ハーブロークの一村を治めるシュタイナー家の長子。6年前に結婚し、4才の娘と1才の息子がいる。2年前に流行病で亡くなった父から腕輪を継承し、名実共に領主となった。質素だが、平和で幸せな暮らしを送っている。剣の腕は天龍を倒したという1世に比すると謂われている。
幸せは、剣と炎により一夜にして失われた。残ったのは、左腕の腕輪のみ。悲しみ、絶望、後悔は出尽くした。失ったもののためにも、信念を貫こうとする。
天龍の珠の欠片とされる淡く輝く宝石が埋め込まれた腕輪。使用者を瞬間転移させる力を持つ。天龍の呪いか、一度身に付けると腕を侵食して融合し、外すことができなくなる。
家族や家柄といったキャラクターが守るべきものを設定した結果、アクションの幅が非常に狭まることになった『東奉幻獣記』の反省から、「守るべきものを失った」という初期設定にしたところ、シナリオ内に「死者蘇生」や「時間遡航」といった「失ったものを取り戻せるガジェット」が出てきたため、それらに拘りまくることになったキャラクターです。といいますか、それらのガジェットに対する突っ込みを入れていたら、ゲームが終わってしまいました。
キャラクター一覧のとおり、私はPBMでは女性キャラクターをプレイする傾向が強いのですが、実はTRPGでは男性の戦士系キャラクターをプレイするのが好き、というか一番楽だったりします。そして、このキャラクターを久しぶりの後者として設定したのは、いずれキャラクターチャットに参加することを目論んでいたためだったのですが、目論見は目論見のまま終了することになりました。実は私、ゲームの外でロールプレイを行うことに全然楽しみを見いだせないのです。
明日の準備のために本日は休みを取った。
のだが、別に何もすることがないので、自由に自分の時間を過ごすことに。そして幾つかのサイトを巡回した結果、昨日までは参加する気などこれっぽっちもなかった『英雄×勇者×救世主』に突発的に参加することを決定し、速攻で入金を済ませた。キャラクター登録締切は月曜日。明日明後日は時間を取れないだろうから、今日中にキャラクター作成も行うことにする。
『ダブルクロス・リプレイ』の影響から、一人称が「僕」の幾分内向的な男の子にしようと思ったが、10秒で撤回。TRPGでは最初から自分が主役であることが分かっているため演技を重視できるし、シナリオから絡んでくることを期待して内向的な性格にすることもできるが、PBMではシナリオに絡みやすいかどうかの方が重要であろう。シンジ君はパイロットであり、主役だからこそ、あれが認められるのだ。
さて、PBMでは女性キャラクターが多い私だが、「3年で主役を狙えるチームにしてみせます!」と、今回は男の騎士を選択。『Fate』の主人公&アーチャーに影響されただけ、という気がしないでもないが、TRPG的にはプレイしやすいタイプのキャラクターゆえ、手段に困ることはあっても動機に困ることはないであろう。おちゃらけてない男性戦士をプレイするの、『アラベスク#1』以来だがな……フフフ……。
スペシャリティーは、「榊マスターの第0回シナリオで如何に活躍するか?」というところから作成。ちなみにこの第0回、「エリアBにおいてのもう一つの最終回。最悪の道を辿ってしまった場合の終末という位置づけ」
だったりするが、果たして本編で最終回まで生き残ることができるのかはかなり微妙である。
それ以前に今日入金したところで、第0回に参加できるのかもかなり微妙なのだが。
土曜の朝に送信した『英雄×勇者×救世主』の設定判定が届きました。
結果は全て○。スペシャリティーに“瞬間転移”というかなり便利な能力を設定しましたので、没になることも考えていたのですが、杞憂に終わり一安心。ちなみに今回、「剣術×3」という一点集中型にしているのは、スペシャリティーの設定が没になった場合、一律でスペシャリティーの道具が「剣」になってしまうことを考えてのことです。「弓術×3」などにして、スペシャリティーの弓が没になったりしたら目も当てられないではありませんか。
と、それはともかく、これでようやくアクションを考えることができます。
前回までの状況を再確認しますと、拠点を敵対勢力に囲まれ、その戦力差は絶望的。魔封じの結界を張られているため外部との接触も不可能です。正直、PBMをプレイしてきた中でこれほど四面楚歌と言う言葉が似合う状況に出会ったことありません。唯一の希望は、敵がまだアーウィンが影武者だということに気付いていないことでしょうか。起死回生の逆転劇があるとすれば、彼女が『王の帰還』のようにミアリドルアの森のエルフ勢を連れてくることですが、それは楽観的にすぎますし、少々興醒めです。彼女がいるリタスモに一部のPCが向かったという個別リアクションが出ているという噂も聞きますが、市民、噂は反逆です――ではなくて、彼女が隠れている理由がうちのキャラクターの子供を身籠もってるためだということを考えますと、信憑性はかなり低いと思われます。それにせっかくの最悪の状況です。この状況をこそ楽しむべきでしょう。
といった脳内ストーリー全開の素敵アクションが今回多数寄せられると思うのだが、榊マスターがそれらを如何に捌いてくれるのか、非常に楽しみである。
『キャラクター設定の修正』(¥500)なんてサービスが追加されてるのは、何かの陰謀ですか。
ふと思い立ち、『英雄×勇者×救世主』のリンク集を作ることに。
『DC2』の方はそれなりに利用して貰えたと思っているのだが、同じように掲示板や事典を設置するかは未決定。基本的に「他の人が既に作っているコンテンツを新たに作る必要はない」という考えのため、一通り関連サイトを見て回ってから、その辺りは決めることにしようと思う。
ちなみに『DC2』は、ゲームが終了して既に半年以上経っているが、なんとなく閉じるタイミングを逸してしまったという理由により設置したままとなっている。結構荒れた書き込みが多くなされた時期もあり、「IPアドレス、全部晒したろか?」という衝動に駆られたりもしたが、自浄作用に任せておいたところ、とりあえず落ち着いたようだ。単に飽きただけという可能性も高いが。
とそれはさておき、各掲示板やリンク、Google等で『英雄(略)』のことが話題になっているサイトを検索。なんとか以下のような形にまで仕上げることができた。
30以上のサイトが見つかったわけだが、これって商業PBMだった『デモンスリンガー2』より多くありませんこと奥様? なんとなく腑に落ちない物を感じつつ、さらに各サイトに専用コンテンツが存在するかを確認していったところ……
既に、『TED's WebSite!!』に全網羅に近いリンク集があることに気付き、愕然とする。
しかも、うちのサイトが載っていますよ? さらに昨夜アップしたばかりのキャラクターデータのことまで載っていますよ? いったいどんな情報網を持っているというの……TED、怖い子……! と驚愕していたら、どうやら私が作業を行っていた間に、Googleのキャッシュが更新され、検索に引っ掛かるようになっていた模様。というか、作成意義を半分以上失ってしまったような気がするので、ひとまず作業を終了し、泣き濡れて蟹と戯ることにした。
と言いつつ、密かにアップしていたりするので、興味がある方はアドレスを推察して覗いてみて下さい。
「お前はよくやった。さぁ、森に帰ろう」
本日は、『英雄×勇者×救世主』の第0回リアクション発送日。
と言っても、私が参加していたBブランチ(エリア)は、榊マスターのパソコンがウィルスに感染したり、予想を超えて人数が集中したことにより、早くも遅延となっています。「Bブランチの参加者は100人を超えているのではないか」
という噂がある一方、「Cブランチは10人だった」
という話も聞こえており、早くも「ブランチ移動」という言葉が脳裏をよぎったりしているのですが、何はともあれ――市民、噂は反逆です。
いや、やはり、ブランチ移動は他の方がしてくれることを期待しましょう。第一、私のキャラクターはBブランチに投入することを前提に作成したものです。初期情報を読みますと、Bブランチのキーワードは“騎士”ということで、「騎士だから戦うのか。人だから騎士になるのか」
「騎士にとって主君の命は絶対だ」
といった文章が見受けらます。これに対して、「主君と騎士って、貸地と庇護に対する武力提供を基本とした契約関係だろ? 絶対忠誠なんて話、どっから出てきたんだ?」というスタンスでアーウィンに絡んでいこうと思っていたわけですし。
とか予定を立てて、その通りにプレイできたことなどまるでないわけですが。
最後の賭けもゲイルロードを討つには至らなかった。
もは彼らに打つ手はない。
勝敗は決したも同然だった。
「みんな……みんな死んでしまった。あああ……」
戦場でセピア・プラタナスが涙する。
「アーウィン、貴方のせいだ。貴方がこんな戦いを始めなけば……」
「やめなさい」
冥王オリエがセピアの言葉を遮る。
「この世界はなかなか楽しかったわ。でもこのままゲームオーバーを迎えるのは忍びない」
言って、アーウィンに携帯電話と伝説のアイテムである鍵を手渡す。
「お逃げなさい。その鍵は異世界への扉を開くという言い伝えがあるわ。携帯には私のメッセージが入っている。もし運良く向こうの世界に行くことが出来たなら、我が冥王グループがきっと力になることでしょう」
オリエはもとの世界では巨大な複合企業の令嬢であったと言う。アーウィンがあちらの世界に行くことは難しいだろうが、わずかな期待を託しての選択であった。
「逃げ道の心配はない」
アルベルト・シュタイナーは剣を取ると、自らの腕にその刃を押し当てた。
「アルベルト……!」
アーウィンが息を飲む。
アルベルトは切り取った腕を、それに同化するように填められた腕ごとアーウィンに差し出した。
「この腕輪は俺にしか使えなくてね。こうする他になかったのさ。こいつは思う場所に使用者を転移させることが出来る。これを使って戦場の外へと逃げろ」
「思う場所に……」
アーウィンは腕輪を見つめる。
「早く」
「それは……出来ない」
「なんですって」
オリエが厳しい視線をアーウィンへと投げかける。
「リーダーの役割は玉砕することじゃない。全てを投げ打ってでも目的を達成することだわ。それがどうして分からないの」
「そうだ、ここで一矢報いたとしても、後に続くものがいなければそれは自己満足に過ぎない。今までの事を無にしないためにも、お前には次の英雄達を束ねてもらう必要があるんだ」
アルベルトがアーウィンの肩を掴む。しかしアーウィンは首を横に振るだけだった。
「我侭は充分承知している。だがゲイルロードは、彼らは私の仲間なんだ。決着は仲間であるこの私の手でつけてやりたい。リーダー失格といわれても仕方がない。それでも……すまない。私の我侭を許して欲しい」
確かにアルベルトの腕輪を使えばゲイルロードのもとへ辿り着くことが出来よう。
しかし、彼女をみすみす死なせる為にこの腕輪を託したのではない。
俯くアルベルトにオリエが呟く。
「行かせて、あげよう」
何を馬鹿な、とアルベルトが振り返る。
「私も……責任ある立場として叶わぬ望みがあった。そのときのことを思い出したわ」
誰が分かってやろうとした。アーウィンの孤独とその想いを。
アルベルトはアーウィンの前から一歩退いた。
「一度だけだ」
顔を伏せたままでアルベルトが告げる。
「一度だけ我侭を許してやる。だがその後はリーダーの責任を果たしてもらうぞ。いいな」
「すまない」
戻れるはずのない一騎討ちにこの約束。アルベルトの優しさを感じながら、アーウィンはゲイルロードのもとへと跳躍した。
「俺は、馬鹿だな」
ぽつりとアルベルトが呟いた。
起床後にメールをチェックしたところ、『英雄×勇者×救世主』のリアクションが届いていた。
今回のBブランチは3つのリアクションで構成されており、その合計分量はホビー・データ形式でA4横15ページ強。「多いっす。多すぎるっす」と早くも挫け、検索機能を用いて自分のキャラクターの登場シーンだけを読むリトル駄目プレイヤーなワシ。
続いて各関連掲示板を覗いて回ったのだが、何処にも書き込みがされていない。まだ他の人もリアクションを読んでいる最中なのだろうか。と思いつつ、メールの到着時刻を確認すると深夜2時47分。そして、現時刻は3時38分。「そりゃ、誰も書き込みしてるわけなかんべや」とリアクションを最初から読むことにした。
アイテムの転移能力で、アーウィンを戦場から逃がす。
アイテムの転移能力で、アーウィンがゲイルロードとの一騎打ちに突入する。
と、私のアクションはまるっきり逆の結果をもたらしたが、これは予想の範囲。しかし、ゲイルロードへの道を切り開かんとして多くの人達が散っていった末に結局アイテムの力で解決というのは、自分のキャラクターが導いた事ながら「いいのか、それで」とも思ったり。「そんな便利なものがあるのなら最初から使えよ」という突っ込みが多方面から聞こえて来そうである。
さて、今回のリアクションで多くの情報が提示された。「第0回はエリアBにおいてのもう一つの最終回」
という位置付けのため、第1回からのアクションにキャラクター情報として使用することは一切できないが、プレイヤー情報としてはまさしく宝の山。以前から「全ての設定が開示されているシナリオをプレイしてみたい」と思っていため、非常に楽しみである。「キャラクターは知らないがプレイヤーは知っている」という状況だからこそ、物語上の立場を明確に定め、役割を演じていけると思うのだ。
……いや、さすがに70人以上キャラクターがいるとちょっと無理かなー、とは思いますが。
本日は、『英雄×勇者×救世主』の第1回アクション締切。
アクションの骨子は既に固まっている。これから物語の主軸となるだろうNPCの立場と考えを確認する、というものだ。このNPC、第0回リアクションにおいて、最終局面だというのにかなり甘いことをのたまっていたのだが、これを本番でどこまで変えることができるのか。それが今回の自主的課題である。
さて、脳内文書をエディタに打ち込むに当たり、一応、最終確認ということでオフィシャルサイトの各種設定を読み返すことにした。そして、おもいっきり勘違いしていた事項を発見。_| ̄|○ 一瞬、目の前が真っ暗になったが、目的語を替えたりすることでなんとか修正を完了する。しかし、初回から不本意なアクションを掛けることになるとはなんと屈辱的なことであろうか。いや、私が悪いんですが。
ちなみに『英雄×勇者×救世主』のアクションのプロット欄は、600文字制限となっている。だが、私にかような分量は不要である。簡潔で、要点を絞った、一点集中ゆえ指先なアクションの構築を目指しているからだ。そう、『デモンスリンガー2』に引き続き、150文字もあれば十分であろう。
結果、400文字オーバー。_| ̄|○
初回から不本意なアクションを掛け(ry
「次!」
アーウィンの凛とした声が訓練場に響く。
周囲には若き騎士たちが、木に布を巻いた棒を手に、甲冑姿で待機している。
アルトゥースの城では頻繁にこうしてアーウィン自身による剣技の指導が行われている。しかしこの日は少し様子が違っていた。
加減を間違えたのか、頭をこぶを冷やしている騎士が一人、鎧を外してわき腹を押さえている者が一人。普段は指導として寸止めを心がけているアーウィンらしからぬミスである。
次に誰が出るのかと騎士たちが躊躇していると、
「俺も手合わせ願えるか」
名乗り出たのはアルトゥースにやってきた英雄の一人、アルベルト・シュタイナーであった。
そこにある木の剣を取る。
「三大騎士と俺、実力にどれだけの開きがあるか見てみたい」
「全力で来い、と言う事だな」
アーウィンがすいと構える。英雄対三大騎士。
滅多に見られぬ対決に騎士たちが唾を飲んで静まり返る。
激しい打ち合いに、木剣が火花を散らしそうだ。
しかしアルベルトは軽い失望を覚えていた。
(互角に打ち合える。俺の実力のせいではないな。アーウィンが全力を出し切れていないのか)
あえて力づくでアーウィンを押し込む。
「確認しておきたい」
「何だ」
「お前のその覚悟をだ。王命に背く立場を取り続ければ、無関係な者も死に至らしめることになるだろう」
びく、とアーウィンの肩が震えたように見える。
「また、アルベリッヒやゲイルロードだけを討つというなら、俺達の首を差し出して、一度王国軍に戻ると言う手もあるな」
「そんなこと……出来ると思うか!」
「何が違う。これなら流れる血は最小限だ」
アーウィンは剣を弾いて距離をとった。
(確かにアルベルトの言う通りだ……)
酷い酩酊感があった。
(しかし、どうしてもそれが選べぬ自分がいる。これは一体なんなんだ)
「お前は選択出来る」
アルベルトが告げた。
「道は閉ざされはしない。選ぶのは自分だ」
「私は……」
アーウィンの目に鋭い光が宿るのをアルベルトは見た。
「私は、やはり自分の思うようにしかできない!」
神速の太刀だった。
まるで光のようにその手元が煌めいたかと思うと、次の瞬間にはアーウィンがアルベルトに斬り込んでいた。
アルベルトは寸でのところでそれをかわしていた。
「覚悟は出来たようだな」
アルベルトは剣を構えたまま言った。
「これから恐らく多くの者がお前のもとに集うだろう。だが、これまでのようなどちらつかずの状態では悪い結果しか生み出さないだろう」
「勝負は、私の負けかな」
「いや」
アルベルトは腕を差し上げ、その腕輪を示した。
「踏み込まれる瞬間、これを使った。瞬間転移の腕輪だ。アイテムを使った俺の負けさ」
木剣を近くの若い騎士に渡す。
「さて、近くの町で捕らえた英雄たちの公開処刑が行われるという情報がある」
アルベルトは悪戯っぽい笑みをアーウィンに向けた。
「行くかね?」
アーウィンは迷うことなく皆に告げた。
「準備を」
早朝、メールを確認すると『英雄×勇者×救世主』の第1回リアクションが届いていた。
前回と同様に、ひとまず検索で自分のキャラクターの登場シーンを探してみると、プロット欄に記載したことのうち、「王命に反旗を翻したアーウィンの覚悟を確かめる」という行為が採用されていた。その結果、千を生かすために百を殺す覚悟を決めたように見えたのだが、一般市民を人質に捕られるとアーウィンはすぐにダメダメな状態に逆戻り。そしてその後、かつての仲間の真意を確かめるべく1人で敵地に赴くということをやらかしてくれており、第0回での描写も絡めて考えると、ひょっとしてBブランチって「アーウィンが精神的に成長するように見えてやっぱりダメだった」というシンジ君的物語になるんじゃなかろーか、とちょっとガクブルである。
ところで、今回のアクションを改めて考え直してみると、
と、素晴らしいほどにトリプルアクションだったことに気付いた。アクションを書いた時点ではそれなりに繋がりがあるような気がしていたのだが、こうして抜き出してみると全然繋がっていませんよ奥さん? 完全没だった方もいるらしいので、一部採用だったことは僥倖と言って良いのかもしれない。次回以降もアーウィンをイジめる土台ができたことであるし。
しかしその一方で。
一文字たりとも他のPCさんと絡んでいなくてどーしましょー?
月曜日がアクション締切の『英雄×勇者×救世主』(Bブランチ)のアクション書き。
出勤中の車の中で考えた結果、行動は「某NPCが某所に向かうのを阻止する」というものに決定しています。問題は、「成功すると他の方のアクションを無効にしてしまう可能性が高い」ということと、「あいかわらず他のPCさんと絡むスキがない」ということでしょうか。前者については、成功しなければしないでNPCに見切りを付けるきっかけになりますので――早い話が失敗することを是としているためOKとしましても、後者はなかなかに困ったことです。
もともと私は「NPCに働きかける」を基本にアクションを書いていますので、自分から他のPCさんに絡むことは殆どなく、その辺りの掛け合いなどはマスターに丸投げしているのですが、さすがに活動の舞台に荒野を選んでは如何ともしがたいだろうなー、と思うわけでして。もっとも、このゲームは全10回(最初と最後のおまけを入れると全12回)と、最近の感覚からするとやたらと長いですので、人間関係はゆっくり築き上げていけばいいのかもしれません。
なんて言って、途中で終わったりしたらどうしましょう。
当のアーウィンはと言えば、敵地であるザムソンへと白馬を飛ばし急いでいた。
獣道を華麗な鞭裁きで駆け抜け、切り立った細い道もものともしない。
天駆ける戦乙女の生まれ変わりと見紛おうばかりの腕前である。
森を抜けるか抜けないかと言うところで、不意に馬の足を止める。白馬は嘶いて前足を大きく宙に上げた。
「アルベルト……」
「ブランネージュへ行くのか、アーウィン」
アルベルト・シュタイナーが道を塞ぐようにして立っている。その目はどこか責め苛むようでもあった。
「舞踏会にはゲイルロードも出席する。あいつと話せる最後のチャンスだ」
「集まった英雄達を置いてか」
「私の我侭だ。皆を巻き込むわけには行くまい」
アルベルトは、ますます馬鹿を見るような目でアーウィンを見遣った。
「お前は剣の腕は立つが、指導者としての才能はまるでないな。だがアーウィン、それでもお前が城の主である事は確かだ。すぐに引き返せ。出来ぬと言うなら」
アルベルトはすらりと腰の剣を抜いた。
「力ずくで阻止させてもらう」
アーウィンは逡巡した。
しかし、今は……
「一つ言っておこう」
腰に手を伸ばしたアーウィンに、アルベルトが告げる。
「すでにブランネージュには、アルトゥースのアーウィンが向かっている事を告げておいた。容易には近づく事も出来ないぞ」
はったりだ、とアーウィンは思った。
自分が出た後に事に気付いて、ブランネージュに出向き、そして自分の先回りまでする。物理的に考えて、それは無理だ。
しかし。
ただ一人、それが出来る人間がいる。空間を跳躍する力を持った腕輪を手にした英雄。彼ならそれが可能であろう。
よく見ればアルベルトは全身から汗を吹き出し、呼吸もまるで乱れている。立っているのが精一杯と言った風体だ。
全力で腕輪を使い続けた結果だ。伝説の武具は力を使うだけ体力や精神力を削り取る。
「ゲイルロードと話して、戦いを止めるという選択肢がお前にあるのか」
乱れた呼吸から搾り出すようにアルベルトが言った。
「その考えに共感出来たら、お前の元に集った者達を見殺しにする事も出来ると言うのか」
「私は……っ!」
アーウィンは何かを言おうとして、言葉を失った。
ゲイルロードと話がしたい。
しかしその考えを知ってどうすると言うのだ。彼のしていることはどうあっても許す事など出来まい。
結局は戦う他ないはずだ。
「だから……我侭なんだ」
アーウィンは力なく俯くと、アルベルトから視線を逸らした。
「アーウィン様!」
そうこうしているうちに、背後からも一団が迫る。
城からの追っ手らしい一団は馬を降りると背後の道を塞ぐようにして並んだ。
完全に囲まれて、観念したアーウィンも馬を降りる。
「アーウィン様」
歩み出たクラウディア・ロージスがアーウィンに手を上げる。
ぱん、と乾いた音が森に響いて、鳥たちが慌てて飛び立った。
アーウィンは赤く染まった頬を押さえる事もなく俯いている。
「何故叩かれたか分かっていますね。アーウィン様」
きっと厳しい視線を投げ掛けるクラウディアの前に言葉もない。
「アーウィン様は仲間を、領民を忘れて飛び出しました。これはその罰です。分かっていただけますね」
「ああ、確かに私は馬鹿だった」
「それでは参りましょう」
「え?」
クラウディアは馬に跨ると、そのままザムソンへ、ブランネージュへ向かって歩き出す。
「どういうことだ、クラウディア」
アルベルトの問いかけに、クラウディアは微笑する。
「アーウィン様が仲間のことを考えなかったのは罪。ですがゲイルロードと会うのはまた別の問題です。私はアーウィン様に行動するなと言うのではなく、よく考えてから行動しろと言ったまでです」
アーウィンはあっけに取られている。
「ゲイルロードと話せばこの戦いを終わらせるための何かが見つかるかもしれない。少なくともその理由を知れば、アーウィン様も躊躇なく戦う事が出来るのでしょう?」
「ああ、それは、そう……だが」
アーウィンは躊躇いがちに皆を見渡した。
「しょうがないね」
レベッカ・クインがいつもの小生意気な口ぶりで言った。
「こうなったらちゃっちゃと行って済ませてこようよ。ただし、あんまり時間はないからね。それと必ず無事に帰ること」
「は、はい……」
一見年下の少女に言い包められるようにしてアーウィンが間の抜けた返事をする。
「そうと決まったら急ぎましょ。それこそ警備が固まり切る前に」
悪戯っぽい視線を向けられて、アルベルトはどんな顔をしてよいか分からなくなった。
『英雄×勇者×救世主』の第2回リアクションが公開。
ということを帰宅後に某巨大掲示板群で知りました。公式サイトでリアクションを閲覧できるようになったのですが、前回まではPDFファイルを送付していたのですから、その辺りのことは一応連絡して欲しかったと思います。実際、今朝6時には既に閲覧可能だったのに、メールだけをチェックして「やっぱりまだ届いてないか」なんて思っていたのですから。
アクションは、プロットとして記載したことの9割が採用されていました。ちなみに没となった残りの1割は、決め台詞として書いたことだったのですが、実はそれこそが一番言いたかったことだっため、パソコン前でくずおれる私。_| ̄|○
そして、そのまま運動開始。
と、それはさておき、何故その台詞だけが没となってしまったのか、これからゆっくりと自分のキャラクターの登場シーン以外の部分を読んで確かめたいと思います。自室は現在、『LAST EXILE』祭を開催中のため、リアクションは職場の休み時間に読もうと考えているのです。
ところで話は変わりますが、スペシャリティの瞬間転移。
よく見ればアルベルトは全身から汗を吹き出し、呼吸もまるで乱れている。立っているのが精一杯と言った風体だ。
全力で腕輪を使い続けた結果だ。伝説の武具は力を使うだけ体力や精神力を削り取る。
やっぱり便利すぎたのか、早くも使用制限が課せられました。
朝、メールをチェックすると『英雄×勇者×救世主』のPDF形式のリアクションが届いていました。
添付の文章によりますと、こちらがメインで、公式サイトで閲覧できるテキスト形式のものはサブのようです。違いは「テキスト形式の方が1日くらい早く読める」ということのようですが、こんなことより「死亡時の手続」とか「追加課金の申請」とか、先に稼働させなければないシステムがあると思います。「住居の設定」とかはいりませんが。
と、それはさておき、職場でリアクションを印刷し、蛍光ペンでマーキングしながら読んでいきましたところ、現在のところ話の中心となっているアーウィンがどうにもダメダメです。前回から「アーウィンをいじめていじめてこずいちゃって……泣かせてやるのだ」計画を発動していますが、「俺のパンチは効いてるのか、躱されてるのか。……効いてるよなぁ?」
という感じ。この計画、もうしばらくの間、手探り状態で続けることになりそうです。
と言いつつ、最終回でも第0回リアクション同様に、
「一度だけ我侭を許してやる。だがその後はリーダーの責任を果たしてもらうぞ。いいな」
「すまない」
という状況になりそうな予感がする今日この頃。
P.S.
ところでアーウィンのBブランチにおけるヒロインの座は、早くも別キャラクターに奪われそうな感じです。
男は黙って行動で示し、狙いさだめるアーウィンがターゲット、という予定でキャラクターを作成した筈が、実際には過去3回とも口ばかり出し、アーウィンに至っては卑下しまくりという状況に陥り、「何処で道を間違えんだろう?」と首を捻っている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は「このままではいかん!」という危機感を持ちまして、『英雄×勇者×救世主』のアクション作成に取り組んでいるところであります。
前回は、城を追われたり、魔族が暗躍したり、塔に囚われのお姫様が出てきたりと色々なイベントが発生しています。これはそろそろ肉体労働にシフトすべきときでしょう。また、『マスターより』では、
ダブル、トリプルアクションが目立ちます。なので今回は少しそうしたアクションに関して判定を厳しくしております。アクションは一球入魂、実力以外のところで失敗してしまうともったいないですよ。
というメッセージもあります。ここでビシッと100文字程度に纏めた具体的行動を提示できれば、アーウィンの好感度もマイナスからゼロ程度までには回復できる筈です。とは言いましても、城の奪回や魔族の調査やお姫様の救出は他の方がやってくれるでしょうから、それ以外のところで何かブレイクスルーを見つけ出したいところ。これはなかなか難しそうです。
などという前提で考え始めたのですが、出来上がったアクションは、現状に対してうだうだと言い続けるものが500文字。アーウィンに対しては「王命に背き、民からの支持もない。今、お前を領主として成り立たせるものは、何処にも存在しない」とか言う始末です。
「何処で道を間違えんだろう?」
そんな感じに首を捻って、寝違えました。
明日が『英雄×勇者×救世主』のアクション〆切。
ということで、文章の順番を入れ替えたり、文体を統一したり、後から思い付いたことを追加したりしていたわけですが、つくづく採用されにくいアクションになったと思います。なにしろ、内容は「組織内の意識の統一を図る」というもの。現在、最終目標も定まらないままにそれぞれがその場その場の情報・状況に対応している状態ですので、「それって組織としてどうよ?」と思わずツッコんでしまったのですが、マスター側からすると「そーゆーことはプレイヤー間の交流で行ってくれ」というシロモノな気がしないでもありません。
面倒なのでやりませんが。
実はプレイヤーとしては、「私は知っている……お前達の異世界、そしてその日常。それから見れば、どれほどこの世界が異質かを。なぜ、一切の物理法則を無視した世界が存在する!? なぜ、善悪などという図式で単純化された世界が在る!?」
という感じで、歴史はいつからあるのか、宇宙観はどうなっているのか、異世界の存在をどうやって知ったのか、伝説のアイテムは誰が作ったのか、などなど世界そのものについて色々と調べたくなっているのですが、そこいら辺はやはり海客(地球人)な方の役割だろうと、潔く諦めたいと思います。
別ゲームで同じようなことやりましたし。
帰宅後、ささもと氏の日記や某巨大掲示板群で『英雄×勇者×救世主』の公式サイトがリニューアルされていることを知り、早速覗いてみました。
まず私の目を引いたのは、左フレームのメニューです。文字から画像に変更となったのですが、きっぱり意図が不明です。わざわざ画像を使うのは、フォント指定等だけでは表現できない何かがあるときだと思うのですが、別段、書体が世界観に合っているとか、サイト全体に統一感を持たせているとか、そういった効果は見当たりません。
という感じでしょうか。
続いて新着情報を見てみますと、
公式ページを変更いたしました。
また、今回の変更に伴い、舞台となるハイドラント地図を掲載致しました。ログインページから全ブランチ中1箇所のみ建築と移動先URL指定が可能です。各々のブランチにつき、100件ずつの建築を行う事が出来ます。
住居廃棄については、現在準備中の環境設定から解除が行える予定です。
「建築って、何を?」と説明不足なのはさておき、ようやく地図が掲載されました。これで各都市の位置関係などを念頭におきながらアクションを考えることができます。と、期待に胸を膨らませて見てみましたら、半島全体図のときはまだしも、5つに別れた地域を拡大しますと、素晴らしくノイズってるJPEG画像が。少しは綺麗に見せる努力をして欲しいなー、と思ったわけですが、それよりも何よりも地図に都市名や地名が載っていないのはどういうことなのかと小一時間(ry
また、地図上の所定の場所に家を建築することでプレイヤーのサイトにリンクを張ることができるらしいのですが、やっぱり地図にキャラクター名が表示されていないので、『英雄×勇者×救世主(AUQ)』関連サイトリンク集の方が遙かに便利です。なお、この建築システムそのものについてはささもと氏がツッコまれていますので、そちらを参照頂ければと思います。
ところで、ハーブロークには巨大な剣が大地に突き刺さっているところがあるのですが、やはり最終回はそこで邪竜族との決戦に突入するのでしょうか。
A)その予定はありません。
「アーウィンでいいのか」
エンツォの街で物資の確認をする傍ら、ふとアルベルト・シュタイナーが呟いた。
レオニード・ファーレンスが問い返す。
「何がだね、アルベルト」
「指導者が、さ。彼女は感情のままに動いているだけだ。未来への展望も何もない。自治領を勝ち得るのか、ハーブロークを独立させるのか、王の打倒を目指すのか。目指す未来とその道程がないままに彼女に従っていいのかって事さ」
「なら、お前がやればいい」
「そう言う事じゃないんだぜ。俺は妻や娘たちの死を無駄にしたくないだけだ」
レオニードは荷のリストを置いた。
「分かってるさ。だが、理想的な指導者なんて歴史上そう存在したわけじゃない。私達は私達で組織を作り動かしていくべきだ。ただ上の言いなりの組織なんて気味が悪いし、少なくとも我々はそうじゃない」
アルベルトは苦い顔をした。
「で、お前はどう考えてるんだ?」
「むしろアーウィンをトップに据えた一枚岩だ」
レオニードの言葉にますますアルベルトは顔をしかめる。
「まあ聞け。いくら個々の力が優れていようとこの間のようにアーウィンを含めてバラバラに行動していては我等に勝ち目はない。そして旗印として一番都合がいいのはアーウィンだ。彼女の資質や欠けている部分は私達が正し補っていけばいい。組織なんてそんなものだ」
「そりゃ、ぽっと出の俺には皆ついてはこないだろうさ」
「くさるな。先のおぬしの話は間違ってはおらん。ただ、決めるのはアーウィンではなく我々だと言う事さ。むしろ私は違う意味で彼女が心配だがね。それを背負わされるのは彼女なのだから」
レオニードは僅かに眉を顰めた。
「だが、背負ってもらうしかあるまい」
あれから四か月が過ぎた。
各地の勢力の協力もあり、英雄達は順調にイゾルデへ向け兵を進めることが出来た。
その間、いろいろな事があった。
転機はアーマラーの反乱が成功しアルベリッヒが討ち取られた事だろう。各地の戦況も好転し、戦乱の火種が残るのはこのハーブロークのみとなっていた。
というわけで、『英雄×勇者×救世主』公式サイトでBブランチの第3回リアクションが閲覧できるようになりました……って、ちょっと待てーっ。いきなり4か月が過ぎてますよ? 次回が早くもクライマックスですよ? 方針選択に「死ぬ」とか「告白する」とか最終回専用のモノがありますよ? あまつさえ、「アルベリッヒが討ち取られた」
なんて他ブランチの結末が書いてありますよ?
海のリハクはおろか、プレイヤーの誰一人として、このロケットで突き抜けたかのような展開を見抜くことはできなかったでしょう。当サイトの本日のアクセス数が普段の2倍以上となっていることが、皆様の混乱っぷりを示しているように思われます。
そんな状況ですので、「今後の行動方針を定める」などとヌルいことをやっていた私のアクションはほぼ没。「リーダーはアーウィンでいいのか?」とか、ついでに書いたことをメインとして他のPCさんと掛け合いをしていたのですが、今回、ものの見事にアーウィンが死亡している辺りがなんとも道化な感じです。
さて、次々回以降、某巨大掲示板群にあったように『ビューティフル・ドリーマー』的に悲劇を繰り返すことになるのか、突如として学園ドラマにシフトしたりすることになるのか、初期情報にあった「あっと驚く仕掛け」
の内容を期待しつつ、
と順調に減っている参加者数がどうなるのかも見守りたいと思います。
「はええもんだな、あのアルトゥース奪還から早4か月……」
「まさか生きてふたたび、このイゾルデに入れるとはな」
「あぁ、まったくだ」
という感じに、多くのプレイヤーが予想していただろう「友情! 努力! 勝利!」な展開をわずか1行ですっ飛ばし、いい意味で期待を裏切るどころかさらにその斜め上を行こうとして、コースから転げ落ちた。そんな印象を受けている『英雄×勇者×救世主』Bブランチのアクションをそろそろ考えることにしました。
まずは、スポーンと飛んだこの4か月の流れ&キャラクターの心情変化を妄想することから始めたいところですが、実はテンションが下降気味です。私は「こんなことをしたら、どんな展開になるかな?」ということを基本にアクションを掛けているのですが、次回は折り返し地点にも達していない第4回にしてクライマックス。どう考えても、大どんでん返しが待ち受けていることは確実です。「次回は、驚羅大四凶殺の決勝戦だ! ……その後、死亡判定者が甦って、大威震八連制覇が始まるのは分かってるけどな」といったところでしょうか。さらに今回、中ボスを残してNPCが軒並み死亡しているのも困った問題です。「自分が行動する」ではなく、「NPCに行動させる」もまた、私の基本なのです。
と言いつつ、実はその残った中ボスに対してのアクションが既に頭に浮かんでいます。しかしそれを採用するとまず死亡し、さらに他プレイヤーにヘタレの烙印を押されるという危険も伴う、諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない――といった内容のため、ちょっと逡巡するところはあるのですが、なんだかこのキャラクターへの思い入れもあまりなくなってきましたので、スパーンと死んだ後に500才のエルフを再登録し、
「ぬぅっ。あの魔族はまさか……!!」
「知っているのかサンダーエレクトッ!!?」
と解説役になるのもいいかな、などと思っていたり。
「俺達の敵は、シュラークフィーダーやゲイルロードといった個人ではない。その多くは、自分、そして家族を守るために王命に従っている、従わざるをえない者達だ」
今までの『英雄×勇者×救世主』のアクションには、当初から上記のような意見を織り込んでいます。殆ど没になっていますが。結果、リアクションにおいては、名前のあるNPCについてはそれが例え敵であろうともその立場・心情を慮るのに対し、その他大勢の一般兵士は十把一絡げなゴミ扱いとなっているように感じます。
第2回では、街の領主であるトラバルディというNPCの妻が魔物化し、PCが「悪いが、斬るぞ」
の一言で殺してしまっているのですが、これが初回から登場している名前のあるNPCだったら、マスターは多分そういう展開にはしなかったと思うのです。もしそのNPCが妻ではなく見目麗しい娘だったりしたら、そりゃもう絶対に。第3回では、「アーウィンは普通の女の子だった。それが何故……。こんな戦いは無意味だ。それがどうして分からないんだ!」
というPCの台詞がありますが、それこそ、剣士ではなく、英雄とも呼ばれず、もちろん領主なんてやっていない普通の女の子も戦いに巻き込まれて、一方的に殺されているんじゃないの? と思うわけです。
――と上記の文章を打っていたところ、なんとなく感じたデジャブ。「なんだ、この息遣いは…!? アムロ・レイ? ララァ・スン? いや、違う」という感じで考え直してみたところ、『東奉幻獣記』でも全く同じスタンスでやった結果、周囲から浮きまくっていたことを思い出しました。_| ̄|○
しかし、もはや止まることなどできぬ。できぬのだ。
しかし、シュラークフィーダーを囲む手はその接近を許す事もなく、サンも爆発する事はない。
「伝説の武具は他の英雄は使えない。それは自分の武具ではないな」
シュラークフィーダーは嘲るように笑った。
「残念でちたー」
ぎょろりとした目玉でサンを覗き込む。
その時だった。
「シュラークフィーダー、お前に付けば」
アルベルト・シュタイナーだった。
「死者を蘇らせる事が可能なのか」
空気が凍りついた。
「何を言い出すのだ、おぬし」
ヨーゼフ・シェーンベルクが厳しい視線でアルベルトを問い詰める。
「どうなんだ、シュラークフィーダー」
アルベルトは無視してシュラークフィーダーに問いかける。
面白い事になった、とばかりにシュラークフィーダーは笑った。
「いいだろう。そこにいる英雄どもを片付けたら貴様の願い、叶えてやる」
アルベルトはゆっくりと剣を抜き放った。
「待て、アルベルト。自分が何をしようとしているのか分かっているのか」
聞いた事がある。
アルベルトはかつて戦乱で家族を失ったのだと。
アルベルトは言った。
「こぼれた水は戻らない。だが、戻せるとしたら……どうする?」
「シュラークフィーダーのあの力、正直わしも欲しいと思った。わしが誤って斬ったあの娘を生き返らせることが出来るなら」
アルベルトと向かい合い、ゆっくりとヨーゼフが剣を向ける。
「だが、それは誤りだ。例えその力で愛するものが蘇ったとて、過去の過ちが償えたとて、恐らくわしらの心は何も救われまい。わしらはその悲しみを生涯背負って生きていくしかないのだ」
「そんな事は、やってみなければ分かるまい」
二人の剣がぶつかり合った。
「ほう、守る為にしか剣を振るえぬのではなかったのか、『登坂の騎士』」
「守る為に戦っているのだ。わしと、お前を」
ヨーゼフは吠えた。
「失ったものを顧みるなら、最初から剣など手にしなければ良かったのだ」
「ディオニスさん、アルベルトさんを止めて下さい! これでは……悲しすぎます!」
『赤の旅団』の装束に身を包んだティア・ライトウォーターがその団長であるディオニス・ラルディアに願い出る。
「無駄だよ」
ファル・ティルリックがティアの肩に手を置いた。
「アルベルトは本気だ。本当に信じる道を行く奴を止めるには……倒すしかねえ」
ラキュエル・ギャレットが言った。
「それでもいいか」
ティアはこくりと頷いた。
「だってあの人……あんなに悲しそうなんですもの」
「ディオニス、あのフォーメーションだ。シュラークフィーダーに取っとくつもりだったが、いいな」
「たまには私にリーダーらしい事をやらせてくださいよ」
ラキュエルの言葉にディオニスが不本意だとばかりに口を尖らせる。
「それでは、今回の依頼主は私達自身、報酬は……あの人の自由です。この条件で仕事を受けますか?」
「いいぜ」
これはラキュエル。
「私は団員じゃないっていってるでしょ」
そう言うファルも目は笑っている。
「決まりですね」
ディオニスは告げた。
「では、作戦開始です」
ディオニスの言葉にラキュエルとファルが走る。
「ファル、この戦いにケリがついたら葡萄酒の美味い店に連れてってやるよ」
「約束破ったら承知しないからね」
「どいてくれヨーゼフ。アルベルトは俺達が止める!」
ヨーゼフが飛び退くと同時にディオニスとティアの魔法援護が飛ぶ。
「こんなもので俺は止まらん」
アルベルトの持つのは自身を瞬間移動させる魔法のアイテムだ。
そこから横に離れた場所に転移する。
こうなれば相手のフォーメーションは丸見えだ。
何をどうするかなど手にとるように分かる。
しかしアルベルトは己が目を疑った。
確かに方向転換して向かってくるディオニスの姿は見える。
だが、ファルは? ティアの水流弾にラキュエルの光剣ライトリベレーターの光が乱反射して視界もままならない。
(どこへ逃れればいい)
敵の位置が掴めない。それがアルベルトの判断を鈍らせた。
「ここよっ!」
それは頭上からであった。
ファルはディオニスの『風盾』を踏み台にして高く飛び上がっていたのである。
ティアとラキュエルはそこから気をそらすための囮であった。
ファルの剣が一閃し、アルベルトの膝が崩れた。
「アルベルトの信念、強すぎたから……叩き切るしかなかった。ごめん」
ファルが剣を鞘に収めた。
「せめて家族に会えるといいね……あの世でさ」
そのままゆっくりと向き直る。
その視線の先には、
「シュラークフィーダー……!」
玉座に座るシュラークフィーダーの姿があった。
『英雄×勇者×救世主』第4回リアクションが届きました。
敵側に寝返り、PCさんとの戦闘に突入した結果、
「せめて家族に会えるといいね……あの世でさ」
と、予想通りに見事に死亡。戦士のくせに1度も敵勢力と戦う描写がないままに散ってしまった辺りがなんとも反逆的ですが、それなりに他のPCさんの見せ場を作ることができたのかな、などと思ってみたり。実は「シュラークフィーダーが得た力を求める」ということで、密かに後釜狙い&NPC化を目論んでいたのですが、さすがにそれは無理でした。というか、そこいら辺の具体的手段を全く書かなかったことが敗因のようです。結果、方向性が「シュラクーフィーダーの力を借りる」というものに変化してしまい、また、予想していたほどには思いを吐露することできませんでしたので、ちょっと(´・ω・`)ショボーンとしながらアクションを読み返してみたところ、一番大事な思いを書き忘れていたことが判明。仕方がないので、その辺りのことは次回のアクションでフォローしたいと思います。
「次回」?
えぇ、今回しっかり死亡したわけですが、次回もこのキャラクターで行動します。なにせ方針選択に、
と「死亡者専用」が存在するのです。それはもう、通常の3倍のスピードで本筋に接近しますとも。ただ、この点に関しては2つほど問題がありまして。実は第4回リアクションに登場するPC68人中、死亡が確定しているのは私のキャラクターも含めてわずかに2人。正直なところ、この人数でそちらの物語を進めることができるのか、ちょっと不安です。なお、死亡者のあまりの少なさに「死んでおけば良かったーっ」と後悔している人が続出しているという噂もあるようですが、市民、噂は反逆です。
そしてもう1つは、前回の『マスターより』に「またも死が選択できますが、死にも成否があるほか、通常の死亡判定とは異なる結果が出るかもしれません」
とあるため、後日、キャラクター再作成手続きの通知が届くかもしれない、ということだったりしまして。物語の方向性とは真逆の力を求めてしまった我がPC。主神アリアン様に次のように言われるには、十分すぎる理由があるように思えます。
「次のキャラクターは、もっとうまくやってくれるでしょう」
「これはお前のプラリアじゃねえんだ、チラシの裏にでも書いてろ、な!」
そんな指摘を受けそうな感じに自己中心的な物語を暴走させつつ、『英雄×勇者×救世主』の次回アクションを考えたりしているのですが、それはひとまず向こうの棚の上に置いておきまして、ちょっと世界の謎を考えてみたり。
Bブランチのリアクションには、三聖剣として「ミームング」、「ナーゲルリング」、「エッケザックス」という名前の剣が登場しているのですが、これらの元ネタはドイツの『ディートリッヒ伝説』だと思われます(というか、NPCの名前もそうなのですが)。ここで問題となるのは、名前の由来です。ちょっと検索してみましたところ、前者2つは分からなかったのですが、「エッケザックス」は巨人エッケが使用していた剣のために「Ecke-Sachs(エッケの剣)」という名前が付いているようです。
ところで、『英雄×勇者×救世主』の舞台であるエンブリオンは、話している言語の違いに関係なく意思疎通が可能です。これは不思議回路を通して自分が知っている言語に変換されていると思われますが、「エッケザックス」は「エッケザックス」――あくまで固有名詞として扱われています。つまり、エンブリオンの人達は「エッケの剣」という意味を知らずに「エッケザックス」という名前を用いているわけです。
「神懸かりのような偶然により奇跡的に同じ名前になった」という可能性を排除しますと、これら三聖剣と『ディートリッヒ伝説』との間に何かしらの関係があることは確実です。まず思い付くのは、「『ディートリッヒ伝説』は、エンブリオンを舞台として本当にあった話である」というものですが、その場合、名前が付けられた時点でエンブリオンで使用されていた言語が古ドイツ語である必要が出てきますし、発音を無視して意味が通じる世界では、たとえ言語が変化したとしても、元来の「エッケの剣」という意味が残り続けるように思われます。別の可能性としては、「かつて、エッケザックスが既に固有名詞となった頃に『ディートリッヒ伝説』をエンブリオンに持ち込んだ地球人がいて、その物語にあやかって名前を付けた」なんてものが考えられるのですが……なんか夢も希望もない結論のような気がしますので、これはひとまず向こうの棚の下にしまっておきたいと思います。
「ぬぅっ。あの剣はまさか……!?」
そんな風に解説を始める新規キャラクターも投入しないことになりそうですし。
昨日、『ZERONX』さんにて行われた『英雄×勇者×救世主』Bブランチのキャラクターチャットについて、「ちょっと覗いてみようかなー」などと昼間には思っていたのに夜にはすっかり忘れていたことを今朝になって気付き、各地のブログを見て回りましたら、どーやらマスター操るNPCが現れたらしく、「なんてこったーっ!」
と思いつつ、一方で「マスターがプレイヤー主催のチャットに顔を出して大丈夫なのか?」などと不安になったのですが、既に運営主体がホビー・データではなく、かてて加えて同人PBMだったことを改めて思い出した今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私の方は「台詞ばっかり考えていないで、そろそろ具体的な行動を考えなくてはいけないかな」などと思っているところです。
ちなみにキャラクターチャットですが、実は私、参加経験がありません。参加をためらう理由としては、「TRPGでは殆どプレイしない女性キャラクターが多い」&「即興で台詞を考えるのが苦手」といったことがあるのですが、実は今回のアルベルトはその辺りを考慮しまして、比較的TRPG向きのキャラクターとして作ってあります。「駒として動かして面白そうなキャラクター」ではなく「実際に自分が演じやすいキャラクター」としているのは、いずれキャラクターチャットにデビューしようと目論んでいるためです。
「05年中にキャラクターチャットに参加するっ!!」(宣言したら目論んでないってば)
などと思いつつ、たとえ面白格好いい台詞を思い付いても、「これはアクションに使えそうだ」とその場は封印してしまいそうな自分がちょっと悲しい。
今回唯一仲間を裏切る形で死んだアルベルトさんが、不思議空間でどんな行動をとられるのか、こっそり楽しみにさせていただいてます。
と、とある方に期待されてしまった『英雄×勇者×救世主』の次回アクション。この期待に応えるためにも、今回共にヴァルハラ行きとなりましたグラムスさんとは違う行動を取りたいところです。グラムスさんのプレイヤーさんは「ヴァルハラは行動に悩み様がないのが楽です」
と仰られてますので、行動指針「5)魔族と戦う/戦わない(死亡者専用)」の前者を選択する筈。とすると、アルベルトには後者を……いや、むしろ「2)告白/結婚する」を選択させるべきでしょうか。
とか思ったりしたのですが、さすがに今回は、土壇場にPBMの神様が降りてこない限り、無難に「魔族と戦う」を選択すると思います。ヘタレですみません。
ところで前回のアクションは、「家族を生き返らせるためにシュラークフィーダー側に付く」というものだったのですが、実は最初は「そのような考えを一瞬でも抱いてしまった自分の弱さを悔やみつつ、死者を冒涜するシュラークフィーダーに戦いを挑む」という、謂わばヨーゼフさんのような行動を考えていました。しかし、そのままではその他大勢に埋没してしまいそうな気がしましたので、その一歩手前で思考を止めて、死亡覚悟で「目的のためには手段は選ばぬ」的な暗黒面に突入させたのですが、結果的にはその選択で良かったようです。というか、途中で考えを止めないと、今回なんか「この世界を作り出したのは誰だ?」といったところまで突入し、収拾がつかなくなってしまうのです。
と、ここまで日記を書いたところで、「最初に「告白/結婚する」といった他の人と被りそうにない行動を決めてから、キャラクター心理をでっちあげた方が良いのかも」などと思い始めた〆切わずか3日前。
キャラクターの台詞にアニメやマンガのパロディを織り込むことがよくあります。
普段は、チラシの裏に行動案やキャラクター心理をずらずらと書き綴っているときに「これは使える!」などと思い付き、脇にメモっているのですが、昨日のようにアクションのことを日記を書いているときに思い付くこともありまして、そういった場合にはブラウザでは表示されないコメントとしてソースに書き込んでいます。
そして、現在書いてあるのは、
「とち狂って、お友達にでもなりにきたのかい?」
「やけになった人間が何をやるか、見てろーっ!」
昨日の昼間に書いたものなのですが、いったいどんなシチュエーションでアルベルトに言わせようと思っていたか、もはや自分でもわかりません。
「え? 俺、ちゃんと05年中って書いたよね?」
ささもと氏の日記を読みまして、そんな風に自分の日記を見直したりしていたわけですが、そもそも期限を宣言した年の翌年にしたり、「宣言したら目論んでないってば」
と自分ツッコミを入れていることの元ネタが『精霊使い』の後書きマンガだということにどれだけの人が気付いてくれたのか……というか、『精霊使い』第1巻の発行日から14年が経過していることを今改めて認識し、時間の流れの非情さに精神的ダメージを受けてみたり。
と、それはさておき、本日は『英雄×勇者×救世主』のアクション〆切です。職場の昼休みに最終確認ということで、「あいかわらず具体的な行動がないなー。もう少し積極的にNPCに絡んでみるか?」とか考えていたところ、なんとなく「魔族と戦わない」を選択するための理論武装ができそうな感じが。「〆切当日に及んでそれはマズいっ!」とそこで考えをストップさせたのですが、改めて見てみますと、前回のリアクションで、
「だってあの人……あんなに悲しそうなんですもの」
「それでは、今回の依頼主は私達自身、報酬は……あの人の自由です。この条件で仕事を受けますか?」
と言って頂いているのに、魂が昇華するどころか、建前から解放されたかの如く自己の欲求に凝り固まってしまったことに気が付きまして、ちょっと申し訳なく思ったり。ヴァルハラではグラムスさんと思いっきり言い合うことになりそうです。
ところで話は変わりますが、オリエ式さんにて冥王チャレンジなるものが開催されています。前回は「第4回リアクションでの死亡キャラクターを当てる」、今回は「第5回リアクションで最後に登場するキャラクターを当てる」というものなのですが、現在のところ、1人の方にアルベルトを指定して頂いています。雨森さん、お目が高い! 実は今回、大トリを飾ること目指しているのです。
それと一緒に、最初に登場することもまた目指していますが。
「これはお前のOMCじゃねえんだ、チラシの裏にでも書いてろ、な!」
先月、今月と『英雄×勇者×救世主』で建設ラッシュが続いています。
数えてみますと、Bブランチに参加しているプレイヤーさんの半数近くがウェブサイトを開いているという状態。私はWWWCを使用して、更新が確認できたときだけ訪問させて頂いているのですが、ひょっとすると毎日全てのサイトを巡回されている剛の方もいるのかもしれません。それにしても、掲示板ではなく各自のブログ間で会話をやりとりするというのは、なかなか新しい交流スタイルであるように思えます。
ところで、公式サイトのワールドマップから直接ブログに飛びますと、キャラクター名は分かるけどプレイヤー名が分からない、ということが多々あるような気がしまして、「どこかにプレイヤー名も書いて頂けると嬉しいなー」なんてことを思ったりするわけですがそれはさておき、実は私、まだこのワールドマップに家を建てておりません。これは「現在、アルベルトは自宅を持っていない」というこだわりによるもので、「戦いが終結して定住するようになったら建築しよう」などと物語と連動させることを密かに目論んでいたのですが、前回死んでしまいましたので、その野望もここに潰えました。ヴァルハラマップ希望。or墓地。
そんなことを考えながら、改めて公式サイトを眺めていたのですが、非常に気になることが1つ。
「特定商取引法(旧通信販売法)第11条に関する表記」だけ文字が極端に小さいことには、どんな理由があるのでしょうか。
シュラークフィーダーとの戦いで命を落としたと思っていた者達が目を女を覚ました空間。
そこで一人奮戦するノルンに真っ先に加勢したのはハインリヒ・イージアスであった。伝説の武器『フランシュベート』が灼熱の炎を上げて敵の一体を叩き切る。
黒葬騎兵隊はなくとも、その実力はまるで見劣りする事がない。
「死んでまで剣を振るう事になろうとは。しかし私は剣を振るっている方が性にあっているようです」
「仕方ねえな」
グラムス・ブルムも地を蹴って飛び上がる。どうやらこの空間では足場がなくても自由に動く事が出来るらしい。
「どうなってるのか分からねえ。ノルン、あんたが大将になれ。その代わり何で戦わなきゃならんのか後で教えろよ」
「はい、皆さんは魔物を。私はあの大きいのをやります」
ノルンが示したのは紛れもなくマキーナである。
「ノルン、お前は蘇ったのか。それに死者を蘇らせたのか?」
アルベルト・シュタイナーが呆然としながらも問い掛ける。
「蘇った、と言うのは少し違います。人間としての私は確かにあの時死にました。でも『神化』していた私はどうやら神として新たな生を受けたようなのです」
「『この世界で生まれた神』……そうか、だからお前は障壁の中であるこのエンブリオンに唯一、神として存在する事が出来るのだな」
「ええ。今の私は神としていくつかの事象を操作する力を持ちます。それによって皆さんをこの場所に召喚しました」
「充分だ……」
アルベルトもまた剣を取って立ち上がった。
「死者が蘇る、その可能性が証明されただけで俺が剣を振るう理由は充分だ」
「第二派が来ます!」
再び空間の渦の向こうから押し寄せる異形の者達。しかし今度はその大半がウィタ・エクス・マキーナであった。
ノルンは唇を噛んだ。
「どうやら、今度は私達だけでは食い止める事は出来ないようです。いえ、もう何者もあれを止める事は出来ないでしょう」
「……話してくんな」
当面の敵を相当し終わったグラムスらがノルンの元へ集まってくる。
「ここは世界の狭間、世界と世界を繋ぐ渦の中。
そしてあれはエンブリオンへ向かおうとする魔族の軍勢です」
「なんですって?!」
ハインリヒはノルンが語る事の重大さにはっとした。
「それでは見逃す事など出来るはずがありません。なんとしても食い止めないと」
「無理です。あれは異世界の技術を使った魔族の決戦用生体。その前には伝説の武具の力も正面からでは通用しません」
ノルンは上空を行くマキーナの群れを見上げて告げた。
「待てよ」
グラムスが問うた。
「魔族ならオレ達がぶっ倒したはずだぜ。それにもし残ってたとしても、他の連中がそう見逃すはずがねえ」
「もっと以前、私達が戦っている頃に異世界に渡った魔族がいたのです」
ノルンの言葉に皆息を呑む。
「まさかあれほどのマキーナを用意していようとは。異世界の事とはいえ気付くのが遅れました」
「待てよ」
アルベルトは気が付いた。
「もしかしてその異世界というのは、勇者達の世界……『アース』のことなのではないか?」
ノルンは無言で頷いた。
「まさかアースから……しかし、エンブリオンには皆がいる。我々には無理でも彼らならきっと」
ハインリヒの言葉に、ノルンは静かに首を振った。
「あれだけのマキーナを食い止める手立てはエンブリオンにはありません。言いづらい事ですが恐らく……」
ノルンはわずかに目を伏せた。
「壊滅です」
一同は言葉を失った。
「何か……手はあるはずです」
ハインリヒが呟いた。その手は怒りに震えている。
「そうだ。お前はいくつかの事象を操作する力があると言った。それを使えば」
「はい」
アルベルトの言葉に、ノルンは力強く言った。
「もう少しでここに新たなる援軍が到着するはずです。そうしたら……たった一つだけエンブリオンを救う方法があります」
「その方法とは?」
「歴史を、修正します」
上空をマキーナが次々とエンブリオン目指し、群れをなして飛んでいく。
(連中は無事なのだろうか)
ふと、グラムスはアースに戻った勇者達のことを思い出した。
「ノルン……か。以前、ザヴィズンがそんな名前の運命の女神の話をしていたな」
アクションの決め台詞にそんなことを書いた『英雄×勇者×救世主』Bブランチの第5回リアクションが届きました。「前回、シュラークフィーダーの手によって甦ったノルン達が偽物だとしたら、今こうして甦った自分が偽物ではないという保証が何処にある?」とかそんな感じのことを書いていたのですが、結果はほぼ没。最初読んだときは「この辺りのことって、別に突っ込む必要はなかったのか……」とうなだれたのですが、今では下記理由により、確かにそんなことはどーでもいいことのような気がしてきています。
ちなみに物語の方ですが、「ああオレ、デーモンになっちゃったよ」
と地球人の殆どが魔族に乗っ取られてしまい、折り返し地点で世界が滅亡するという『Final Fantasy』的な展開に。次回は、この結末を変えるために過去に遡って歴史の修正を行うことになったのですが、これでは前回のアルベルトの問い掛け「こぼれた水は戻らない。だが、戻せるとしたら……どうする?」
に対して皆が「戻す」を選択したことになってしまいまして、それは果たしてOKなのかと、ちょっと疑問に思ったり。というか、誰1人としてタイムパラドックスのことを突っ込まないのはどうなのか。
運命の女神となったノルンが過去への扉を開き歴史に介入する、という展開については「だとすると、より悲惨な結末になれば主神アリアン様が魔族に障壁を張られる以前の時間軸に介入して全てをなかったことにすることも可能なんじゃないの? キャラクターが行動する意味ねー。というかこの物語って一体何ループ目だ?」とか『龍騎』っぽいことを思ったりするのですが、それ以前の問題として、「これは本当にリアルな物語なのだろうか?」なんてことも考え始めています。
「伝説の武具は他の英雄は使えない」
とか「エンブリオンでは言語に関係なく言葉が通じる」
といった極めてゲーム的な設定がある一方で、「第0回でアーウィンが俺のキャラクターのアイテムを使ってますよ?」とか「今回地球に渡ったエンブリオンの人達が普通に会話しているのは何?」とそれらの設定が物語の流れにより改変されている(ように思える)状況を見ますと、「世界があって、そこで活動するキャラクターがいる」という構図ではなく、「まずキャラクターがいて、それらが活躍する舞台として世界が用意されている」という印象を受けます。榊マスターの日記に「エリアBのコンセプト、それは『舞台チェンジ』による『ロールプレング』です」
とありますが、本当にこのゲームは「舞台劇」なんじゃなかろーか、と。Aブランチ、Bブランチ、Cブランチ等それぞれで用意された舞台でキャラクターは演技をしているだけ。自分が登場するシーンが終わったら、舞台裏や観客席へと移動する。だから、Bブランチと他ブランチの時間の流れに幾ら開きが出ようが、キャラクター(役者)はブランチ間を自由に行き来することができる。タイムパラドックスなど無視して、過去と現在とを同時に語ることができる。その場その場で世界観を自由に変更することができる。今回1年しか時間を逆行しないのは、数年単位で戻ると役者さんの化粧が大変だから。
などと、ひねくれたことを書いていると次からマスターにマークされるという危険も伴う諸刃の剣かもしれませんが、榊マスターの日記にある「予想の斜め上を行こうとして滑った」
が私の9月27日の日記のことだとしますと、今更猫を被っても手遅れかと思いますので、このまま行ってみたいと思います。
ところで、日記を読み直していて思ったのですが、初期情報にあった「騎士だから戦うのか。人だから騎士になるのか」
というのは、テーマとは何の関係もなかったのでしょうか。
「時間の不可逆性を否定し、過去へ! また、時間の連続性を否定し、未来へ!! その行為は、相対的に被験者以外のすべての宇宙を否定することだ!! 宇宙全体から時間を強奪することだ!! そんなことは、この宇宙の誰にも許されない行為なのだぞ!!!」
かつて『RPGマガジン』で連載されていた『きゃぷてんX ボトルシップ号の冒険』にて上記の台詞を見て以来、時間跳躍ネタはあまり好きではなくなっているのですがそれはさておき、〆切まであと2日ありますが、諸般の事情により『英雄×勇者×救世主』のアクションを考えることにしました。
提示されている行動方針は、大きく分けて次の2つ。
歴史を修正した場合、現在のアースに向かった人達は存在しない世界に赴いたことになり、存在そのものが消滅してしまうよーな気がするのですが大丈夫なのでしょうか。過去に戻った時点からパラレルワールドが始まるという解釈もありますが、すると今度は、いくら過去を修正しても現在の世界を救うことはできない、ということになりますし。
できるだけタイムパラドックスには突っ込まずに物語に関わろうと思っていたのですが、プレイヤー的に「やっぱ無理」という結論に達し、時間の流れからはみ出ている場所にいるらしいノルンに問い掛けることにしました。おもいっきり選択肢を無視していますが、「だってーしょうがなーいじゃないー。方針選択にチィともトキめかないんですもん」ということで。というか、「最初に全員でアースに行って調査した後に、全員で過去に戻る」という選択肢はないのかと小一時間(略
本当は、「歴史を修正する者がいる。それは、何も抵抗できずに、死を認識することもできずに、何時、自分が消滅してしまうかわからないということだ」という恐怖から「ノルンを殺す」という行動を取ってみたいのですが、成功しても私が楽しいだけで物語の展開に広がりが出るわけではありませんので没にしました。こちらのノルンを殺しても過去のノルンはいずれ神になり、やっぱり歴史を修正する力を持つ者が誕生してしまいますので、キャラクター的にも意味がありませんし。
神になると言えば、今回アルベルトの台詞に「『この世界で生まれた神』……そうか、だからお前は障壁の中であるこのエンブリオンに唯一、神として存在する事が出来るのだな」
というものがあるのですが、何処で障壁のことを知ったんだ、お前。ひょっとして、「エンブリオンの周囲には、魔族が張った障壁がある」というのは、既に周知の事実なのでありましょうか。
――などということを、襲い来る睡魔を払い除けるために来年度の予算査定の場で考えていた私。
現在のところ、方針選択を無視して時空の狭間に留まるアクションを掛けた方が私の他に2人いることが分かっているのですが、内容がどれほど被っているのかちょっと不安になり、アクションを読み直してみました。そして、プレイヤーとキャラクターの目的とが一致してしまっていることに気付き、「失敗ー」などと思ったり。
今回のプレイヤーの目的は「タイムパラドックスについて理解する」ことなのですから、キャラクターには「NPCに問い掛ける」なんて当たり前のことではなく、歴史の因果関係がボロボロに壊れまくるようなことをさせた方が面白かったかもしれません。結果、その行為を止める者が出てきたら、そこから世界の謎に一歩近付けそうな気がしますし。
ところで、現在舞台となっているハーブローク。これは、エンブリオンという世界にある某大陸……の端っこにあるアリアンロッド半島……を国土とするハイドラントという国の一地方に過ぎません。ハーブローク以外に住んでいる英雄や勇者や救世主な方々にとって、現在のBブランチの「うわー、ダメだー」な状況は、
というものでありましょう。
実は「敵は強大、味方はわずか」
というミュータントでXな方々のキャッチコピーのような現状況に対して彼らの力を得るべく、瞬間転移のアイテムを使って「各国に世界の危機を知らせに行く」なんてことも考えていたのです。しかし、なんとなく線路から脱輪しまくっているような気がしたので取り止めとしたのですが、今改めて考えますとそっちの方が面白かったよーな気が。
ちなみに「世界の危機に際して他の国と連携を取ろうとする」というアクションは、昔に掛けたことがあります。そのときの結果は「有史以来、他の国の存在が確認されたことはない」
というもので、舞台が箱庭世界だったことが判明したのですが、この『英雄×勇者×救世主』、どうも舞台劇どころか、文字通り机上の物語に過ぎないのではないかという疑いが最近強くなっていまして、「誰か、私の疑念を晴らしてー」などと思っていたりしたのですが、シュルツ氏のプレイヤーさんのプラリアを読んだりしますと、そんなことはどーでもいいことのように思えてくるから不思議です。
微妙に萌え口調なノルン萌えー。
アースとエンブリオンの狭間。
ノルンが門を開いたあの空間に、どちらの門も潜らなかった者達がいた。
一時的に力を失い崩れ落ちるノルンを抱え、アルベルト・シュタイナーが問い掛ける。
「ノルン、お前を信用していいのか? 歴史を修正するなど存在してはならない力だ。移動するにしてもシュラークフィーダー勝ちからをつける前に殺せばいいのではないか? その場合、すでに過去に戻った者達は存在しない歴史に戻った事になり消滅してしまうのか? 過去に戻った結果歴史が変わるのはいつだ。その結果を俺たちが知るのはいつだ。今から向かうアースはすでに修正された歴史にはならないのか? また、全員がアースで魔族を倒したあとで過去に戻るではいけないのか?」
同じくセピア・プラタナスが告げる。
「希望というのは過去の過ちを正す事じゃない、過ちを認めてそれを次へとつなぐ事なんじゃないかな。今のボクはここで終りにしてください。
ボク達が今まで誰かに出会い、そして経験し、別れた事。それらすべてがボク達の生きてきた証なんだと思う。その結果が悲しい事になったとしても、それを否定してやり直そうなんて事、ボクには出来ないだから、今のボクはここで終わりです。すごく悲しい事だけど、それもボクが生きてきたことの証だから」
ヴァイス・フォルセティも言った。
「いかに破滅を防ぐとは言え、最善ではなかったかもしれないが大勢の人が涙を、血を流して下した決断や、それら積み重ねられたものを元から存在しなかった事にするのは果たして正しい事と言えるのか。もしもこの先同じような事が起こればそのたびに大半は知らなかったうちに歴史は修正されるのか」
「ち、ちょっと待って下さい」
立て続けの質問や叱責にノルンが慌てて首を振る。
「ええと、そもそも歴史をやり直す事が正しいのかどうかは私には分かりません」
「時の女神となったお前がか」
アルベルトが不審な顔をする。
「それはそうです。では逆に皆さんは過去に向かった人々の決断は間違っているとお思いですか?」
「それは……」
ヴァイスが複雑な表情を覗かせる。
「私は禁忌を侵したのかもしれない。でもそれが禁忌だと分かっていても、それで一度は滅びた人々を救えるのなら、やはり私は同じ選択をしていたと思います」
「確かに手段がそれしかない以上、いや、その手段がある以上、やめろというつもりは無い」
ヴァイスが自分に言い聞かせるように言った。
「すいません、神として私は未熟なようです」
「でも、お願いがあります。今回の歴史修正が終わったらもう二度と、こんな事をしないと誓ってくれませんか?」
セピアが強く訴えかけた。
「そうですね。確かにこれは難しい問題ですし」
ノルンもそれについては皆の言葉に実感したようだった。
「一番いいのは監獄塔の私を救い出した上で滅亡の歴史を回避する事です。そうすれば私が神となりこのような決断をする事はなくなりますから、繰り返しは根本からなくなることになります」
「なるほどな」
「アルトゥース陥落前に門を開いたのは、あれが私の力の限界だったからです。他にもアルトゥース陥落以降にでしたら可能でしたが、それでは意味が無いかと思ったもので」
「……確かに、あれが限界であれば」
アルベルトも過去を回想するが、それ以降では何もかも手遅れであるように思える。
「あとは、歴史と存在についての関係ですが……皆さんはご存知なのですか?」
はあ?という顔でアルベルトやセピアがノルンを見遣る。
「いえ。実は私も良く分からないもので」
思わず皆、脱力する。
「なにしろ初めての事ですから。未来と過去をつなぎ合わせるなんて。正直何が繋がり、何が変わるのかすら私には理解出来ていないのです」
そう言えば、彼女自身出来たての神であった。
それもこの世界に一人っきり。
「だから消滅とか影響とか、今後何が起こるのかを見てみない事には分かりません。セピアさんがどうなさるのかはご自分でお決めになって下さい。この空間は魔族が作ったアースとエンブリオンの門。歴史が思うように改変されれば消滅するでしょう。少なくともアースからの情報をエンブリオンに伝えるまでは無事でしょうが、ここに残り続ければ自決されるのも同じ事になります。皆さんも注意して下さい」
ふと、ノルンは質問の輪に加わっていないラリー・ギルストラップに気がついた。
「あなたは何か聞きたい事があるのではないのですか?」
「いや、オレは力を使い果たしたあんたを置いておくわけにもいくめえと思っただけさ」
ラリーはへっと笑った。
「ま、アンタにゃ必要ないかも知れねぇけどな。オレでも少しは時間稼ぎくらいにはなるだろ」
「助かります。正直、今は体を動かすだけでも辛いもので」
歴史の跳躍、やはり神の力をもってしてもこれほどの負荷が掛かるものなのだ。
「ま、聞きたい事といやぁ」
ラリーはどっかと腰を下ろした。
「どうせしばらく暇になるんだ。ノルン、あんたの昔話でも聞かせてくれや」
「私の?」
「そう。例えばなんで剣なんて握るようになったんだ、とか」
「そうですね。最初は一人でいるのがイヤだから、兄さんがお師匠様……シュラークフィーダー様に教わっているのを横で真似していたんです。でもそのうちに私の方が上手くなってしまって……」
「落ち込んだろ、ゲイルロードの奴」
「ええ、それはもう」
考えてみればノルンが皆と落ち着いて話す機会などこれが初めてであった。
これはラリーのちょっとした気配りだったのかもしれない。
ノルンは体を横たえると、言った。
「それじゃ、皆で昔話をしましょう。じゃあ次はアルベルトさん」
「お、俺か?」
「いいね、んじゃお題は『恥ずかしかった時の話』な」
ヴァイスが茶々を入れる。
そんな中、セピアは一人あることを考えていた。
(そう言えば、こう言う可能性はないんだろうか……この改変も僕達が知らないだけで何度目か、って言う事は……)
公式サイトに「Bエリアリアクション送付について:2日の遅延が発生いたします」
とありましたが、昨日しっかり予定通りにリアクションを発送するという、ひとり時間差しぱたをかましてくれました『英雄×勇者×救世主』。アクションの結果は「ほぼ意味無し」という状態でして、どうせ答えてくれないのならばあんなに質問をずらずら書き連ねて頂かなくても結構ですよ、榊マスター。
と思ったら、第3部だけ担当が乾マスターになってます。今回は合作なのでしょうか?
と思ったら、修正されたリアクションが届きました。
さて、今回、オーラロードに残った理由は「ノルンがいれば何度でもやり直すことができる。最終的には“魔族に勝った歴史”を知った後に行動できるようにさえなる。ならば、弱っている今の彼女を1人にしてはおけない。殺されるのはまだいい。過去に別のノルンがいるからだ。しかし、魔族に乗っ取られでもしたら話にならない」
というものだったのですが、見事にスルーされてしまい、落ち込んでみたり。実際、タイムパラドックス関連はキャラクターというよりもプレイヤーの疑問でして、「ノルンを信じられないこれだけの理由」を自問的に列挙したものだったため、あそこまで直接的に質問を行うことになろうとは、この海のリハクの以下略。
結局、ノルンからは答えは得られませんでしたが、今回、「現在と過去とがリアルタイムに進行する」という同一時間軸上の世界では絶対にあり得ないことが起きていますので、過去の世界はパラレルワールドとして理解することにしました。図解するとこう。
赤矢印が魔族、青矢印がPCの動き、色が付いているところがPCの行動箇所です。矢印を左から見ていきますと、最初のワールド『A』の第3回終了時付近に魔族がエンブリオンからアースに渡ります。続いて、シュラークフィーダー戦での死亡者が渦に移動し、第4回終了時に一部のPCがアースに帰還。この時点で既にアースは魔族に乗っ取られています。そして第5回の途中でマキーナがアースからエンブリオンに移動。PCはマキーナに殺されたり、エッケザックスの男に殺されたりして渦へと移動し、その後、ノルンが門を開きます。1つはアースへのもので、もう1つは『A』と比べて時間の流れが8か月だけ遅い以外は全く変わらぬ歴史を歩んできたパラレルワールド『A'』のエンブリオンへのもの。こちらは次元の壁を突破する関係で魂や宝具しか持ち込めない、ということにしておきましょう。
上記のように考えれば、『A』第6回の渦と『A'』第2回エンブリオンとの間で会話を行ったり、『A'』第2回の歴史を修正しても、その結果が『A』第6回には直接影響したりしないことの説明が付きます。つまりノルンは時の女神ではなく、次元の女神だったのです。……いや、99.99999999%間違っていると思いますが、こんな風にでも理論武装しておかないと、アクションを考えることすらできないんじゃよー。
「このゲームって、実は『IT CAME FROM THE LATE, LATE, LATE SHOW』なんじゃないの?」
そんな疑念が消えない『英雄×勇者×救世主』ですが、〆切を明後日に控えた第7回アクションをそろそろ考えることにしました。さて、このBブランチの「急展開に過ぎると言って言い過ぎることはない」というくらいに急展開な現在のストーリー展開には少なからぬ人が「No」を唱えているということを、第2回の時点で80人いた参加者が現在61人にまで減っていることからも読み取れるような気がしたのですが、それでも5つのブランチの中で一番人数が多かったりするので、ひょっとすると違うかも。
今回の『マスターより』には、「物語のペースを落として強制的に見える急展開を減らしてみました」
とあります。ということは、現在の負け負けな状況も決して不可避なものではなかったのでしょう。第3回の4か月すっ飛ばしを見て、「あぁ、こーゆー風にちゃぶ台をひっくり返す予定だったから、第1回でPCが別勢力を立ち上げるのを認めたのね」なんてことを考えていたのですが、これは考えを改めねばならないようです。続けて、「僕たちはどうして……こんなところに来てしまったんだろう」
的に、一体どんなアクションを掛ければ別の展開に持って行くことができたのかを考えたりしていたのですが、それ以前にその言葉信じていいんですよねマスター?
その場合、地球が魔族に支配されることもなく、甲冑生体決戦兵器や時間跳躍といったSF的なガジェットが登場するわけでもなく……しかし、あいかわらず人間の涙をグラスで飲むよーなオサレ魔族は存在するわけで、やっぱり「人だから騎士になるのか」
的な展開ではなく、ハルマゲドンに突入することに変わりはないような気がしてきました。
というところで、
「『ダーティペア』で始まって、『超人ロック』で終わるSFなんて他にないぞ」
と評された『キディ・グレイド』を思い出した次第。
「オレか? オレはオマエのよーく知ってるヤツよ!」
そんな感じのエッケザックスの男の正体が人類補完計画完了後の人類の姿だったりしたら嫌だなぁ、とか、誰か現代人の方がNPC及び三聖剣の名前と『ディートリッヒ伝説』との関連性をつっこんではくれないだろーか、とか、今回魔族が「エボルシオン」って単語を使ってるけど、これってどっかの賢者が「仮に名づけた」
もんじゃなかったっけ、というか、言語に関係なく意思疎通が行われる世界なら「エボルシオン」というエンブリオンでの単語ではなく、日本語に訳された「神化」としてしか日本人には伝わらないのでは? なんてことを思ったりするわけですがそれはさておき、第7回のアクションは、
という無敵の三段論法により、「過去と現在とは繋がっていない」という前提でアクションを書いたのですが、すっかりプレイヤーとキャラクターの目的とが一致してしまい、全く遊び心がないものになってしまいました。キャラクターの性格も有言実行の筈が、プレイヤーの性格を色濃く反映してきた結果、すっかり理屈屋になり、「こんな筈では……」と思うと同時に、「こんな男と幸せな家庭を築いていた家族はなんて凄いんだろう」などと他人事のように思ったり。
ところで今回、条件付きで魔界時空に居残ることを選択したのですが、このまま消滅してしまった場合、過去に存在するキャラクターでプレイを続けることは可能なのでしょうか? そうした場合、アルベルトは「シュラークフィーダーによる死者の復活」にこだわることも、タイムパラドックスに悩むこともなくなりまして、今よりだいぶ前向きに行動できるようになる気がするのです。
なお。
前回、「過去に戻らなければ、今回と第2回のアクションとでダブルアクションを合法的に行えるな」「過去に戻った人の第6回アクションと過去に戻らなかった人の第2回アクションとを組み合わせながら処理する必要があるのか。マスター、大変だなー」などと思っていたのですが、第2回のアクションは完全に無視されてしまったようでちょっと悲しい思いをしたのはここだけの秘密です。
狭間の空間も不安定になりつつあった。
「ノルン、彼らの役割は終わった。死んだところで問題ない。それより今はお前自身の存続を考えるべきだ」
「おいおい」
アルベルト・シュタイナーのあまりな言葉にラリー・ギルストラップが声を上げる。
「優先度の問題だ」
アルベルトは理路整然と告げた。
「ノルンの言葉を借りれば今後何が起ころうともアースの人々は救われるはずだ。敵の居場所も分かった。過去には過去の彼らもいる」
「理屈は分かるけどよ、そいつはちと冷たすぎるんじゃねえか」
「まあ待て。しかし俺はそうならないと考えている」
アルベルトには目をつけた事実があった。
それはアースの英雄達がエンブリオンに帰るという事。
それと同じことがノルンにも可能なのではないか?
「ノルンを過去に連れ戻る。そうすれば神としてのノルンは存続する」
「そうか」
ラリーも名案だ、と思った。
それならば時間的な問題も無い。
しかし、ノルンは首を振った。
「いいえ、それは不可能です」
「どう言う事だ」
アルベルトの問いにノルンは申し訳なさそうに告げた。
「私は、過去の私が消滅する事によって生まれた、神と言ういわば別の存在です。存在そのものが違う以上皆さんのようにはいきません」
「神として新たに誕生した、って事か」
「みすみす魔族への最大の抵抗力であり、死すらなかったことにできる存在を手放すしかないのか」
アルベルトは苦々しく呟いた。
「すみません」
「なら、連中には時間内に戻ってもらうしかねえな」
言いはしたが、その困難はラリーも承知しているつもりだった。
『英雄×勇者×救世主』の第7回リアクションが到着。
まず最初にAdobe Readerの検索で自分のキャラクターが登場しているシーンをざっと確認し……予想通りタイムパラドックス関連が全てスルーされているのを見て、ひとしきり_| ̄|○した後、最初から読み始めました。そして、改めて当該シーンを読み返し、
「ノルン、彼らの役割は終わった。死んだところで問題ない。それより今はお前自身の存続を考えるべきだ」
「おいおい」
アルベルト・シュタイナーのあまりな言葉にラリー・ギルストラップが声を上げる。
「優先度の問題だ」
アルベルトは理路整然と告げた。
「ノルンの言葉を借りれば今後何が起ころうともアースの人々は救われるはずだ。敵の居場所も分かった。過去には過去の彼らもいる」
「理屈は分かるけどよ、そいつはちと冷たすぎるんじゃねえか」
「まあ待て。しかし俺はそうならないと考えている」
アルベルトには目をつけた事実があった。
それはアースの英雄達がエンブリオンに帰るという事。
それと同じことがノルンにも可能なのではないか?
「ノルンを過去に連れ戻る。そうすれば神としてのノルンは存続する」
――俺、こんな風に解釈できるアクション書いたっけ?
神の力を失う、又は、お前(ノルン)自身が消滅するというのなら、すぐ過去に戻るべきだ。過去のお前が死んで、再び覚醒する保証はない。このままでは、みすみす魔族への最大の対抗力を捨てることになる。
今アースにいる者達なら、問題はない。お前の言を借りれば、
「この後何が起ころうとその人達を救える」筈だ。敵の居場所がわかった時点で彼らの役目は終わったと言っていい。今の彼らが死んだとしても、過去には生きた彼らがいる。俺達がやっている歴史の修正とは、そういうことだろう?もっとも俺は、お前の力もこの空間も消えないと思っている。過去に干渉した結果、「アーウィンはブランネージュには行かなかった」ことになった。しかし、俺はその結果を知らないし、アーウィンが城に行ったことも憶えている。これは過去の改変が今の俺達に影響しないことを示すものだ。「彼らが戻った過去」と「この世界」は、繋がってなどいない。
以上が前回のアクション(抜粋)なのですが、前提となるタイムパラドックス関連の話が削除されてしまったため、リアクション中の「そうならないと考えている」
の「そう」
が何を指すのかわからなくなっていたり、前後の文脈が繋がらなくなっていたりします。というか、自分のキャラクターが何考えて喋ってるのか、さっぱりわからないよママン。
『英雄×勇者×救世主』ですが、服を着たり、食器を用いて食事をしたりしているということは、魔族にも生産者階級が存在するということでしょう。そうしますと、実は灼熱のエヴァは元々は貧しい農家出身で、実家に帰ると「おねーちゃん、おなかすいたー」とか言ってくる弟や病に伏せっているお母さんがいたりして、自分が持つ「灼熱」の力で作った焦げ焦げのおかゆ(←細かいことが苦手なので調理が大雑把)なんかを手にしながら、「おっかさん、おかゆができたわよ」、「お前には苦労ばかりかけてすまないねぇ(ゲホゲホ)」、「それは言わない約束よ」とかやっていたりするのに、弱肉強食の魔族の世界にあってはそんな家族愛を露とも見せるわけにはいかず、今日も今日とてサピエンティアの前では元気に高笑いする一方、自室では机に家計簿を広げて仕送り額を計算しながら、「お給料上げてくれないかなー」とか、「帰りに駅前の薬局で漢方薬を買って……」とか考えていたりすることもありうるわけですか。おおぅ、エヴァ、蝶・萌え!
とか馬鹿なことを考えている須賀和良です。ごきげんよう。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
という諺を思い出そうとし、「二兎を……二兎を……二兎を得んと欲する者はまず馬を射よ?」なんて言葉が脳裏をよぎり、いよいよ自分の日本語能力が危険域に達し始めたことを自覚した須賀和良です。ごきげんよう。
さて、当サイトへのリンク元を確認していましたら、VOLKSの方が『化石の人』経由で来ていることに気付いて恐れおののいたり、鹿原こるりさんがID指定でリンクを張られていることに気付いて「いやー! ソースを見ないでー! 人の情けがあるのならー!!」と悶えたりしていたわけですがそれはさておき、そろそろ『英雄×勇者×救世主』のアクションを考えることにしました。
今回、ラスボスっぽい魔族の名前がラテン語で「知恵」を意味する「サピエンティア」ということが判明したり、そいつが「ぼくのかんがえたさいきょうのガンダム」的な全ての伝説の武具、魔具を操る事が出来るできる
杖を持っていることが明らかになったわけですが、え、ちょっと待ってください。それは、形状も効果も由来もバラバラで、どんな原理なのかも分からんけど何らかの特殊能力を持っているアイテムを総称して「伝説の武具」と呼んでいるわけではなく、全ての「伝説の武具」には何かしらの共通性があり、それは一般的なアイテムには備わっていないものである、ということですか? 例えば、捨てようとすると「それをすてるなんてとんでもない!」
とメッセージが表示されるとか。
ひょっとすると、全ての伝説の武具は、同じ力を源にしてその能力を発揮しているのかもしれません。そうでなければ、「伝説の武具だけを操る」という効果を設定することはできないと思われるからです。ならば、今回はこれを追求するのみ。その原理を解明することができれば、絶対的有利を信じて疑わないラスボスの裏をかくことができます!
などと突っ込まずにはいられない性格が、ここ3回のアクションを無駄にしたわけで。_| ̄|○
またもや『RAGNAROK THE ANIMATION』を見たことがなかったりしてゴメンナサイ。宮城ではやっていないのですー。というか、日記をトップからDIARYに移したら、しっかりリンクも修正されていたことに恐怖した私です。
『英雄×勇者×救世主』に関して、「ミームングなど所持していたものは共にその場に現れていた」
ということは、それぞれが他人の伝説の武具を持って過去に戻れば、伝説の武具が全部2つになったんじゃなかろーか? などと2回も前のオートイベントのことを未練がましく考えている須賀和良です。ごきげんよう。
さて、前回の日記では「伝説の武具の源を調べよう」といったことを書きましたが、そんな没まっしぐらな考えはゴミ箱に放り投げることにしまして、今回からは前向きに戦いに参加することにしました。前回・今回のリアクションでは書かれていませんが、現在の戦いに関するアルベルトのスタンスは「守りたいもの(家族)を既に失っている」というものです。それで今までウダウダとやっていたのですが、「家族を取り戻す手段を探せる世界を得るために戦う」といった理由付けを行うことにしたわけです。そんなわけで、魔族との戦いに勝った後、もし時間逆行の手段が見つかったなら、また世界には魔族と戦う歴史を繰り返して貰うことになるのがちょっと心苦しいですが、現実として、
「そうか、そうだったのか! 俺達は……とんでもない考え違いをしていたのかもしれない」
「ど、どうしたんだ! シン!」
「つまり理想そのものが間違っていたんだ! 正義なんて、なかったんだよ!!」
「なっ、なんだってェ―――――!!」
という「シンが現れなかった世界で魔族と戦って負けた歴史」はなかったことにされて、こうして皆さんまた戦っているわけですので……というところで、ちょっと思いついたことが1つ。結果、また「前向きに戦いに参加する」とは違うアクションになってしまいましたが、今までよりは少し前向きで状況改善に貢献するものになったんじゃないかなー、と思います。
問題は、目的は明確なのに具体的手段が見つからない、ということですが。
携帯に「あ、もしもし、お疲れ様です。えっと、Sですけども。先程、Hさんからお電話があって、発注のFAXが届いていないということだったので、これを、留守電を聞いたら至急連絡下さい。お願いします」
という留守電が入っており、マジなのか引っかけなのかと1分ほど悩んでしまった須賀和良です。ごきげんよう。
さて、本日が『英雄×勇者×救世主』のアクション〆切ということで、頭の中にあった文章をエディタでバタバタと打ってみたのですが、こちらもやっぱり没まっしぐらな感じがしてきまして、ちょっと落ち込んでみたり。瞬間移動ができるのですから、「斥候として一足先に月に行く」とか「ドミニオンをかっさらう」とか、そういったアクションにしてしまおうかなー、とも思ったのですが、やはり「90%の確率で10の効果が得られるもの」よりも「10%の確率で90の効果が得られるもの」を選びたいのです……って、前述の行動にしたところで15%も成功率はないような気がしますが。
ところで次回、魔族に隕石落としを仕掛けられる予定なのですが、それについては『逆襲のシャア』よりもむしろ、『宇宙戦艦ヤマト』の遊星爆弾の方が近いんじゃないかなー、と思ったのですが、実は一番最初に思い付いたのが『機甲戦記ドラグナー』のマスドライバーだったりしたのはここだけの秘密です。だってほら、連射可能で月からの攻撃ですし。
次回は「世界名作劇場的な羊飼いの少年が空を見上げたら巨大な隕石が」という出だしで始まるに10ペリカ。
アルベルト・シュタイナーは考えていた。
(ゲイルロードやペルルはノルンの門を通らずとも記憶を取り戻した)
つまり、自分達にもシンの言う『過去の記憶』が眠っているのではあるまいか。
その中にはサピエンティアとの戦いの記憶もあるだろう。
そこにはサピエンティアを倒すヒントが残されているかもしれない。
思い出せ。
記憶の奥に。奥に。
今はもうそんな些細なものにでもすがるほかはない。
ばっ、と脳の中が白くなる。
体験したはずのない出来事、それがまるで連続することなくでたらめな順番で再生される。
「ぐっ!」
許容以上の記憶を流し込まれているようだ。
酷い頭痛にアルベルトは呻いた。
だが諦めるわけにはいかない。
記憶の奔流に飲み込まれながら、目的の『何か』を探す。
「これだ……」
ただ一つ、サピエンティアの弱点を知る。
だが、それはあまりに困難なものだった。
それでも、何もないよりはましだ。
「皆、聞いてくれ。サピエンティアは全ての魔具を同時に使う時、その一瞬だけ無防備になる」
あれだけの魔具を使うのだ。一時的に魔力が空になるのだろう。
「でも、それは……」
エマ・スプラウトが躊躇いがちに呟く。
分かっている。
第一に、それほどの攻撃を仕掛けられながら、どうサピエンティアに近づくのか。
第二に、どうやってそのタイミングを計るのか。
「あの」
控えめにカノラ・ノーノが申し出た。
「攻撃がくるのが分かれば、私、あの杖を落とすくらいなら出来るかもしれません」
あとはタイミング。
しかしそれはサピエンティアの頭の中を覗く事でも出来ない限りは……そこまで考えて、エマははっとした。
「あるかもしれない。サピエンティアの精神にアクセスする方法」
「ドミニオンさえどうにかしてくれたら」
冥王オリエが告げた。
「私があいつを葬り去ってみせるわ」
メンバーはメイド、見習い剣士、お嬢様。
どれも頼りない手段ばかり。
しかし、それらを結い合わせる事で一縷の希望がここに生まれた。
「やるわよ。もう迷ってる暇なんてないでしょう」
先日、テレビ版『うる星やつら』の中で一番好きな第180話『ダーリンのやさしさが好きだっちゃ…』を久方ぶりに見返していたところ、動画に川元利浩氏の名前を発見して、「この人、こんなに古くからやってたんかー」と驚愕しまくった須賀和良です。ごきげんよう。
さて。
『英雄×勇者×救世主』の第8回リアクションが届きましたので、早速、Adobe Readerの検索機能で自分のキャラクターの出番をチェック。毎度の如く第1部と第2部には登場せず、第3部にてようやく名前が確認されたわけですが、その回数はわずかに2回。
「お美事! お美事な没にござりまする!」
とか思いながら当該シーンを読み始めたところ、予想に反して「失われた記憶を取り戻す」というアクション自体は採用され、一応成功もしていました。もっとも、私は「かつて敗北して死んだ記憶を全員が取り戻して最終決戦に臨んだら、かっこいぐね?」などと考えていたものですから、記憶(の一部)を取り戻したのが私のキャラクターだけというのは、かなりの負け判定なわけですが。
なお、この結果により、さらにタイムパラドックス関係の謎が増えてしまったのですが、次回はなんとかそこいら辺を突っつくことは控えたいと思います。というか、最終回1つ前なのに「束の間の日常」
を演出する、っていうのはいったいなにー。
「レッグフライヤーはなんでとぶのんー?」
「エリパチですけどー」
という感じの『ローエングリンを討て!』を見た後に実況掲示板を覗いてみたところ、コニールが登場したシーンで「ツンデレ」なる言葉が多く交わされていまして、「何それ?」と検索してみると……なるほど、私的萌えキャラは世間一般ではツンデレというアーキタイプに分類されていたのかと、また1つ新しい概念を憶えた須賀和良です。ごきげんよう。
コニールは全然ツンデレじゃありませんでしたが。
さて、そろそろアクション〆切が迫ってまいりましたので、『英雄×勇者×救世主』のアクションを考えることにしました。リアクションをちゃんと読んだのは今日が初めてというダメっぷりですが、いやもう、読んだ後にやりたいことがわんさかわんさか思い付くこと思い付くこと。もっとも、そのどれもが没まっしぐらであることが自分でも分かる辺り、ちょっと悲しいものがありますが。
今回、ラスボスだと思っていたら実は中ボスだったサピエンティアなる魔族を退けましたが、結局こいつは上級魔族その1に過ぎないという現実がありまして、次回の「パーティーじゃ、パーティーじゃ!! 今宵はパーティーじゃ!」
という展開のラスト辺りにその2、その3が現れることは火を見るよりも明らか。正直、「神様、一体何してるの!?」
と思ったりしますが、最後の最後に、
「やっときましたね。おめでとう! このゲームをかちぬいたのは、きみたちがはじめてです」
「ゲーム?」
「わたしがつくったそうだいなストーリーのゲームです!」
「どういうことだ?」
「わたしは、へいわなせかいにあきあきしていました。そこで、まぞくをよみだしたのです」
「なにかんがえてんだ!」
「まぞくはせかいをみだし、おもしろくしてくれました。だが、それもつかのまのこと。かれらにもたいくつしてきました」
「そこで、ゲーム・・か?」
「そう!そのとおり!! わたしは、あくまをうちたおすヒーローがほしかったのです!」
という展開になったら嫌ですので、この流れには反逆したいと思います(つか魔族って、絶対壊滅無敵殲滅軍団に近いものがあるような気が)。
ところで次回、晩餐会を催すのはいいのですが、アルベリッヒの英雄狩りはどうなったのでしょうか?
氷室零らの一団はアルトゥースの城を見下ろす丘を歩いていた。
「本当にこんな場所にいるのか、シンは」
アルベルト・シュタイナーが尋ねる。
「間違いないと思うよ」
長船亮が振り返り告げる。
「山摘みに出た娘さんがこの辺りで見たって」
「ほら、あれ」
獅堂千晶が指差す先にはシンと、何か話しているルピ・ディモル、フィオフィ・フォウ、二人の救世主の姿があった。
「先客がいたみたいね。ルピ、フィオフィ」
「千晶、みんな……」
今日のフィオフィはいつもと違い、表情を曇らせている。
「今日は来客の多い日だ」
シンは気にする様子もなく言った。
「……探したぞ。こんなところにいたとはな」
零がぶっきらぼうに言った。
「人と会う約束があってな。今日も訪れるはずだ。……それで?」
シンは一同を見渡した。
「色々と聞きたい事はあるが」
アルベルトはルピとフィオフィを見遣った。
「ここは先客からといこうじゃないか」
「……シンの中にフィオフィもいる?」
思い切ってフィオフィが尋ねた。
「つまりは、私達がシンの中にいるのなら……シンなら天界の事について分かるんじゃないの?」
ルピが厳しい視線をシンに向ける。
そう、救世主である自分達を含みプログ・エボルシオンにまで達したシンであれば。
すでに天界人としての記憶を取り戻しているのではないか。
二人はそう考えたのだ。
「確かに断片的に思い出していることはある」
確かにシンはそう言った。
「教えて!」
フィオフィがシンに詰め寄った。
「フィオフィの記憶、フィオフィの使命。フィオフィ、思い出したいの」
「それは出来ない」
にべもなくシンは告げた。
「どうして?」
「今回のような特例を除き、天界は基本的に人間界に対して不干渉だ。その為救世主達にはある一つの呪縛を自らに施している」
「呪縛?」
ルピが怪訝な顔をする。
「天界の事を口にすれば強制送還されるという呪縛だ。障壁はあっても肉体はこうして地上に降りた。送還も恐らく行われるだろう」
「それじゃ、答えられなければそれでもいい。私の質問を聞いてもらえる?」
ルピはかねてからの疑念を口にした。
「神は本当に人間の味方なの?」
もしかすると、神もまた人間の敵なのではないか。
記憶を失っている為かそんな疑念が頭から離れない。
「それは問題ない」
ひどくあっさりとシンは応じた。
「救世主として問題のない範囲で話せば、降臨した者達に限らず天界は人間界の事を救いたいと考えている」
「よかったあ……」
それだけでも聞けてフィオフィは安心した。
「むしろ難しいのは人間だ。人間は神にも魔にも成りうる存在。それを破滅に導くのが魔族であれば、神化に導くのが天界の願いだ。これはそう言う戦いとも言える」
「鍵となるのは人間、か」
ルピが呟く。
「でも、皆を見ているとそんな心配はいらないと思うわ」
「だといいがな」
シンは僅かに口元に笑みを浮かべた。
「では、一つ障壁について聞きたい」
救世主達の問題が落ち着いたと見てアルベルトが問うた。
「サピエンティアがいなくなった今も障壁は存在するのだな」
「そうだ」
「なら、その力の源は何だ」
シンは考え込んだ。
「それは私にも分からない。魔界の力を根元としているのか、それを司る魔族がいるのか、だとしてもそれは何者なのか。我らの手に届く場所にいるのかさえ」
「何と言う事だ!」
アルベルトは傍らの木を殴り付けた。
驚いて鳥達が空へと舞い上がる。
これは重要な事である。
残る卵を巡る魔族、それを打倒したところで魔界からの脅威が消えるわけではない。
天界からの介入があれば、以前のように魔界より人間界は守られるかもしれない。しかしその可能性は今の時点ではないと言う事である。
「戦いはいつ終わるかすら分からないと言う事か!」
「アルベルト」
千晶がその肩に手を置いた。
「この世界で戦っているのは私達だけじゃないわ。他の誰かが手がかりを見つけ、障壁を破壊してくれるかもしれないじゃない」
慰めに過ぎないとは分かっている。
戦いが終わらない。
それはアルベルト以外の一同にとっても衝撃的な事だ。
しかし、それでも。
「それならば、次なる戦いに備えるまでだ」
零が毅然として言った。
「教えろ、シン。俺達の次なる相手の事を」
『英雄×勇者×救世主』のリアクションが到着。
毎度の如く、検索でキャラクター登場シーンを探し、一通り没になったことを確認し終了です。前回のアクションは「障壁を壊し神の介入を願うか、エボルシオンした者を人柱に新たな障壁を張るか、ノルンを神化させ障壁が張られる以前に戻るか、それとも……。四者択一、決断をお願いします」
というものだったのですが、1番は無理の無理無理、2番と3番はスルーという結果でした。ついでに決め台詞を使って、シンがどうやって過去に遡ったのかも訊いたのですが、こちらもスルー。まぁ、予想通りの判定です。
さて、ゲームをプレイしていますと、「あーゆーキャラクターにすれば良かった」「こーゆーアクションを掛ければ良かった」と思うことがよくあるのですが――実際、『華乃東萌嵐知希話』は後悔&反省しまくりなわけですが――こと、このBブランチに関しては、そーゆーことが全くない状態だったりします。「私、この方とは決定的に相性が悪いんです」
という感じでしょうか。
現在までの榊マスターの印象は、「ガジェットの使い道が非常に限定されている」というもの。戦闘兵器としてモビルスーツは出すが、それを土木作業に使うのは認めん! みたいな。もっとも、「伝説の武器やエボルシオンの力があれば、潅漑とか開拓とかの大規模工事で重宝されるよなー」とか、「英雄達と一緒に過去に遡った一匹の魔族の知識から、魔族はマキーナを作り上げてしまった。これが何を意味するかわかるか?」「何って、周囲には常に注意しろってことか?」「違いますよ、マキーナを生産するのに地球の科学技術は必要ないってことです」「そうだ。ならば、エンブリオンの人間にもマキーナが作れないという道理はない。その結果、何が起きると思う?」「何が起きるって……ま、まさか!?」「そう、産業革命だよ!」とか、そんなことばかり考えているのが悪いのかもしれませんが。
今回、新たに3人の大魔族が登場しまして、3回目のボス戦に突入することになりましたが、正直なところ、マスターが「これいいだろ?」
と提示されたこの展開をどれだけの方が「そう来たか!」「面白ぇ~!」と思っているのかちょっと疑問だったりするのですがそれはさておき、この最終決戦において、
「……とはいえ、な。“サピエンティア”クラスが3人だぞ?」
「ああ、圧倒的な覇王パワーだ」
「なんだよ覇王パワーってっ!?」
「……ち、デモンクロリアン値が尋常じゃねぇ」
「だから勝手に専門用語つくんなよっ!?」
といったノリで全員が格好付けながら負けて死ぬアクションを掛けたら、それはそれで面白い展開になりそうな気がしたのですが、その前にまずきちんとリアクションを読むことから始めたいと思います。
「3大魔族の1人の名前は“無敵のイルダーナフ”と言う。イルダーナフとは、ケルト神話の光明神ルーの別名だ。また、別の1人の名前は“時のゼノクロノス”。知ってのとおり、クロノスとはギリシア神話の時を司る神のこと……これらは偶然の一致で片付けられることじゃない。しかし、彼らの親が地球通で神話から名前を取ったと考えるのにも無理がある。とすると、考えられるのは、その逆……」
「逆ってまさか……!?」
「そう、地球で語られている神話、それらは全て魔族の歴史だったんだよ!」
「なっ、なんだってェ―――――!!」Ω ΩΩ
というか、「イルダーナフ」とはゲール語で「何でもできる者」という意味らしいのですが、そうすると言語に関係なく意志疎通ができるエンブリオンでは「無敵の何でもできる者」と聞こえてしまうような気がする『英雄×勇者×救世主』のアクション締切がいよいよ明日に迫って来ました。
前回、前々回の「魔族が張った障壁を壊す」とか「未来の記憶を取り戻す」といったアクションは、現状を根本的に解決する手段を求めてのものだったのですが、無理だったり、さほど効果がなかったりしました。そも、前回の「困ったときの神頼み」ですが、よくよく考えますと第5回でエンブリオン&地球壊滅という状況に陥ったのに神様は介入してこなかったわけですから、たとえ障壁がなくなったとしても、手助けしてくれるという保証はありません。ならば、魔族にエンブリオン侵略が割に合わないものだという認識を持たせるしかないでしょう。自分自身が滅ぶことも含めてゲームと考えているならどうしようもありませんが。
おまけのエピローグを抜かしますと、一応次回が最終回ですので、悔いのない内容にしたいところ――だったのですが、ついに上手い卓袱台返しが思い付かなかったため、イルダーナフに戦いを挑むことになりました。さらにその戦い方も、マスターが提示したガジェットではなく、自分の伝説の武具を用いたものになってしまい、私的にかなり負け犬気味です。なお、「敵と戦う」というアクションを掛けるのは今回が初めて。最後の最後にちょっと戦士っぽい行動を取ることになった、と言えるでしょうか。
ちなみに、
「私欲を満たすために自身の力のみを頼りに戦いを挑んできた魔族と、世界を守るために一人の敵を大勢で手段を問わず倒そうとする英雄か。まったく、どちらが正義の騎士なんだか、わからんな」
とか斜めすぎる考えを経由して最終的にできあがったアクションは下記のようなもの。
無敵のイルダーナフ。奴のことは憶えている。かつて倒されたときのことも、かつて倒したときのことも。剣技で近付けないなら、近付くという過程を省けばいい。俺が奴と重なるように転移し、少しの間動きを封じる。それで終わりだ。
何度、俺達を倒そうとも全て無かったことにされ、最後には負ける魔族。そして、ノルンが納得できる歴史を作り出すまで、魔族との戦いを繰り返す英雄達。どちらも哀れな道化だ。正義が勝つのではない。正義が勝つまでやり直しているだけだ。
ノルンを殺すのではなく、消滅させる。それがこの悪夢のような英雄譚を終わらせる唯一の方法なのかもしれない。
「ノルン、この結末で満足か?」
ゼノクロノスを倒したときに、勇者の誰かに言って欲しい言葉。
「……貴様は甚だしい勘違いをしている」
「頭がガンガンする~。でも、ようやく酔いが醒めたわ」
という感じに起床して更新サイトを巡回していたところ、幾つかのブログに驚くべき情報が載っていました。なんでも、同一世界の10年後を舞台とした『英雄×勇者×救世主』の続編が製作されることになったとのこと。気が早いことに、その続編に投入予定のキャラクターについて語っている方も結構いらっしゃいます。
正直、これにはかなりの衝撃を受けました。と言いますのも、『英雄×勇者×救世主』とは、
のどちらかで、おまけの第11回は役者さん達の打ち上げパーティに違いないとか本気で考えていたからです。世界の謎を探求することを諦め、世界をより大きな謎で包んでしまうことにより、謎そのものを無効化する作戦だったのですが、見事に崩壊。自分の洞察力不足を痛感します。
とか思っていたのに、真実はいつも残酷です。
人々が、引き寄せられていた。
思い思いの武器を持って。
この、恐るべき戦場に。
「みんな……?!」
ファル・ティルリックは「下がって」と言う言葉を飲み込んだ。
気持ちは分かる。
守りたいものがあるから。
「……うん」
ファルは頷く。
「戦おう。みんなで」
パートナーであるラキュエル・ギャレットを見遣る。
ラキュエルの剣、心を力にする伝説の武具『ライトリベレーター』は皆の想いを受けてかつてない光を放っている。
やれる。
あとはその機会をどう作るかだ。
「機会は、俺が作る」
アルベルト・シュタイナーが告げた。
「奴の剣技には近付けない。なら、その手間を省いてやるだけだ。容易な事だ」
その腕には使用者を瞬間移動させる伝説の腕輪が輝きを放っている。
「ぼくも行こう」
スヴィエート・ホーリーアイズも何か考えがあるようだった。
「あいつの剣技を無効化する。単時間ならそれが出来る」
ふっ、と軽くアルベルトが笑う。
「勝つまでやる。正義と言うのはしぶといな」
剣を取って、身構える。
「機会は一度だけだ」
「ああ」
スヴィエートはクラウディア・ロージスに視線を向ける。
これが別れになるかもしれない。
それを察してか、一瞬クラウディアの表情も翳る。
だが、
「行って来なさい」
そう、微笑して応じた。
かつての連れ合いとの経験上、こうなっては男は止められないものだと知っている。
だが、そうした男にだからこそ、クラウディアも命を預けて戦う事が出来たのだ。
「馬鹿げた戦いは続く。だが、せめて今は勝利を」
アルベルトが時空を跳躍した。
次の瞬間。
現れたのはイルダーナフの背後。
そのまま、剣を突き立てた。
「ぐおっ」
予期せぬ攻撃、知覚出来ない出現にイルダーナフに隙が生じる。
そこにスヴィエートが走り込んだ。
「おのれっ」
それは傷を受けているとは言え外す間合いではない。
直接刃を叩き込む。
「うぐっ!」
スヴィエートはそのままイルダーナフの剣をその身に受けた。
だが。
「うおおおおおっ!」
スヴィエートの背に光の翼が生まれる。
四枚、いや六枚、十二枚。
限界を超えたエボルシオンの力でイルダーナフの剣を掴み自らの体に縫い止める。
「馬鹿な」
なんだ、これは。
「正義は、ない」
スヴィエートが告げた。
「でも、その存在しないものの為に戦う。それがぼく達だ」
「何の、為に」
自分を捨てて。
自由を捨てて?
『英雄×勇者×救世主』のリアクションが到着しました。
アクションの採用率は、2割程度といったところ。「失われた記憶を取り戻し、過去に勝利した戦法をそのまま使用する」という反逆的な理由付けは没になりまして、無難に空間転移により接近するデスラー戦法だけが採用されました。敵と同じ空間に転移することで「石の中にいる!」
状態となり、動きを封じる、又は死黒核爆裂地獄を発生させることを狙っていたのですが、単なるバックスタブとなってしまったのがちょっと寂しいところです。
ところで、前回、今回とリアクションに全く登場せず、結局は改変前の歴史同様に一人ぼっちの英雄
となってしまったノルンが可哀想すぎまして、「次回のエピローグでその辺りのことはフォローされるのかな?」と思いつつもその一方で、「やっぱりコイツがラスボスで裏で何かやってるから表に出て来ないんじゃないか」などとも考えてしまいまして、次回、ちぇーんそーでも持ってこの神様に戦いを挑みたくなっていたり。
『蒼き流星SPTレイズナー 刻印2000』を視聴。
本放映から18年が経った今頃になりまして、「ドールって飛べたのか!」「改良型レイズナーって一から作り直したものだったのか!」などと色々驚くべき事実を知ったわけですがそれはさておき、『レイズナー』と言えば打ち切り、打ち切りと言えば『レイズナー』ということで、39話以降の十数話分を1時間に纏めただけありまして、ストーリー展開はかなりの駆け足気味。エリザベス女史がグラドスに抵抗することに絶望してノイローゼになる話など、あまりにも唐突に描写され、しかも結局解決していないという放置っぷりなものですから、「圧倒的戦力と物量を誇るグラドスへの無力感を事前に示しておくことで、デウス・エクス・マキーナとしてのグラドスの刻印に正当性を持たせている」ということが後々わかるまで、「ただでさえ尺がないのに、わざわざこんなシーンを挿入する必要があるのかー?」などと思ったほどです。
ところで、この「レジスタンスの戦力では本星も含めたグラドスそのものに勝ち目はないため、グラドスの刻印により時空を歪め、地球とグラドスとの行き来を不可能にしてしまう」という展開を見たとき、ちょっとしたデジャブを感じたといいますか、これに似た話をつい最近何処かで見たような気がしたものですから、「なんだっけ?」と思い返してみましたところ、
「そうか、そうだったのか。俺達はとんでもない考え違いをしていたのかもしれない……」
「どうしたんだキバヤシ!?」
「須賀和良が『英雄×勇者×救世主』Bブランチ第9回でやろうとしていた“エンブリオンを時空的に閉ざす”というアクションは、『レイズナー』のパクリだったんだよ!!」
「なっ、なんだってェ―――――!!」Ω ΩΩ
_| ̄|○
議事堂から各地の代表、騎士、貴族らが階段を降りてくる。
アルベルト・シュタイナーの働きかけで各地が共同して魔族への対抗手段を探るよう最初の話し合いが行なわれていたのだ。
まだこれからその繋がりを広く、そして深くして行かなくては。
そう決意を新たにするアルベルトの前を見覚えのある人物が歩いているのに気付く。
「ゲイルロード」
振り返ったゲイルロードは酷い顔だった。痣に擦り傷、魔物と戦ったと言うより何者かと取っ組み合ったかのような。
「アルベルト、いい会談だった」
「それよりもその顔はどうした」
ゲイルロードは顔を逸らしてむくれた表情を覗かせた。
「……不覚だ」
「不覚を取った?」
「あの馬鹿者だ」
ゲイルロードがそう呼ぶ人物は一人しかいない。
天城和也。
「一騎打ちで勝ったらノルンとの関係を認めろと言い出した。しかしあの者と引き分けるなど」
屈辱だ、とゲイルロードは顔を歪めた。
「それで。認めてやったのか?」
「よお、アルベルト」
その背後から同じように顔を腫らした和也が声をかける。その傍らにはノルンの姿が。
「この程度の者に引き分けたとあっては俺にとっては負けたも同然。仕方なかろう」
さも悔しそうににゲイルロードは拳を握った。
「まあそう言うなよ。義兄さん」
「兄さんにもそろそろ一人立ちして貰わないと」
二人共にべもない。
まあ、信じてやろう。
あの日、決闘で和也が告げた言葉を。
(俺はノルンより弱いかもしれねえ。彼女を守るなんておこがましいと思う。だが俺はぜってぇ死なねえ。俺は彼女を悲しませねえ)
そう言って、自分と引き分けるまで立っていたあいつを。
「そう言えば、ノルンには尋ねたいことがあった」
アルベルトはふと問いかけた。
「例えば、もしお前にまだ力があって、アルベリッヒの英雄狩り、いやこの争い全てが起こらなくなるような解決策が見つかったとしたら……その幸せを捨てても時間を戻してやり直すべきだと思うか?」
ノルンは少し考えて、言った。
「やると、思います」
少しショックを受けたような和也が憐れではあったが。
「だって、もの分かりの良くなった人間は面白くなんてないでしょう?」
ふっ、と笑ってアルベルトは片手を上げてその場を去った。
アルベルトには取り戻せないものがあった。
それは、家族。
それでもアルベルトは歩むのを止めない。
『英雄×勇者×救世主』の最終リアクションが届きました。
三魔族を撃退し、束の間の平和を謳歌するハーブロークの勇者達。しかし、その平和はとても儚く、とても短いものでした。またもや新たな魔族が来襲したのです。此度、ザクソンの地に舞い降りたるは“魔族の中でも勇者とまで呼ばれた”
アドミスト。その巨躯は今まで勇者らが相対してきた如何なる者よりも大きく、また、その力は如何なる者よりも強大でありました。その鬼神の如き戦いぶりは――そう、まさに伝説のあの超人を思い起こさせるに十分すぎるほどです。
- あの超人
もちろん、レオパルドンの方。つか、技を見せるどころか一言も喋らずに死ぬ最強の敵っていったい……。
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そんな感じに死んだ“魔族の中でも勇者とまで呼ばれた”
アドミストはさておきまして、私の前回のアクションは「魔族への対抗手段を見つけるために外国と協調する」という、最終回以外ではまず認められないであろうものだったのですが、とりあえず出だしの部分が描写されました。
このアルベルトというキャラクターは、初期設定に「家族を殺された」という過去を置き、その失われたものの代わりとなりうるものを見つけることを主題としていました。しかし、シナリオの中で死者は生き返るは、時間は遡るはと、こぼれた水を盆に返す方法が2つも提示されたため、それらに拘りまくっています。
そんなわけで、アルベルトが魔族への根本的な対抗手段を見つけようとしている理由は、「それが見つかったなら、時間を遡って全てをやり直してやる」などと企んでいるからでして、リアクションには「アルベルトには取り戻せないものがあった。それは、家族。それでもアルベルトは歩むのを止めない」
とか書かれていますが、「それでも」
ではなく、むしろそれだからこそ後ろ向きに全力疾走しており、ノルンが「やると、思います」
と言った後には、
とか笑みを浮かべているに違いないのですが、その結末はまた別の機会にお話ししたいと思います。
(バカは無責任なことを言った)