六年生になったばかりの大谷ゆりは憂鬱だった。
クラスの係を決める投票の結果、絶対になりたくないと心の底から思っていた係を、押し付けられてしまったからだ。
その係とは「エイリアン対策係」。
つぎつぎと学校に飛来する異世界生物を捕らえ、倒す、とてつもなくハードでデインジャラスな係だったのだ…!
近未来スクール「第9小学校」を舞台に、エイリアン対策係の少女3戦士の活躍を、まったく新たなビジュアルイメージで描く「エイリアン9」。
待望の第1巻は、SFコミックの新世紀到来を告げつつ、堂々ここに登場する!
18才になったばかりのアンジェリークは憂鬱だった。
王国の役職を決める協議の結果、絶対になりたくないと心の底から思っていた役割を、押し付けられてしまったからだ。
その役割とは「マリア王女の替え玉」。
つぎつぎと王国を襲う難題に対処し、解決する、とてつもなくハードでデインジャラスな役割だったのだ…!
異世界「エスペランサ」を舞台に、バレンティア王国の少女3人の活躍を、まったく新たなマスタリングで描く『デモンスリンガー』。
待望の第1回は、ネットワークRPGの新世紀到来を告げつつ、堂々11月に登場する!
――――春が、すぐそこまで来ていた。
「風、また少し暖かくなったね」
ゆるやかに吹く風を受け、髪をおさえながら、あかりが言った。
高台にある高校へと続く坂道。
オレたちは、まばゆい木漏れ日の下を通り抜ける。
影から出た途端、まぶしい陽射しが体を貫く。
オレは目を細め、空を見上げた。
どこまでも広がる、限りなく澄んだクリアブルーの空。
両手を伸ばせば、その青に溶け込みそうな……そんな気がした。
――――光が、すぐそこまで来ていた。
「ヴァルキリーバニッシィィィング!!」
禍々しく吹く風を纏い、ヴリドラを掲げながら、クレアが叫んだ。
ヴェルド帝国との境にあるアーデル駐屯地。
オレたちは、血塗られた大地の上を戦い続ける。
魔剣が輝いた瞬間、紅い光が体を貫く。
オレは目を細め、空を見上げた。
どこまでも広がる、限りなく澄んだワインレッドの空。
両手を伸ばせば、その紅に溶け込みそうな……そんな気がした。
あぁっ! こ、これは……。スクール水着プレイ、オプション追加料金7,000円。
あぁっ、まさか、まさか、重要な仕事を依頼しようとしている相手が、このような異常性癖の持ち主であったとは……。子供相手に信じられん! 俺なら断然巨乳の女。外国映画女優で言うと、イザベル・アジャーニがいいのに。しかし、この男以外にこの難事件を頼める相手が他にいないのも確かだ。事件解決のため、俺はあえて社会道徳をかなぐり捨てて、見て見ぬふりをしなければ!
そ、そうなのだ。これは超法規的措置。
ひとりの不幸な少女の人生をあえて、あえて見て見ぬふりをするのだ。あー! 最低だ最低だ。俺はなんと最低な海上保安庁職員だ。故郷の母親よ、別れた女房よ、女房に引き取られているマイルドな性格の息子よ。この秋月郁の魂の選択を、笑わば笑え!
見なかったことにしよう♪
あぁっ! こ、これは……。メール送信サービス、オプション追加料金3,000円。
あぁっ、まさか、まさか、これから参加しようとしているPBMが、このように異常な価格設定のゲームであったとは……。さらに会誌同梱とは信じられん! 俺なら断然会誌は別料金。別会社で言うと、ホビー・データがいいのに。しかし、この会社以外に参加者を募集しているPBMが他にないのも確かだ。PBMライフ確保のため、俺はあえて金銭感覚をかなぐり捨てて、見て見ぬふりをしなければ!
そ、そうなのだ。これは超法規的措置。
高額な価格設定と抱き合わせ販売とをあえて、あえて見て見ぬふりをするのだ。あー! 最低だ最低だ。俺はなんと最低なPBMゲーマーだ。『大航海時代』のアニさんよ、『FF11』のドリキャス君よ、『ラグナロクオンライン』に去った忍者氏よ。この須賀和良の魂の選択を、笑わば笑え!
見なかったことにしよう♪
ヤバイ。宇宙ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
宇宙ヤバイ。
まず広い。もう広いなんてもんじゃない。超広い。
広いとかっても
「東京ドーム20個ぶんくらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ無限。スゲェ!なんか単位とか無いの。何坪とか何㌶とかを超越してる。無限だし超広い。
しかも膨張してるらしい。ヤバイよ、膨張だよ。
だって普通は地球とか膨張しないじゃん。だって自分の部屋の廊下がだんだん伸びてったら困るじゃん。トイレとか超遠いとか困るっしょ。
通学路が伸びて、一年のときは徒歩10分だったのに、三年のときは自転車で二時間とか泣くっしょ。
だから地球とか膨張しない。話のわかるヤツだ。
けど宇宙はヤバイ。そんなの気にしない。膨張しまくり。最も遠くから到達する光とか観測してもよくわかんないくらい遠い。ヤバすぎ。
無限っていたけど、もしかしたら有限かもしんない。でも有限って事にすると
「じゃあ、宇宙の端の外側ってナニよ?」
って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
ヤバイ。VOLKSヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
VOLKSヤバイ。
まず死ぬ。もう死ぬなんてもんじゃない。超死ぬ。
死ぬとかっても
「初回だから2人くらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろ6人。スゲェ!なんか容赦とか無いの。顔見せとか居場所探しとかを超越してる。3割超死ぬ。
しかもこれでも減らしたらしい。ヤバイよ、殺しまくりだよ。
だってホビー・データとか初回は殺さないじゃん。だって初心者がPBM見限ったら困るじゃん。参加者とか超少ないとか困るっしょ。
プレイヤーだって、作成のときは1週間掛けたのに、リアクションには一行登場しただけで死亡とか泣くっしょ。
だからホビー・データとか殺さない。話のわかるヤツだ。
けどVOLKSはヤバイ。そんなの気にしない。死にまくり。最も遠い陣営の者が読んでも怖くなるくらい死ぬ。ヤバすぎ。
死ぬっていったけど、もしかしたら重傷かもしんない。でも重傷って事になると
「じゃあ、自由な再登録の方がマシか?」
って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
諸君、私は戦争が好きだ。
諸君、私は、戦争が好きだ。
諸君、私は、戦争が大好きだ。
殲滅戦が好きだ。
電撃戦が好きだ。
打撃戦が好きだ。
防衛戦が好きだ。
包囲戦が好きだ。
突破戦が好きだ。
退却戦が好きだ。
掃討戦が好きだ。
撤退戦が好きだ。
平原で、街道で、塹壕で、草原で、凍土で、砂漠で、海上で、空中で、泥中で、湿原で、この地上で行われるありとあらゆる戦争行動が大好きだ。
戦列をならべた砲兵の一斉発射が、轟音と共に敵陣を吹き飛ばすのが好きだ。空中高く放り上げられた敵兵が、効力射でばらばらになった時など、心がおどる
戦車兵の操るティーゲルの88mmが、敵戦車を撃破するのが好きだ。悲鳴を上げて燃えさかる戦車から飛び出してきた敵兵を、MGでなぎ倒した時など、胸がすくような気持ちだった。
銃剣先をそろえた歩兵の横隊が、敵の戦列を蹂躙するのが好きだ。恐慌状態の新兵が、既に息絶えた敵兵を何度も何度も刺突している様など、感動すら覚える。
敗北主義の逃亡兵達を街灯上に吊るし上げていく様などは、もうたまらない。泣き叫ぶ捕虜達が私の振り下ろした手の平とともに金切り声を上げるシュマイザーにばたばたと薙ぎ倒されるのも最高だ。
哀れな抵抗者達が、雑多な小火器で健気にも立ち上がってきたのを、80cm列車砲の4.8t榴爆弾が、都市区画ごと木端微塵に粉砕した時など、絶頂すら覚える。
露助の機甲師団に滅茶苦茶にされるのが好きだ。必死に守るはずだった村々が蹂躙され、女子供が犯され、殺されていく様は、とてもとても悲しいものだ。
英米の物量に押し潰されて殲滅されるのが好きだ。英米攻撃機に追いまわされ、害虫の様に地べたを這い回るのは、屈辱の極みだ。
諸君、私は戦争を、地獄の様な戦争を望んでいる。
諸君、私に付き従う大隊戦友諸君。君達は、一体何を望んでいる? 更なる戦争を望むか? 情け容赦のない糞の様な戦争を望むか? 鉄風雷火の限りを尽くし、三千世界の鴉を殺す嵐の様な闘争を望むか?
「戦争!!」
「戦争!!」
「戦争!!」
よろしい。ならば、戦争だ。
我々は、満身の力を込めて、今まさに振り降ろさんとする握り拳だ。だが、この暗い闇の底で半世紀もの間、堪え続けてきた我々に、ただの戦争ではもはや足りない!!
戦争を!! 一心不乱の大戦争を!!
我らはわずかに一個大隊、千人に満たぬ敗残兵に過ぎない。だが、諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している。ならば我らは、諸君と私で総力100万と1人の軍集団となる。
我々を忘却の彼方へと追いやり、眠りこけている連中を叩き起こそう。
髪の毛をつかんで引きずり降ろし、眼を開けさせ思い出させよう。
連中に恐怖の味を思い出させてやる。
連中に我々の軍靴の音を思い出させてやる。
天と地のはざまには、奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる。
一千人の吸血鬼の戦闘団で、世界を燃やし尽くしてやる。
第二次ゼーレーヴェ作戦、状況を開始せよ。
征くぞ、諸君。
諸君、私は委員長が好きだ。
諸君、私は、委員長が好きだ。
諸君、私は、委員長が大好きだ。
眼鏡が好きだ。
豊乳が好きだ。
おでこが好きだ。
タレ目が好きだ。
関西弁が好きだ。
久川声が好きだ。
三つ編みが好きだ。
切れっぷりが好きだ。
彼女の憂鬱が好きだ。
モニターに、テレビに、マニュアルに、パンフレットに、ポスターに、マウスパッドに、カレンダーに、ゲーム雑誌に、設定本に、アンソロジーに、この地上で描かれるありとあらゆる委員長が大好きだ。
ベンチに掛けた委員長の後ろ姿が、吐息と共に理性を吹き飛ばすのが好きだ。長く放置されていた肩こりが、肩揉みでばらばらになった時など、心がおどる。
操作桿を操る塾帰りの委員長が、プライズマシーンを蹴飛ばすのが好きだ。悲鳴を上げて賑やかな店内から飛び出してきた従業員を、関西弁で言い負かした時など、胸がすくような気持ちだった。
深夜の風呂場で主人公の両手が、委員長を蹂躙するのが好きだ。興奮状態の主人公が、既に紅潮した委員長を何度も何度も揉んでいる様など、感動すら覚える。
男物のシャツをシャワー上がりに羽織っている様などは、もうたまらない。身悶えるプレイヤーが彼らの押したボタンとともに久川声で喋る委員長にばたばたとハマっていくのも最高だ。
弛んだ主人公が、夏の浜辺で愚かにも涼んでいたのを、アオリ構図の88cm乳爆弾が、眠気ごと木端微塵に粉砕した時など、絶頂すら覚える。
関西の友達に滅茶苦茶にされるのが好きだ。必死に守るはずだった友情が壊れ、希望が崩され、泣き崩れていく様は、とてもとても悲しいものだ。
3人組の嫌がらせを受けて黄昏れているのが好きだ。ノートに落書きされ、いじめられっ子の様に独り屋上に佇むのは、屈辱の極みだ。
諸君、私は委員長を、至極の様な委員長を望んでいる。
諸君、私が付き従う普及委員会諸君。君達は、一体何を望んでいる? オフィシャルの委員長を望むか? 藤島康介が描く浜辺の委員長を望むか? 眉目秀麗の限りを尽くし、三千世界のオタクを萌やす結城心一の委員長を望むか?
「委員長!!」
「委員長!!」
「委員長!!」
よろしい。やはり、委員長だ。
我々は、満身の力を込めて、今まさに抱きしめんとする両の掌だ。だが、この堅いモニターの外で5年もの間、堪え続けて来た我々に、ただの萌えではもはや足りない!!
委員長を!! 一心不乱に委員長を!!
委員長はわずかに1キャラクター、10ある物語の中の1エピソードに過ぎない。だが、委員長は一世一期のシナリオだと私は信仰している。ならば我々は、PCとPSで総日数132日と2回の人生を楽しめる。
委員長を忘却の彼方へと追いやり、他キャラクターに転んでいる連中を叩き起こそう。
髪の毛をつかんで引きずり降ろし、眼を開けさせ思い出させよう。
連中に砂糖とミルクの味を思い出させてやる。
連中に彼女の憂鬱のメロディを思い出させてやる。
痕と白バムの間には、奴らの心を揺さぶったキャラクターがいた事を思い出させてやる。
一千分の委員長との恋愛譚で、世界を萌やし尽くしてやる。
大好きともこ作戦、状況を開始せよ。
逝くぞ、諸君。