『ステラマリス・サガ』に参加するかどうかも決めていなかった頃から、世界設定等は無視して「拙者、未だ修行中の身でござる故……ニンニン」などという忍者かぶれのキャラクターをプレイしようと考えていましたところ、『カルディネアの神竜』でお世話になった時巻マスターのブランチ専用クラスが「虚無僧」、「飛脚」、「旅ガラス」と和風なことが判明し、「なら、行くしかないじゃないか!」と、早速入金。その時点では「常に黒装束を着ている」、「見た目に性別はわからない」、「お供に鷹と犬を連れている」といった設定を考えていたのですが、届いたプレイングマニュアルに「拙者~でござる」といった口調がなかったため、軌道修正を行うことになり、最終的に上記のようなキャラクターになりました。性格設定には、キャラクター作成の前日に視聴した『魔法使いTai!』の沢野口沙絵の影響が大きく出ています。
名前は「忍者」と言うことで、『カムイ伝』と、『勇者王ガオガイガー』の忍者型ロボットであるボルフォッグから。
タイプ「子息・令嬢」ということを活用し、財力に物を言わせたアクションを掛けることが多かったのですが、大きく成功したアクションは残念ながら第3回だけでありました。
指令八百壱:屠・ブリッツ
ラトルが出した紙には大きくそう書いてあった。
「そんなわけでジェイナム、お前には散ってもらう。みんな、ビクトリー・フォーメーションだ!」
呼び掛けられた他の三人に驚愕が走る。
「先輩! いくら何でも修業中のわたしにあれは無理ですっ、危険すぎます!」
なりは虚無僧でも声が可愛い女ニンジャカムイ・ボルヴィックは今にも泣きだしそうな声を上げる。
「カムイちゃんの言うとおりだよ、だって練習ではちゃんとできたためしがないじゃないか」
ラトルと同じく、かっぷくのいいワァル・ウィンドライクは額に脂汗を浮かべて反論する。
「私はかまわんがな」
黒のスーツに黒マント、顔はマスカレードで隠してもあくまで虚無僧と言い張るラクシュマナ・クリスラミスだけはやる気だ。
「みんな、甘ったれたことを言ってるんじゃない、俺達の虚無僧魂、あいつに見せてやるんだ!」
その言葉に心打たれたか、カムイとワァルは、カ強く首を縦に振る。
「それではビクトリー・フォーメーション!」
ワァルとラトルが腕を絡ませ、中腰で組んでいないほうの手を斜め四十五度に挙げる。
そして、二人を挟むようにカムイとラクシュマナが天高く跳ぶ、四人がいる位置を線でつなぐと……おお、ちょうどVの字を描くではないか! さらにそれでは終わらない、ワァルとラトルは服の裾から鎖を取り出し、それを空中の二人に向かって投げ付ける、空中の二人をとらえた鎖は地上の二人により遠心力を付けられビュンビュンと振り回される、これぞまさしく人間分銅。
「先輩! わたし今、分銅になってるよ!」
「はーっはははははは、らーりる~れろ~ん」
鎖に縛り付けられ、振り回されてるカムイとラクシュマナ、二人は思い思いに感激に浸っていた。
そして、この技の名は!
「虚無僧必殺奧義! 大回転我弾!」
しかし、肝心の当てる相手がいないとなあ……。
「なにぃ、一体どこにいった!?」
大ボケなことに、技を発動させるのに時間がかかりすぎてしまい、ジェイナムを逃がしてしまったのである。
街の広場では、毒々しい薄桃色の色使いに、これでもかといわんばかりにフリフリのド派手なフリルに飾られた少女趣味な衣装に身を包み『街娘・A』に変装した(つもりの)カムイ・ボルヴィックが『人捜し:最新作戦を承った方』と、大きくかかれたプラカードをもち、人を集めていた。
「どうでもいいのだが、あれは『秘密指令』だったはず、その姿、変装のつもりであるならば、失敗したな……目立つことこの上ない」
ダーク・ミストにいわれるまま、カムイは周りを見渡す、ここは開発中のリゾート地である、道ゆく人は実に地味な服装だ、こんな派手なカッコしている娘は、誰一人としていない。
「それに、こんなふうに大々的に『秘密』をばらしていいのか?」
ダークの間髪入れぬ突っ込みにカムイはプラカードを落とし、がっくりと膝を折る。
『忍者』なのに目立ってしまい、剰え秘密の保守管理すらできなかったとは……。
「わたしったら忍者失格だわ!」
頭を抱えカムイは絶叫する、あ、自分で自分が忍者であることをばらしてるし……確か忍者って、自分の素性をばらしてはいけないんだったよね?
「ガビーン! 先輩……私、負けない……!」
頑張れカムイ! 涙を拭って立ち上がれ! 明日の君に、今日の忍び装束は着れないぞ!
「どうでもいいがな、おまえ、なんでオレ達を集めたんだ?」
クスィー・グラードは興味本位でここにきてしまったのだが、カムイを見てちょっと後悔した。
「そうです、皆さんに相談したいことがあって集まってもらったんです!」
ポンと手を打ち立ち上がったカムイは、そこにいるみんなの顔を見渡す。
「……みなさん、今回は指令を受けたと思うんです 当然みなさんは、やりたいことや、作戦を持っていると思うのですけれど、各人バラバラで行動したらきっと足を引っ張ることになると思うんです、だから……」
カムイは、拳を作ってみんなに見せる。
「遥か東方に伝わる『ジャンケン』でその実行順番を決め手はどうかと思うのです」
「ジャンケン……?」
ルーク・オーレは小首を傾げる。
「ふふ~ん、それはぼくが知っていますよ~」
メモルギターの音色が響く。
そこに居たのは帽子にスカーフ、ハネ飾りに身を包み、片手にナガヨウジ、心にお金、顔に星、背中にチェーンソーを背負ったヨクサル・ハクエイの姿があった……。
「握りこぶしは、二本指に勝って、二本指はたなごころに勝つ、そしてたなごころは握りこぶしを制するのです……ジャンケン、それは心の格闘技……」
真っ赤な顔をしたヨクサルの華麗なるギターの音色がポロンと響く。
「つまり喧嘩に勝った奴が作戦を遂行できるってことだな? カムイ!?」
ラル・アルグレーンは、さっそく何か勘違いしているようだ……カムイはぶんぶんと首を振るが、ヨクサルはこくこくと首肯く。
「何をワケが分からないことを言ってるんですか、適当な事いわないでください!」
「さぁ、愛の伝道師たるぼくの言葉を信じるのです」
カムイはヨクサルに突っ掛かるが、ヨクサルは、それを意に介していないようだ。
「こんな奴の言葉を信じるなよ」
「うるせえ!!」
ラルの肩を叩くオラッチ・ウィンドウの目に、ラルの人差し指と中指が突きささる。
「クローネ……君をモデルに、最高の絵を描きたかった……!」
オラッチは血の涙の海に沈んだ、安心しろ、オラッチ、目蓋が少し傷ついているだけだ。
「クローネにオレの歌を聴かせるんだぁ!」
ラルは二本の指を腰だめに構えると、今度は、ルーク目掛けて突っ込んでくる。
「ク、クローネちゃんを助けな、きゃ……」
ルークの鼻の穴にラルの二本指が突きささる。
アッパーカットの要領で撃たれた指は、そのまま振りぬかれ、ルークの体は錐揉みを描き、鼻血の弧を描きながら宙に舞った。
「次は、どいつだぁ!」
ラルはすでに目的を見失っていた、そして目標をダークへと移していた。
ピースサインを刺してこようとするラルの手に、ダークはカウンターで拳骨を入れる。
スレイヴ・ドールの固い拳はラルの指を簡単に左右に広げ、指の付け根まで到達した。
「これでしばらくは、自慢のギターも弾けまい」
ダークは、指を抱えのたうち回るラルに冷たく言い放つ。
「そうだ、協力してクローネを助けなくっちゃいけないっていうこんな時に、喧嘩なんか吹っかけてくるからだ! いい気味だぜ!」
パトリシア・シャルトルーズは憤然としながらもラルを起こす。
「人がひとりでも多く欲しいときなんだ、ほら、行くぞ」
一時はどうなることかと思ったが、なんとか丸く収まり(?)ほっと胸を撫で下ろすカムイ。
しかし、安心するのはまだ早い、戦いはこれからなのである。
「前……右……後ろ……左……OK!! 今度は大丈夫です! どこから見ても完壁なバスガイドさん。ちゃんと『ブレンバルト帝国制服図鑑』と『るるぶバートンルージュ』を買って勉強しましたっ。忍者は同じ過ちは繰り返さないんです!」
というわけで、服装も新たに捕獲作戦を遂行する。
バートンルージュの森から離れた農業都市ダリアセル、そのはずれの古びたバス停、申し訳程度におかれたベンチは塗装が剥げ、座ったらそれこそ、すぐに壊れてしまいそうであった、錯付いた鉄板にかかれた時刻表は、もはや読むことができず、そしてそのバス停がなんという所なのかもわからない。
しかし旅人たちは、そこで何かを待っていた。
「ホントにここでいいのかな?」
マネキ猫を担いだ少女、すなわちクローネ・ヴァイツは、懐から取り出したハガキに目を遣る。
『光と闇のレジェンド~バートンルージュ観光ツアー』
このハガキ、つまりはツアーの招待状がクローネたちが泊まっている宿屋に配られたのは、つい三日前のことである。
この手の懸賞に応募した覚えはない、だとすれば新しい旅行会社のモニターというものであろうか?
ハガキによれば、エウリュノメ研究所にいたる足代はもちろんのこと、一晩の宿代、食事代つまり掛かる費用はすべて無料、路銀に苦しむ旅人たちにとって、これはおいし過ぎる話である。
おいしい話には裏があるという台詞もあるが、それを突っぱねるぐらいの魅力にたくさんの旅人が集まった、というわけである。
「あ、きたよ、あれですよ?」
バス停からすこし離れた場所で額に手をかざし、地平線をのぞむティファーナ・トレレインは、あわててクローネたちの元へ駆け寄ってくる。
「まったく、一時間も人を待たせるなんて、職業人としてはづかしくないでケロか……」
ティファーナが、ケルノを乗せるためあつらえた帽子の上で類を膨らませる。
「まぁまぁ……」
クローネはケルノをたしなめる、そう、タグより安いものはない、ちょっとぐらいサービスが悪くとも文句を言ってはいけないのだ。
そうこうしているうちに、バス停の前に、小型の古びたバスがバスンバスンという音をたてて停車する。
ガコン!!
エンストをしたかのような停まり方をしたバスはその衝撃で、バンパーがすごい音を立てて落ちる。
「本当にいいんでケロか?」
う、うん、こんな日もあるよね、きっと。
ややあってバスの扉が『ブシュ~』という音をたてて開く、そしてなかからよろよろとあらわれたのは、エチケット袋を片手に、文字通り顔面蒼白の小柄なバスガイドである。
彼女は旅人たちが見守るなか、彼らの脇を擦り抜けるようにして、バスの後にまわり、しゃがみこむとエチケット袋に顔をつっこんだ。
「あらららら……大丈夫?」
ミーシャ・セパルトゥラはバスガイドの背中をさすり、ハンカチを差し出す。
「ええ、大丈夫です……優しいんですね……」
バスガイド、すなわちカムイ・ボルヴィックは泪目でミーシャを見る。
「ケルノはこんなバスに乗るのはいやだケロ」
ケルノは意を決して、ティファーナの頭から飛び降りる、しかし、そんなケルノを両側から鷲掴みにするものがあった、カムイであった。
「お客さま、勝手な行動をとられては困りますよ、ほら、よく言うじゃないですか『家に帰るまでが修学旅行なんだ』って……」
ケルノを握るカムイの手に力がこもる、おい、どうでもいいがそのままだと潰れちゃうぞ。
「あ、わたしったらつい……御免なさい……」
ケルノをティファーナの頭にもどすと口に手を当て微笑んでみせる。
うかつだった……力づくでケルノを奪ってはいけない……そう、あくまで、エレガントかつビューティフルに……それがニンジャというものだ。
「何をそんなにニヤニヤしてんのさ、あんた」
カムイを妄想の世界から引き戻したのは、ファリア・フィリクスである、さっきから吐いたり笑ったり、何とも忙しいバスガイドである。
「し、失礼しました、それではみなさん、お席の方へどうぞ……」
しかし、あえて、それに背を向けてエンハンスにまたがるものがいた。
「ギルバレス、行かないのか、バスでちゃうぞ」
バスの窓からクローネに呼び掛けられたギルバレス・ディビスは、煙草に火をつけ、クローネをふりかえる。
「ああ、俺ァ、こっちのほうが性にあってるんでな……それに、こいつは」
キルバレスは顎に手を当て、運転席のほうをじっとにらむ。
「まぁいいさ、とにかくクローネ、おまえも気を付けるこった、じゃぁな」
首を傾げるクローネにぞんざいに別れを告げ、ギルバレスを乗せたエンハンスはバートンルージュに向かい、消えていった。
こうして、一泊二日のバスツアーが始まったのである。
「ううう、今朝食べたおにぎりがあ……それにこの椅子……バネがお尻に……」
バスが出発して十五分ほどたっただろうか……フェイシア・フォノワンは、服のポケットにつめた猫のウーアンともども顔を青くしていた。
しかも、それはフェイシアだけではなかった。
運転がへたなのか? それとも舗装されていない道を走っているせいか? それとも、車が古すぎるせいか? あるいはこの三つ全てのせいか?
とにかくこのバス、走行中の揺れは尋常ではない。
カムイは、そろそろ頃合と補助席から運転席の横におぼつかぬ足で、ふらふらと立ち上がる、バス酔いの具合は相変わらずのようで、彼女の顔色は、すこぶる悪い。
「え~……今回は、帝都バス観光をご利用頂き、誠にありがとうございました……今日から二日間皆様をご案内させていただきます、ガイドは私カムイ・ボルフォッグと運転手はこちら……シャドウ・ミストの二人でごさいま……うっ!」
カムイは、地に膝をつく……イカン、だれかバケツを用意しろ! しっかし、自己紹介で偽名を名乗るなんて……なかなか芸が細かいね、そう思うだろ、運転手の、ダーク・ミスト君……。
「当然だ……」
そうなのか?
「はい、これ使って!」
うむ、ありがとう、クローネ。
「まったく、ガイドさんがいきなりバス酔いしてどうするケロ、プロ失格ケロよ」
クローネの頭上、したり顔で説教をかますカエルのケルノは、むんずと捕まれ、カムイが抱えるバケツのなかにほおり込まれた。
「どわわわわあ! ガイドさんの今日の朝食は、オカカのおにぎりに味噌汁ケロお!」
ケルノは頭上から流し込まれたものから、カムイの朝食を分析する……あ~あ……お食事中のかた、どうもすみません。
「はぁはぁはぁ……というわけでみなさん、よろしくお願いします!」
カムイのあいさつの後、バスのなかは拍手喝来で包まれる、激しいバス酔いをおして、顔面蒼白になりながらも気丈にふるまうカムイの姿は、見ているものの心に『感動』の二文字を無理やり刻み込むものであった。
(秘密可令の人~見てますかぁ?? わたし、頑張ってますよぉ……)
補助席でがっくりとうなだれるカムイの目には、涙がにじんでいた。
今日のため……バスガイドになりきるために『ブレンハルト帝国制服図鑑』と『るるぶ・バートンルージュ』を読んで勉強し……その成果が、この喝采である……まさしく、栄光の瞬間である。
「どうでもいいが、カムイ、おまえはひとつ間違いを犯している……」
ダークよ、俺が代わりに聞いてやろう……して、その間違いとは?
「……もっといいバス、調達できなかったのか」
何い! スレイヴ・ドールのうえ運転手のおまえまでか?
わっわわわわっ! だから蛇行はやめろって、なんか……俺まで……というわけでこれから数十分の間の惨状は、やばすぎるのではしょる……ぐえ。
出発して数時間後、バスはいよいよバートンルージュの森にさしかかった。
一時はどうなるかと思われたが、なんとか事態は収束し、各人カードゲームにカラオケに(前時代の古い流行歌)とバス旅行を満喫していた。
それにしてもこんなおんぼろバスで……『住めば都』とはよくぞ言ったものである。
(そろそろか……)
左手に見える丘に光が二回点滅するのと同時に、カムイにめくばせをし、ギアを一速落とす。
ダークにうなづいで反したカムイは、ケルノの現状を確認する。
トイレットペーパーを体に巻き付けられたケルノは、いまクローネの頭の上で、クローネがほおり投げる『柿ピー』を、舌でキャッチしていた、さらに、クローネは『柿の種』のみを選び出して投げているらしく、ケルノの舌は真っ赤に染まっていた。
カムイはそれを確認すると懐からコンパクトとペンライトを取り出し、件の丘に、鏡の反射を反す。
山道を一望できる丘の上では、アルティオ・ラグナロックが、タクアンをかじっていた。
「準備はOKね……」
アルティオは、バスの窓が光ったのを確認すると、傍らに突き立てたウォーハンマーを引っこ抜く。
柄を極端に短く持ったアルティオは、ハンマーを地面に対し水平にかまえ、それをぶんぶんと振り回す、勢いが増し、遠心力がついたそれは、アルティオを中心に、地面の炭を巻き上げていた。
「トォマホォォォゥクゥッ・ブゥゥメランッ!」
アルティオは片足を揚げ、野球の投球フォームから大回転するウォーハンマーを投げおろす、そのさきにあるのは……クローネたちを乗せたバスである!
「みなさん、右手をご覧ください……」
カムイの言葉に一同が右側の窓ガラスに張りつく。
「なんだぁ、なんにもないぞ……ほわぁ」
窓ガラスにべったり張りつき、目をぎょろぎょろさせるフォレスト・グリーンはバスが急停止した衝撃を受け、窓ガラスにケラチンをベったりと擦り付けてしまった。
「ピ~ナッツケロォ~」
やはり急停車したことで、手元が狂ったクローネはピーナッツを天井にぶつかるくらい高くほおり投げてしまった、そして、その琉璃色の輝きにケルノは目を輝かせながら、大きくジャンプして飛び付く。
ガシャァァァン!
それはその瞬間おこった、バスの左側から飛び込んできたその巨大な鎚は、クローネの頭のちょっと上に突き刺さる、丁度、ケルノがいたところである、危なかった、もし仮にバスが急停車していなかったなら、もしクローネがピーナッツでなく柿の種をほおり投げていたならおそらく今頃……。
しかも恐るべきことに突きささった鎚はひとりでにそこから引っこ抜けると、来た場所へと帰っていったのであった。
「わわわぁっ! 大丈夫ですか? クローネ」
あわててクローネに駆け寄るのは猫耳スレイヴ・ドールのエルハス・エンハンスである、クローネが持っているものを狙って、怪しい人がクローネを襲うだろうとにらんでいたエルハスは、彼女のボディーガードを引き受けていたのだ、それにしても白昼堂々、こんな方法でクローネの命を狙うものが あらわれようとは……。
「い、今のは一体!?」
危うく首を跳ねられそうになったクローネは、完全に腰を抜かしていた。
「……ただ今のものが、この時期のバートンルージュの森でのみ目にすることができる謎の白然現象『トマホーク・ブーメラン』でございます」
「ちょっと待ってよ! そんな自然現象あるわけないでしよう!」
カムイの解説に、ティアル・ネレイスムの間髪入れぬ突っ込みが入るが……。
「自然現象だったんですか、よかったぁ」
おい、エルハス、納得するなよ。
「あちゃぁ~……失敗だぁ、カエルさん釣れてないや……」
《吸引》のメモリシアのカによって、自分の元に戻ってきたウォーハンマーを手に、アルティオは、がっくりと肩を落とす、どうやらねらいはクローネではなくケルノだったらしい。
「……いつになったらつくのかなぁ……研究所」
クローネは配られたパンフレットを手に大きく伸びをする、予定では、研究所に隣接するオピオンの町にとっくに辿り着いているはずである。
やたらと風通しがよくなったバスのなかは静かなものであった、なんやかんやで、大騒ぎしていた皆である、大半の者が遊び疲れて眠っていた。
バスも今は最徐行中、不快だった激しい揺れも、今は心地いい震動として体に伝わってくる。
「あたしも寝よ……ムグゥ!」
クローネの口は、後の座席から伸びる手によって塞がれる、そしてそこに詰め込まれた二つのメモリシア、クローネはそれによって倒れる、息苦しいのはメモリシアで呼吸ができなくなっているからというわけではないのだ。
「はりゃ~どうしたんですか~?」
カムイは、寝果け眼をこすって座席でもがくクローネの元へやってくる。
「この女性が体調の不調をうったえたのでね、ぼくが面倒を見ているのです」
いつのまにか、クローネの隣に移ったヨクサル・ハクエイはカムイに事情を説明する。
「そーですかー」
カムイは大口をあけてあくびをすると、空いていた近くの補助席に身を投げだし、再び眠ってしまった。
「……このひと本当にガイドさんなのでしょうか? それよりも……」
ヨクサルは、自分の膝の上で喉をかきむしるクローネを見下ろす。
「きみが持っている《極楽》のメモリシア、ぼくに譲ってもらえないでしょうか?」
クローネの顔色が、赤から紫へとかわる、口にはめこまれた《病原菌》のメモリシアが効いたようである、一緒に噛ませた《消音》によって、クローネは声すら出せない。
「素直に出さないと死んでしまいますよ」
クローネは、それにウンウンとうなづくと、足元におかれた招き猫を足で叩く。
「これですか……ん?」
大きくて頑丈そうな招き猫は、肉球の部分にメモリシアが埋まっていた、そしてヨクサルの目に止まったのは頭に咲く真っ赤なバラである。
思わずバラに触れたヨクサルの手が炎に包まれる。
「火が、火が火がぁぁぁ!」
招き猫の頭に咲いていたもの、それはクローネがもつ第二のメモリシア《天国》のメモリシアによるものである、第二世代メモリシアである《天国》は組み合わせに使った属性の花を作り出すことができるのである、ちなみに今回は《火炎》のメモリシアと組み合わせて触ると燃える赤いバラを咲かせたのであった。
「ぬぬぬぬぬぬぬっ! 覚えていてくださいよ」
ヨクサルは、クローネの口から手早く二つのメモリシアを抜き取ると、悪者とも正義の味方ともつかぬ決めぜりふを残し、窓を突き破り外へ逃げ出してしまった。
「何なんだよ、今日は……」
クローネは窓の桟にぐったりともたれ掛かる。
予定の時刻を五時間ほどすぎた午後十時、一行を乗せたおんぼろバスは、ようやくオピオン入りをはたした。
カムイは全員がバスから降りたのを確認するとスピーカーつきの拡声器を取り出す。
「は~い皆さん、お疲れ様でした……こちらが今夜の皆さんに宿となります民宿『あばら屋』でございます……」
オピオンの外れも外れ、民宿『あばら屋』はその名のとおり物凄い建物であった、基本的に白い漆喰の壁にはひびが入っており、建物は大きく傾いていた。
その外観は、民宿のそれとは程遠く、むしろおばけ屋敷とか空き家といったそれに近い。
「ここで明日の簡単なスケジュールを、皆さんにお伝えします……」
おおっと、メモとらなきゃ
「明日のメインスケジュールは『超常探索課と行くエウリュノメ研究所』となります、皆さんには準備の時間を多く取ってもらうため、早朝五時に起床していただきその後、ラジオ体操で軽くお腹を空かさせた後朝食……その後三時間の自由時間の後、超常探索課の取材見学となります……」
一斉にブーイングが飛ぶ、修学旅行だって生徒を五時に叩き起こすようなマネはしない。
「……え、そんなぁ……駄目ですか?」
駄目ってこたぁねぇが……なぁ……。
「早朝の空気って、澄んでいてとっても美味しいんですよ」
あたしゃ仙人じゃないんだから、空気なんぞ食わないよ。
「それに、ラジオ体操の後の朝食に勝るご馳走はないですよ」
でもなぁ……。
「本当はもっと、激しい運動の後の方がいいんですけれどね、火とんの術の練習の後とか……そうそう、隠れ身の術なんか、見掛けに寄らず意外とハードな練習が必要なんですよ……」
え!?
その場にいる全員の目が点になる。
……火とんの術ができるバスガイドって一体?
「え、わたしなにか変なこと言いました?」
無言のダークの手に連れ去られるカムイ、いきなり大きな謎を突き出され、あばら屋の夜は更けていったのであった。
疲れ切ったツアー客が眠りに就くのに、そうそう時間を要しなかった。
午後の十一時ごろ、一回の玄関近くの部屋。
黒装束のカムイは、この畳敷きの部屋である男の前にぬかすいていた。
「話は聞いたぜ、一回奪取に失敗たんだってな」
カムイに背中を向け寝転がる、その男は、めんど臭そうに起き上がり胡坐をかく。
「貴様たちのやっていることはまどろっこしすぎるんだぁよ!」
酒瓶に口をつけて、もうすでに出来上がっているその男は、ヒビキ・テンドーである、その傍らには、何に使うのか、先の割れた竹刀がおいてある。
懸命な読者諸氏は気付いたであろうか?
なんと、この作戦は、カムイの立案で超常探索課のサポートで遂行されていたのであった。
しかも無謀なことに、レムリア主任は超常探索課の作戦行動隊長として、ヒビキを任命したのだ。
「まぁ慌てないでください、皆さんが考えた作戦のあることですし、それに今クローネさんはわたしたちの手の中、チャンスはいくらだって……」
「カムイ……そうも言っていられないみたいだぜ」
カムイはぎょっとした顔で、いつの間にか背後に立っていたダークをふりかえる。
「こっちに来る時、『奴』を見た……そろそろ動きだす頃だろう」
ダークは珍しく、表情を作ってみせる……しかし それは、獲物を狙う獣のようなそれであった。
「うっふぅぅぅぅんケ・ル・ノちゃ~ん、待ってぇぇん」
ギルバレスと別れたクローネとケルノは、イルファ・ティファレトに追い掛けられていた。
「ク・クローネ、もっと早く走るケロ、もし捕まったら一生恨んでやるケロ!」
ケルノが言うのも無理はない、というのもイルファの体には非常にリアルなガマカエルの皮膚の模様がボティーペイントされており、遠目から見ると非常に恐い、なにせ、本職がカエルのケルノが恐がるほどである。
「さすがはオレ様の下僕……イルファ、今のお前は立派な蛙撫子(カエルビューティ)だ」
台詞とは裏腹に、ヒビキは木の影から恐る恐る二人の追い掛けっこの様子をうかがっていた。
カエル飛び四回、平泳ぎ二キロメートル、さらにかたもみのノルマをイルファに科し、彼女を立派な蛙撫子に育て上げたのは、他ならぬヒビキその人であった。
「……!」
声にならない声、次の瞬間、ヒビキは震えあがった。
「カ、カエル……こっち来るなぁ!」
どうやらヒビキは本当にカエルが嫌いらしい。
「ヒビキさん、右です!」
ヒビキは言われるままに右の藪に飛び込む、そして迫る二人と・一匹(?)の前に敢然と立ちはだかったのはティーシャツにスパッツというスタイルのカムイである。
カムイは両手を広げ、ゆっくり宙に弧を描くとそのまま両手を懐に入れる、そしてそこからでてきたもの、それを目にしたとき、イルファとケルノの動きが止まった……。
「必殺、三すくみ!」
カムイの右手に握られているのは蛇、そして左手にはナメクジが乗っかっていた。
カエルはヘビに弱く、ナメクジはヘビに強いがカエルにはまける……ダークが考えた自然の摂理を利用した対ケルノ用の必殺技である。
「今です!」
三者が固まっている隙をつき、ナメクジを捨てたカムイの手がケルノに延びる。
「ムギャァァァァッ!」
カムイはケルノの口に《貫通》のメモリシアを噛ませると、そのまま自分のティーシャツに擦り付ける、するとケルノは下半身のみがティーシャツと一体化する、そしてケルノのくびの辺りまティーシャツに吸い込まれたのを見計らって《貫通》をケルノの口から取り出す……生きているカエルのティーシャツの完成である。
「うふふふふ……つ・か・ま・え・たぁ……」
唖然とするクローネを押し退け、イルファはカムイに抱きつく。
「きゃっ」
咲き乱れる百合の花をバックに、カムイは類を赤らめる、薄いシャツ介して、ふたつのやわらかな感触が、カムイの首の辺りを挟さむ。
「あの……わ、わたし」
お~い、二人とも……何やってんだぁ~?
「というわけで、ケルノちゃんはもらったわよ~ん」
敵もさるものという奴である、イルファはいつのまにかカムイのシャツの裾に手を掛け、そしてそれを今、ひっぱりあげた。
「ううぅっ、もうお嫁さんにいけないです」
シャツをひんむかれ涙ぐむカムイは、もう行動不能である。
裏返しになったシャツから声が響く。
「騎士像の頭は、地下……いっぱい樽が並んでいるのが見える……ケロ……早く行くケロ」
「いやだ……嫌だよ、ケルノ、ケルノがいなかったらどうやってパーツを探すんだ?」
感動的なシーンが台無しだな……。
「いいから行くケロ! 残るパーツは頭も含めて三つ……ケルノがいなくたって、すぐに見つかるケロ」
「ケルノォォ!」
連れ去られるケルノシャツにクローネの悲痛な叫びが響く。
第3回DB2のリアクションが届いた。
プロット欄に書いたことが、全部採用されたぞ。ばんざーい、ばんざーい……と、それは取りあえず置いといて……次回アクションを考えるための基本的事項は以下のよーなものであった。
「イシャラナ皇女に変装して、貴族に直接会いに行き、盾をその場でもらってしまう」というのはどろうだろう? まじめにやるなら、密かに忍び込んで任務完了とするところだけれど、それでは展開として全然面白くないし、他のPCさん達に絡むことができないから却下。
なにはともあれ、今回はリアクションが2つに分かれているようなので、まずはもう片方のと、次回お邪魔することになるNBブランチのリアクションを入手してから考えることにしよう。うまい具合に岩手県の方が参考用名簿に載っていた。隣県ならば、出した翌日に手紙が届くので、早ければ金曜日にはNBのリアクションを入手することができるだろう。
インターネットの掲示板等を覗いてまわる。
どうやら、NBブランチは発送が遅れているらしい。こちらの方でも、保険としてNBのリアクションコピーをお願いしておく。
DB1のリアクションが届く。
依頼をしている貴族に関する話は、こちらの方に詳しく出ていた。「どーせ、皇女のことなんてそんなに知らないボンボンに違いない」なんて考えていたんだけれど、実は40過ぎのおっさんであった。これにより変装案は完全に没となる。
さて、どうするか?
改めて、次回RA一覧を見直してみる。
ジェイナム、チャール、アッシュといったNPCに関わるものが1つもないけど、彼らに関わってきた人はいったいどうするんだろーか? ま、それは置いといて。
1と3は離宮、2はエンタープライズがその舞台になると思われる。しかし、人数的には1&3の方が圧倒的に多い筈だ。ということは、リアクション分割は行われないと見た方がいいんだろうか?
多くの人に絡むことを考えるならば、やはり1に関わるものにするのがいいだろう。ん? よく考えたら、俺のキャラクターは、貴族階級じゃないか!! ということは、離宮に簡単に近付くこともできるのでは? そして、その付き人ということで、他の人達を離宮内部に導くことも……。きっと、皇女に手紙を渡す方法やそのシチュエーションは書いてあるけど、離宮に入る方法とかを書いてない人もいるに違いない。そーいった人達を巻き込むことができるな。よし、これで行こう!! 対象者は……まぁ、虚無僧ギルドかな。「盾を入手した場合、それを売ってくれるなら、離宮に入る手助けをしましょう」と持ちかけるのだ。うむ、バッチリである。
仕事中、突然ひらめいた。
そうだ!! 「お茶会を開く」というのはどうだろうか? オープンなお茶会を開き、「王宮内では走らないこと」「常にエレガントに振る舞うこと」といった項目が10ページ近くに渡り書かれてある誓約書にサインをした者だけが、それに参加できるようにするのだ。「お茶会の途中にトイレとかに行こうとして道に迷い、偶然にも離宮へと辿り着いてしまった」なんてことがあるかもしれないけれど、そーいったことには一切関知しない、とゆーことも最初に言っておく。そうすれば、門前払いになってしまう人をかなり減らせるのではなかろーか?
で、その分厚い誓約書の中に、さりげなく「若草の騎士像を入手した場合には、当方に献上すること」という一文を含めておくのだ。採用されれば、リアクションの最初と最後に登場することができて、なんとなく全編を通して登場したような錯覚に陥ることができてお得である。よし、これで決まりだな!!
岩手県の方からNB2のリアクションが届く。
しまった。NBって、複数リアクションに分かれていたのか。ネットにて頼んだ方が、NB1かNB3を送ってくれることを祈ろう。
さて、問題はその中身である。読んで愕然とした。現在、王宮ではテロ騒ぎが発生しており、皇女が何者かに命を狙われているという状態らしい。しかも、離宮ってのは王宮からかなり離れていて、厳戒態勢で護衛隊に守られているという状態だ。これでは、とてもお茶会など開いていられない。そもそも貴族だからといって、簡単に近付けるわけでもなさそうだ。
困った。アクションを最初から考え直さなくては。
しかし、私の頭は既に「貴族の立場を利用して、他の人達を離宮内部へと導く」というものに固まってしまっている。まずは、これを払拭しなくてはいけない。……ダメだ。思いつかない。とりあえず、明日から考えることにしよう。
リアクションが届く。ブランチはNB3……良かった。
こちらは騎士団関係であった。直接的に皇女に関わっているわけではないけど、王宮のヤバイ状況ははっきりと伝わってくる。いよいよ、アクションを考え直さなくてはいけなくなってしまった。日曜日にはプライベがあるから、明日までにはアクションを固めておきたい。交流している人にFAXもしなくちゃいけないし……。
布団の中で悶々と考える。
やはり、貴族という立場を利用して離宮に近付くか? しかし、そんなことを1人でやっても別段面白い展開になるわけではない。虚無僧ギルドあたりに随行を求めるとすれば…………ダメだ。キャラクター自身が皇女に会いに行くのなら、他の人達を連れていく必要なんて特にない。第一、こんな競争率が高そうなことをアクションにするのは、「他の人がやってくれるだろうことはやらない」という私の主義に反する。そもそも、虚無僧ギルドの一員として行動したら、任務を遂行できたとしても、盾はギルドのものになってしまうのだから、秘密指令は失敗ということになるのではないのか?
貴族の立場を利用して、虚無僧ギルドの人達の身元保証を行うか? その代わりに、盾を入手したらそれを売るようにと持ちかけるのだ。いや、それはあまりにもリスクが大きすぎる。彼らなら、離宮でどんなことをするか見当も付かない。下手すると、家がお取り潰しになってしまう可能性だってある。第一、一貴族が身元を保証したからといって、そう安々と離宮には入れないように思えるし。
こうなったら、「できるだけ多くの人たちに絡むよーな行動をとる」という理念には反するけど、秘密指令の方を優先して、アルター卿のところに直接押し掛けていって、盾を奪うことにしようか? 前回、ちゃんとパワードスーツも購入したことだし、「さぁ、第3のサンプルを返してもらおうか!」と『ジャイアントロボ』ネタでも……。
でも、皇女のそっくりさん作戦もなかなか捨てがたい……。リアクションの最後に登場しているこの「誰かに似ている」スレイブドール。十中八九、まず「皇女似」だと思うんだけど、「ルカ似」であるという可能性も捨てきれない。皇女似だという確証さえあれば、「皇女のそっくりさんを探して、アルター卿に会いに行く」というアクションを掛けるんだけど……。
仕方がない。今回は、盾を直接奪いに行き、『ジャイアントロボ』ネタをすることにするか。ま、今回はインターミッションということで許してもらおう(←誰にだ)。
ホントに他にできることはないんだろーか?
プライベを明日に控え、悶々と考える。お茶会、ギルドへの依頼、そっくりさん、『ジャイアントロボ』ネタ等が、頭の中で堂々巡りをする。
ダメだ。他に何も思い付かない。やはり盾を奪いに行くしかないんだろーか。あんまり気分が乗らないんだけどなぁ。
ん? 待てよ。今回、飛脚ギルドの手に渡った若草の騎士像(頭)。これを奪いに行ってもいいんじゃないか? そうだ、そうだよ! 何も『盾』に固執することはなかったんだ!! 今回、きっとみんな盾狙いで行くんだから、そっちはもう他の人に任せてしまおう。ひょっとすると、マスターも予期してないことかもしれないな。よし! だんだんアクションを書く気分になってきたぞ!!
と、以上のような紆余曲折を経て、最終的にアクションは下記のようなものになった。しかし、ものの見事にRAを無視している。ま、あくまで「そのRAに関連した行動をとる」ということなので、深く考えないことにしよう。
- DB1)皇女に手紙を届ける
目的:若草の騎士像(頭)を回収する
バートンルージュの森にあった騎士像の欠片は、現在、飛脚ギルドの人達が持ってるって聞きました。それで今回、『イシャラナ皇女にお手紙を届ける』っていう大きな仕事が入ったみたいですから、みんなそっちに行って、お店の方は人手が少なくなると思うんです。……ってことは、今がチャンスの時ですよね。忍者は相手の隙を決して見逃さないんです!!
というわけで、飛脚ギルド本部に忍び込み若草の騎士像(頭)を奪う。『貫通』のメモリシアを取り付けたパワードスーツ(愛称:ビッグゴールデン)に乗り込み、壁をすり抜けて進入する。
「はーっはっはっは……は(ケホケホケホッ)。さぁ、第3の奇蹟の欠片を渡してもらいましょうか!!」
アクションを投函して数日後に思ったこと。
「しまったぁぁぁっ! パワードスーツの説明に『36回ローンで購入』って書いておけば良かったぁぁぁぁっ!!」