい、おしゃべり男!! 自分じゃ塞げないってんなら あたしが塞いでやろうか!?」
柳眉を逆立て、指をアルスの顔に突きつける。
「おお、恐い」
後ろを向き、駆け足で離れる。
「あ、そうそう。あんた笑うとなかなか可愛いぜ」
耳もとを、矢が走っていった。
「次はないよ!!」
今度は本気で走って逃げた。
沐浴を終えた躯、濡れた髪から水が大気に溶けていく。
二の腕から、肩にかけての筋肉が隆起する。
引き絞られた弦が小さく鳴きつがえられた矢が一つふるえる。瞳はまっすぐ向けられている。
指が弦を弾いた。乾いた音をたて、矢はあやまたずに、古木の幹へと刺さった。そこには、もう幾本もの矢が生えている。
再び矢をつがえた。狙っているのは幹ではない。ゆっくりと体の向きをかえ、背後の灌木に狙いを定めた。
「いやあ、お見事お見事」
アルスの頭髪をかすめ、矢は茂みの奥へと消えた。
「いつから覗いていた」
「ついさっき、来たばかりだよ」
たわめていた息を吐いた。そして、弓をおろす。
「おまえさん、騎士になにか恨みを持っているようだが、何か理由でもあるのかい?」
「聞いたらあんたが、なにかしてくれるっていうのかい」
「そりゃ、聞いたあと考える」
くすりと、セアラが小さく笑った。
「あたしが、まだものごころついて間もない頃だ、村に騎士達がやって来た。始めは森に迷ってしまったということだった。村の者は、今のお前達のように、奴らを受け入れた。それなのに奴らは、村を荒らした。誇り高き父はそのまま、帰らず、優しかった母は‥‥」
その光景は、心の奥底に焼き付いているのだろう。静かに話し始めたセアラの声に、怒りがにじんでいた。
「その後、どうなったんだ?」
「あんたらの親玉に聞けば?」
セアラの腕をとった。筋肉の束の浮き出た腕。
細かな、そしていくつかのひきつった傷の残った腕。一番下のイリアは別としても、他の二人の姉妹のものとは、明らかに違う。
「やめろよ。汚ない」
「俺は、そうは思わないね」
右手に握った腕を、強くひいた。そのままセアラの背へと左手をまわす。
鈍い音。そして、くぐもった声。
「母が、息を引き取る前に言った。『彼らはもう帰ってこない。あなた達が祈りを忘れなければ月の精霊が守ってくれる』と。精霊が守ってくれているのはわかる。でも祈っているだけでは、駄目ね」
下生えを踏む音が、遠ざかっていった。
代わりに鈴の音が近づいてきた。
「てめえ、始めから見てたのか!!」
アルスの体がくの字に折れ曲がり、地に膝をつく。空気は外にでるばかりで中に入ってこない。
「出歯亀野郎!!」
「アルスったら鼻の下のばして、何よ。美人を見るとす~ぐこれだもの」
リ・ポーラの足の下でアルスが呻く。
「ふっ、照れた仕草も可愛いじゃねえか‥‥」
あきらめ気味に、ポーラが腕を広げた。